コンビニ人間
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ナレーター:
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大久保 佳代子
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著者:
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村田 沙耶香
*本タイトルは、差し替え修正済みです。(2023年2月13日更新)
第155回(2016年)芥川龍之介賞受賞作
36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、
変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、
清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、
毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、
私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。
ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は
「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。
現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。
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Audible制作部より
「ONLY FROM audible」とは、Audibleのみが提供・販売するデジタル音声作品です(オリジナル作品や、独自ナレーション作品等)。
普通という社会の窮屈さが鮮明に、どこか親近感もあり面白かった!
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面白かった。「この人は私だ」と思える主人公ではないけれど、主人公の人生像が確立していて心情を追いやすく良かった。いつでも自分が今誰の喋り方を使っているかを意識していて、他人がどのように「普通の人間」たらしめているかを観察している。主人公の独特の思考に触れながら、いやいやいやと思ったり、共感したりしていた。
主人公がコンビニ店員としていきいきと働いているところが好ましかったので、家族や友人や同僚にコンビニ店員であることを軽んじられる場面は心が苦しかったし、終盤でコンビニに入店して水を得た魚のように動き出す様子に嬉しくなった。ここまでコンビニに関する様々な知識があり、怒りを覚えず、心からコンビニで働くことを望んでいるなら才能であり天職だと思う。色々な生き方が許容される社会であればよかったのにな。
白羽さんはTwitterで見かける嫌なタイプの男性を強調したような人だなと思った。彼の心情に触れて同情しかけて、言動にドン引きして、を繰り返した。彼以上に変わり者の主人公と出会ったくらいで心境の変化があることもなく、彼の人生に染み付いた個性が揺るがないことにも説得力があり良かった。
主人公に典型的な偏見の暴力を無抵抗に受けさせて、読者の怒りを煽る展開は少し苦手。物語に登場しない書き手の影がうっすらと見えるようで。
ナレーションについて。大久保さんの声自体は物語に合っていて良かったけど、単語でつっかえたり読み上げるリズムが崩れたりして現実に引き戻される箇所があった。不安定な部分はできれば録り直して欲しかった。
聴きやすく面白かった
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私は、大久保さんの声や淡々とした読み方は作品にたいへん合っていると思います。癖のある主人公、フツーの人々、白羽さんをちゃんと演じて分けているし、男性のセリフにも違和感がありません。なかなか、30歳を超えた女性を罵るがその実空虚である白羽さんのセリフを空虚に演じることは難しいと思う。それをやってのけていると感じます。あとは、オーディブルという単価の大変高い媒体で販売するに足るクオリティに持ってくる(練習量でしょうか、プロでないので分かりませんが)事が出来れば、素晴らしいと思います。
最後に、これは作品自体のことというより、朗読を聴くということの特徴かもしれませんが、白羽さんの台詞にはかなり汚い言葉が多いです。目で読む分には「そういう描写」として捉えられるものも、朗読で聴くと、意味を伴ってとても強く響くため、つらい、聴き難いと思うことがあります。それが朗読の良さ、力ではありますが、感性豊かな方は気をつけられた方が良いと思います。
荒削り
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異常な感性を持った主人公の考え方がわかりやすく説明されていて、たしかに、その人の目から見るとそんなふうにこの世界は見えるのかもしれないと思った。それから、その場のルールを読むのに必死になっているところに、こういう時あるなあと共感した。
感じ方は変えられない。人と大きく違う感じ方をするように生まれついた人はその差分の大きさに比例して苦労する。こんな変わった主人公がどんなふうに生きていけるのか、最後の最後まで私には思いつかなかったが、最後に鮮やかに解決してみせた筆の巧みさ、よく練られた構図にとても感銘を受けた。
あとナレーションも読み分けしてくれてとても聴きやすい。
話がすごく面白かった
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この本の主人公に対しても、アスペルガーのような診断名をつける人がいるようだが
診断名など、たとえ医師がつけたところで確固たるものではない。科学的根拠もない。
ちなみにアスペルガーは、すでにアメリカのDSMからは削除されている。
たしかに他人の理解できない言動というのは、不愉快なものである。だが、何らかのレッテルを貼ることで、やっと相手を可哀想な人、と上から目線で存在を認めることができる…というのは何とも、ちっぽけな人間という感じがするではないか。
自分だって何様でもないのだ。他人から見れば、何かしら理解不能で苛々させる面があるだろう。
こちらにそれなりの理由があって、理由を聞かれればこうこうだから、と説明する用意はあっても
ひょっとしたら、その説明は、聞かされた相手からはとても納得のしようがない、非常識なものかもしれない。
よくわからない人間は、本能的に怖い。だから、知って納得したいというのは当然の欲求だ。
その際自分の価値観とは違うのだという前提をもとに、相手の話を聞いたりして仮説を立ててみる。
その仮説を、相手との関わりのなかで必要に応じて柔軟に訂正していく。そういう事ができれば良いのだが。
実際には、人は相手の容姿、性別職業年齢などの属性から得る印象をそう簡単には訂正しない。
というか、そこまでゆっくり他人と向き合おうとしないのだ。
リア充、ヲタク、メンヘラ、勝ち組、負け組、と暴力的に他人を仕分けて、わかったつもりで満足してしまう。
そうした暴力に対して、抗議したりマイノリティとしての自己主張をするのではなく
ただ「どうしたら皆が納得してくれるか」と幼児のような素直さで目えないルールに従おうとする主人公。
普通になろうと従順に努力する彼女は、無頼派でもなんでもないのである。
そういった面でも、過去の似たテーマの小説ともやや趣が違う。時代に合っていて、やはり小説として上手いのだ。
上手い
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