エピソード

  • #26 AIの文章はなぜもやっとするのか「Stop AI Slop」を読む
    2026/07/14

    今回は「Stop AI Slop」日本語版のスキルを二人で読みました。AIが書いた日本語は間違ってはいないのに、なぜかもやっとする。その正体は書き手の不在らしい、という話です。

    無生物主語の多さ、「重要だ」「本質的だ」で終わる文、何でも最高でやばいことになる強すぎる言葉。リョーが日々浴びてきたAI臭の正体を、スキルの本文をケンスケが音読しながら一つずつ確かめていきます。前半にはドラゴンクエスト4のクリフトが古のAIスロップだったのでは、という脱線もあります。

    後半は、AIの出力を丸投げされてトークンを消費された愚痴から、AIコーチングの話へ。真夜中でも月額3000円で付き合ってくれる相手が現れたとき、人間のコーチは何を残せるのか。軽いコーチングの仕事が減ると、これから育つコーチの練習機会も減るのではという心配は、ケンスケにも刺さっていたようです。

    答えを出す回ではありません。ただ、AIの文章を読んで結局何が言いたいんだと思ったことがある人には、引っかかる箇所がいくつかあるはずです。この続きはまた別の回で話すつもりです。

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    55 分
  • #25 【雑談回】質問とNVC
    2026/06/28

    前回の「質問の仕方」の話から、今回はNVC、非暴力コミュニケーションへと話が広がっていきます。明日から東京のトレーニングへ向かうケンスケが、ユーチューブで見たNVCに引っかかりを覚え、それを持ち込んだところから始まりました。

    非暴力という名前から「優しい世界」を思い浮かべる人は多いはず。でもリョーが大切にしているのは、もっとシャープなNVCです。お互いに誤認しないことこそが優しさであって、「なんとも言えないですね」と遠慮し合うのは、むしろ優しくない。観察、感情、ニーズ、リクエスト。その流れの中で、頭と体のずれをほどいていく考え方を二人で掘り下げます。

    ニーズの数は決まっていて、その主語は必ず自分。子どもに「お前のためだ」と言うとき、その裏にある自分の願いに正直になると、案外かっこよくない素顔が見えてくる。経済的な安定なのか、相手が投資対象として輝いて見えるのか。身も蓋もないところまで降りていく作業が、かえって会話を楽にしていきます。

    途中、リョーが長年やってきた太極拳の話が効いてきます。型をなぞるだけの演武は、ただの踊り。人を動けなくする意味を込めて初めて武道になる。その視点が、NVCのとらえ方ともそっと重なっていきます。

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    23 分
  • #24 質問力を伸ばすヒント
    2026/06/23

    今回は、ケンスケがリョーに「質問力を高めたい」と相談を持ちかけるところから始まりました。聞きたいことはちゃんとあるのに、いざ問いを投げると相手が混乱してしまう。そんな悩みの正体を、二人でゆっくり解きほぐしていきます。

    リョーが大切にしているのは、問いを「行動」に立ち返らせること。納得したい、知りたいという気持ちのまま投げるのではなく、「自分の何が止まっていて、何ができずに困っているのか」を相手の視点に翻訳してあげる。問いをシャープにして、相手の時間を奪わない。その姿勢の奥には、駆け出しエンジニアだった頃の原体験がありました。

    質問がどうしても散らかってしまう人、コーチングや対話を生業にしている人に、そっと手渡したい一本です。落ち着いて、いっしょに考えていきましょう。

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    48 分
  • #23 光と闇の本
    2026/06/09

    今回のS56FMは、いつもの夜更けではなく、早朝の起き抜けから収録してみました。

    入り口は、いま静かに話題を呼んでいる一冊の本。アジャイルという狭い世界の光と影を、当事者の視点で描いたノンフィクションです。そこから話は、先行者利益とはいったい何なのか、なぜ後から来た人は同じことをしても報われにくいのか、という問いへと広がっていきます。

    やがてたどり着いたのが「ランクと特権」という考え方。誰もが何かしらのランクを持って生きていて、それに無自覚でいることが、どんなすれ違いを生むのか。YouTuberの世界と見比べながら、リョーとケンスケなりにじっくり掘り下げました。

    地球に高低差があるかぎり、まったく同じ立場の人間は存在しない。そんな視点を一つ手にするだけで、見えてくる景色は少し変わってきます。自分の足元を静かに見つめ直したくなる、そんな一回です。

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    30 分
  • #22 ビガーゲーム
    2026/05/26

