wisの夏目漱石 01「吾輩は猫である」総集編第1巻(全4巻)
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夏目 漱石
このコンテンツについて
(一)主人の英語教師の苦沙弥先生は書斎にこもってばかりだが、勤勉とはほど遠い。涎を垂らして居眠りばかりしている。見栄っ張りの知ったかぶり。ある時、友人の美学者の迷亭が語った「高名な画家アンドレア・デル・サルト」の言葉に、なるほど彼もそう言ったか、と相槌を打ち、さっそく自身も迷亭の言うように写生を試みるのだが、それは迷亭のまったくのでまかせだった。
(二)猫の大王のような「車屋の黒」は、吾輩が鼠も捕ったことがないことを馬鹿にする。吾輩は何でも食うので気にしないが、正月、主人の残した餅に食いついた時は驚いた。もちが歯に食い込んで噛み切れない。苦しみのあまり、立ち上がって前足で取ろうとした奇妙な「猫踊り」を見つかり大笑いされてしまった。傷心を癒すには、美貌猫の三毛子と話すに限る。新参者の吾輩にお師匠さんのことを説明する「天璋院様のご祐筆の妹の…」のやりとりは傑作場面のひとつ。その三毛子を、しばらくして訪ねると、どうも様子がおかしい。どうやら三毛子は死んだらしい。戒名まで付けてもらって女師匠らに惜しまれている。彼らは、薄汚い野良猫の吾輩のせいで病気になったのだと言っている。
(三)吾輩は、世間から少し注目され始めた。苦沙弥先生は日曜日の午後、硯と原稿用紙を前に何やら唸っている。やがて迷亭が来る。寒月君が物理学の演説があるので、その練習を先生と一緒に聞くために呼んだのだという。
しばらくすると角屋敷の気位の高い金田夫人が来た。鼻が目立つので鼻子と呼ぶことにした。鼻子は、娘のお相手として寒月君がどうかと思い、その人となり、動静を探りにきたのだ。鼻子は二人の失敬な応答ぶりに内心怒りながらも、一通り聞き出して帰っていった。そこへ寒月君が来る。肝心の物理学の演説練習はどこかに飛んでしまい、迷亭君が、鼻子を題材に「美学上の見地からする鼻の研究」なる演説をやり出した…。(C)2016 響林社
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