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知っておきたい日本の漢詩第十二回 安らぎを求めて 夏目漱石
- ナレーター: 宇野 直人
- 再生時間: 51 分
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<第十二回>
安らぎを求めて――夏目漱石
夏目漱石(1867~1916)は、もちろん、森鷗外とともに日本の近代文学を確立した大家ですが、漢詩人としても独自の個性を発揮し、大きな足跡をしるしています。
彼は小学校時代から漢詩文や中国美術を好み、漢学塾の二松学舎(にしょうがくしゃ=今日の二松学舎大学の前身)に学びましたが、帝国大学(東京帝国大学の前身)では英文学を修め、卒業後は松山や熊本で教壇に立ちました。34歳の時イギリスに留学し、帰国後、教職のかたわら創作への意欲を強め、30代の終わりから創作に専念、評論や講演も手がけました。
漢詩の作風から見ると、次の四期に分けることができます(和田利男『漱石漢詩研究』による)。第一期(洋行以前)=十代半ばから、イギリスに留学する34歳まで。第二期(修善寺大患の時期)=44歳の秋から四か月間。第三期(南画趣味の時期)=46歳から48歳のころまで。第四期(『明暗』執筆時)=『明暗』を執筆・連載中の50歳、生涯最後の年。
<収録作品>
無題
菜花黄 明治三十一年三月
無題 明治四十三年九月二十日
春日偶成十首 其七
春暁 孟浩然
無題 十一月十九日
<著者紹介>
講師:宇野直人(うの・なおと)
昭和二十九年、東京生まれ。