    今回はケンスケが週末に龍谷大学で受けてきた二日間のワークショップ「ザ・ビガーゲーム」を、じっくり振り返ります。

    コーチングの源流のひとつ、CTIの創設者が開発したというこのゲーム。いつもの領域、渇望、譲れない目的、大胆な行動など9つの領域を、床に並べたカードの上を実際に歩きながらたどっていくものだそうです。盤の中心に置かれているのは大胆な行動。そこを起点に、行きつ戻りつしながら、なりたい自分へ少しずつ近づいていきます。ただ場所を移すだけで気持ちが動いていく。その不思議な体感を、受けてきたばかりのケンスケが、ひとつずつ言葉にしていきます。

    ひとつのゲームは、早ければ十分ほど。深めたければ、もっと時間をかけてもいい。コーチングを学んでいない人でも触れられる懐の広さや、自分のツールとして自由に使える範囲と、ワークショップを開くための資格・ライセンスの線引きについても、ふたりで確かめながら話しました。

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    47 分
  • #21 Howieガイドと実例
    2026/05/19

    今回のs56ラジオは、ゴールデンウィーク明けの近況報告から始まり、本題はマネーフォワード社で起きたGitHubへの不正アクセスに関する一件を取り上げます。

    前回お話ししたポストモーテムとHowieガイドの続編として、ちょうど世間を騒がせている大きなインシデントを題材に、外から眺めたときに何がどこまで見えるのかをゆっくり整理していきます。

    リポジトリのコピー、流出した可能性のある370件のカード情報、本番データベースは無事との公式発表。事実だけを並べると一見筋が通っているのに、現場の感覚からするとどこか腑に落ちない。その引っかかりがどこから来るのか、ソースコードに何が紛れ込みうるのか、本番データとテスト環境の扱いという業界の事情にも触れながら、あくまで邪推という前置きのもとで話を進めます。

    透明性のある一次情報を出すことが、なぜ企業にとっての生き残り戦略になり得るのか。ダメージコントロールという言葉の本来の意味、そして二次情報の質は一次情報の質に支えられているという最近の気づきまで。エンジニアでない方にも、現代の情報の受け取り方を考える一助になれば幸いです。

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    46 分
  • #20 ポストモーテムとhowieレポート
    2026/05/06

    今回のs56.fmは、SRE(サイトリアビリティエンジニアリング)の文脈で語られる「ポストモーテム」を題材に、障害報告のあり方を二人で掘り下げました。

    きっかけはEtsy社が公開した障害対応ガイド、そしてその集大成とも言える「Howie レポート」。約60ページにおよぶ英語ドキュメントを読み解きながら、調査官のアサイン、キャリブレーションミーティング、ナラティブの構築といったプロセスを順に追いかけていきます。

    話の中心となるのは、主観と客観、そして後知恵(ハインドサイト)や反実仮想(カウンターファクチャー)を切り分け、事実を丁寧に積み上げていく作法。民族誌学のトライアンギュレーションにも通じる考え方で、「結末を知っているからこそ人は賢く動ける」という罠を避け、再発防止につながる再生可能な記録を残すための工夫です。

    後半は、ブレイムレスからブレイムアウェアへの変化、コーチングのベンチレーションとの相性、ホラクラシーのファシリテーションにまで話題が広がりました。失敗を糧にできるチームのあり方について、ゆっくり考える回になっています。

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    51 分
  • #19 セグメンテーション
    2026/04/26

    今回は「コーチ」という言葉の曖昧さから話がはじまります。野球コーチやアジャイルコーチのように手ほどきをする立場と、ICFのように答えを教えないコーチ。同じ呼び名でもやっていることはまったく違うのではないか、という前提をまず二人で整理しました。

    そこから話題は「セグメンテーション」というキーワードへ。ランニングアプリStravaの区間設定、カラオケ採点の分解、正拳突きという技が生まれた経緯、さらにはチーム名のつけ方まで、一見バラバラに見える営みの根っこには同じ構造があるのではないか、という仮説を掘り下げていきます。唯一無二のアナログな世界を、あえて区切って名前をつけてみることで、人ははじめて再利用できる知恵として扱えるようになる。その過程そのものが、コーチングの仕事と重なってくるという話です。後半では、感情に名前をつけて追いかけるコーチングの実践にも触れ、気がつけば幕末と薩摩隼人の話題まで脱線。ゆるやかに広がっていく対話を、そのままお届けします。

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    47 分