『浮世の画家』のカバーアート

浮世の画家

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浮世の画家

著者: カズオ イシグロ, 飛田 茂雄 (翻訳)
ナレーター: 宮園 拓夢
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このコンテンツについて

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戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野。弟子に囲まれ、尊敬を集める地位にあった彼だが、終戦を迎えたとたん周囲の目は冷たくなった。小野は過去を回想しながら、みずからの信念と新しい価値観のはざまで揺れる。ウィットブレッド賞受賞作。

©AN ARTIST OF THE FLOATING WORLD by Kazuo Ishiguro Copyright © 1986 by Kazuo Ishiguro Japanese audiobook rights arranged with Rogers, Coleridge and White Ltd. through The English Agency (Japan) Ltd. (P)2019 Audible, Inc.
大衆小説 現代文学
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老人から青年から女性から子供まであらゆる声を巧みに話す技は素晴らしい!登場人物を正確に把握し見事に表現していると思う。色々な作品で活躍される事を期待します。

とにかくナレーションが達者!

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コロナ禍で擬似的に国家総動員法のようなものを味わった者は、この作品をスルーしてはダメだと思う。
老画家の戦前〜戦後にかけてを懐古し、生真面目で才能も情熱もある主人公がいかにして戦意高揚のためのプロパガンダ絵画を描くに至ったかを丹念に追った作品。
恐らく作品を通して最も伝えたいメッセージはきちんと主人公の口から発される。「時勢に押し流されるな」「決して群衆に盲従してはならぬ」「自分が押し流されていく方向を注意深く見直せ」というコロナ禍にも通じる教訓だ。それなのに、それを言った主人公自身がその後、その生真面目な性格から戦意高揚の絵画活動に加担してしまう。口では何とでも言えるという事だ。
若者(戦争に行かされ多くが死んだ世代)vs年長者(のうのうと生き残った主人公含む戦争責任者の世代)の構造が繰り返し強調されているが、誤解してはいけないのは、若い世代=善、主人公(小野益次)世代=悪とするのは早計だという事。
私達もコロナ禍で、今思えば過剰すぎた政策やルールをたくさん受け入れ、生真面目に守り続けた。従わない人間はSNSに晒され、芸能人ならニュースで吊し上げられ、非国民扱いを受けた。日常レベルでも、例えば食べ物にむせて咳しただけで周りから睨まれる、マスクをしてない人は睨まれるのは当然で、知らない人から説教されるなど、今思えば異常な事柄が「正義」の皮を被って堂々とまかり通っていた。「誰のせい」とかじゃない。あのルールを受け入れた私達国民全員に責任がある。あの頃、国民全員で創り出した空気感に潰されて自殺した人が沢山いたが、私達は誰1人その死に関して「自分は悪くない、何の責任もない」と信じており、「私は正しい事をした、あの時できる最善を尽くした」と思いながら今日を生きている。その態度は、前半の主人公の態度と全く一緒だ。彼らは言う、「少なくとも俺たちは信念に従って行動し、全力を尽くして事に当たった」。コロナ禍の滅茶苦茶な政策に生真面目に従い続けた事は今思えば褒められた事でもないが、あの時、それ以外に何が出来た?そう思うと主人公を責める気にはなれない。

それはそれとして、後半になると主人公は罪を認めるようになり、すっきりしない部分はあるものの一応ハッピーエンドかと思った瞬間、ラスト間際にそれまで見えてこなかった事実が判明し、物語の根幹が崩されてしまう。作者お得意の主人公の自認のずれの技法が一段とこの物語を面白く(複雑に)しているので、2度3度と楽しめる。

以下、面白い点をメモ。
怪獣=戦中の戦意高揚プロパガンダ活動のメタファー?
一郎は益次の性格を濃く受け継いでおり、「小さい益次」とも言える。つまり、怪獣が怖くて直視できない一郎は、自分が犯した罪を直視できない益次のメタファー。
「おじいちゃん。あのかいじゅう、ゆうしいぜんなの、それともちがうの。」というシーン、
ゆうしいぜん=有史以前=原文で“prehistoric”。
“prehistoric”には「全く時代遅れの」「旧式な」という意味もある。
つまり、一郎が益次に対して「おじいちゃんがした事は『全く時代遅れ』なの、それともちがうの。」と直接詰め寄っているとも読め、かなりグロテスクなシーンに変わる。
映画を見る前、入り口に貼ってある怪獣のポスターを見て一郎が言う、「偽の怪獣だったことくらいすぐ分かる」「誰だって分かるよ。人間が作ったものさ」「だっておかしくてしょうがないんだもん。誰かが作った怪獣にしか見えないよ。」戦争プロパガンダはもちろん人間が作り出したもの。その事の示唆なのでは?

生真面目な人ほど、過つ。

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文学的には、高評価かも知れませんが何を言いたいのか私には理解出来ない。表現的には文学的な匂いが感じられ、心地良い。ただ何を表現したいか良く理解できない。
カズオ・イシグロの独特の表現だと思います。
一度目に聞くと退屈だが、何故か何度も聞きたくなる。特に後半部分は何度も聞きたくなる。
ナレーションは耳障りが良く、心地良い。

ストーリーが難解で理解出来ないが、耳障りが良く何度も聞きたくなる

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戦後、娘の縁談を契機に、戦前の国威活動を蒸し返されるのではないか?そう危惧する老画家の話。

何処で読み齧ったようなテーマ。

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