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日本怪談全集 二
- ナレーター: パンローリング
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怪談文芸の大家としても知られた田中貢太郎が二十年の歳月を費やして集め得た、
怪異恐怖記録の集大成 第三弾、22話収録
私が最初に怪談に筆をつけたのは、大正七年であった。それは『魚の妖・蟲の怪』と云う、中央公論に載せたもので、『岩魚の怪』と『蠅供養』の二つからなっていた。
ところで、幸か不幸か、其の怪談の評判がよかったので、彼方此方から怪談を頼まれるようになって、長い間怪談ばかり書いた。それは私が支那の怪談が好きで、晉唐小説六十種、剪燈新話、聊齋志異などと云うような物を手あたりしだいに読んでいた関係から、怪談に特殊な興味を覚えていたことも原因しているのであろう……
怪談文学の第一人者ともいえる田中貢太郎が、二十年に渡って書き上げてきた作品を蒐集した「日本怪談全集」。第三巻です。残暑厳しい中も体の芯まで寒くなるような怪談は格好の作品です。涼しい秋が来る前に……
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ある日の夕方、一人の農夫が畑から帰っていた。煙管を咥えながら、のろのろと牛のように歩いていると、路傍の松の木の下に異様な物を見つけた。それは、眼にも眩しい金と銀の金具をちりばめた轎(かご)であった。
しかし、轎かきもいなければ伴の者もいない。まるで投げ棄ててでもあるように置いてあるのが不思議でならなかった。轎の中はひっそりとしていて、誰も乗っていそうにないし、見ている者もないので、轎の傍へ寄って往って垂れをあげた。垂れをあげて農夫は驚いた。轎の中にはお姫さまのような綺麗な女がいたのだが……
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「四谷怪談」
元禄年間のこと。四谷左門殿町に御先手組の同心を勤めている田宮又左衛門と云う者が住んでいた。その又左衛門は眼が悪くて勤めに不自由をするので、娘のお岩に婿養子をして隠居したいと思っていたが、そのお岩は疱瘡に罹って顔は皮が剥けて渋紙を張ったようになり、右の眼に星が出来て、髪も縮れて醜い顔になってしまった。
お岩が二十一の時、又座衛門は亡くなった。そこで又左衛門の友人たちが相談して、お岩に婿養子をして又左衛門の跡目を相続させようとしたが、なにしろお岩の姿を気にして養子になろうと云う者がない。
ようやく伊右衛門と云う摂州の浪人が候補に見つかった。彼は三十俵二人扶持の地位欲しさに婿入りを了承するのだが、お岩の二目と見られぬ容貌に驚き、次第に嫌悪するようになっていったのだった……
「山の怪」
土佐長岡郡の奥に本山と云う処がある。その本山に吉延と云う谷があって、其処には猪や鹿などの大きな獣がいるので、猟師をやっている者で其処へ眼をつけない者はなかったが、その谷には時々不思議なことがあるので、気の弱い者は避けて行
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私が最初に怪談に筆をつけたのは、大正七年であった。それは『魚の妖・蟲の怪』と云う、中央公論に載せたもので、『岩魚の怪』と『蠅供養』の二つからなっていた。 ところで、幸か不幸か、其の怪談の評判がよかったので、彼方此方から怪談を頼まれるようになって、長い間怪談ばかり書いた。それは私が支那の怪談が好きで、晉唐小説六十種、剪燈新話、聊齋志異などと云うような物を手あたりしだいに読んでいた関係から、怪談に特殊な興味を覚えていたことも原因しているのであろう…… 田中貢太郎は「日本怪談全集」の序文でこう語っています。怪談文学の第一人者ともいえる田中貢太郎が、二十年に渡って書き上げてきた作品を蒐集した「日本怪談全集 第六巻」。
「榛名湖物語」 天正十三年十二月二十七日、榛名湖畔に雪が来て、間もなく湖の水も凍ろうとしているときのこと。狩り装束をした十余人の者たちが湖畔から天神峠の下にやって来た。...
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ストーリー
文明開化の空の下、もと岡っ引きの半七老人が新聞記者に語る江戸の思い出話。――手下の熊蔵がもちこんできた猫婆の変死事件。狼狽する孝行息子、見守る長屋の人々に、化け猫騒ぎもからんできて、話は意外な方向に…かりん朗読『猫騒動』。第二集では他に『朝顔屋敷』吉田早斗子・『弁天娘』秋茜・『山祝の夜』山下櫻子・『鷹のゆくえ』田中尋三・『津の国屋』相原麻理衣(木下まりぃ)・『三河万歳』渡部龍朗・『槍突き』『向島の寮』森沢幸・『お照の父』岩村琴美、を収録。 ――幕末の江戸を舞台に、人情に篤いがクールな知性派、半七親分が大活躍!※本全集は全七巻です。
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面白い
- 投稿者: 匿名 日付: 2023/11/11
著者: 岡本 綺堂
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指輪一つ
- 著者: 岡本 綺堂
- ナレーター: 斎藤 範子
- 再生時間: 36 分
- 完全版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
関東大震災が起きたさなか、偶然一緒に列車に乗り合わせた客と偶然一緒に降りて泊まる事になった。それは何かの導きだったのかもしれない。
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タイトルの重さ
- 投稿者: tkhsh 日付: 2024/01/29
著者: 岡本 綺堂
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[1-3巻] 怪談図書館・怪談全集1 No.003 俺見えんだよ
- 著者: 怪談図書館
- ナレーター: 怪談プロデューサー桜井, 関谷 まゆこ
- 再生時間: 10 分
- 完全版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
内容紹介
取材中に出会ったユニークなタクシー運転手。彼の体験とは……
著者: 怪談図書館
あらすじ・解説
怪談文芸の大家としても知られた田中貢太郎が二十年の歳月を費やして集め得た、
怪異恐怖記録の集大成 第二弾、32話収録
怪談文学の第一人者ともいえる田中貢太郎が、二十年に渡って書き上げてきた作品を蒐集した「日本怪談全集」。第二巻の登場です。
猛暑のお供には魂が震えあがるような怪談が一番!
涼しい夏を送りませんか……?
「雀が森の怪異」
六月末のある夜のこと。彼は学期試験に向けて、夜が更けるのも忘れてノートと首っぴきしていた。そんな最中、彼は洋燈の石油の泡のような匂いがあって、それがノートのページを繰るたびにそそりと動くのに気付く。続いて聞こえたのはかすかな足音であった。「何人だろう」彼がそう思ったとたん、白い衣服を着た青年が障子を開けて入ってきた。青年は遠く離れた故郷にいるはずの友人だった……
「一緒に歩く亡霊」
奥州のあるところに甚六と云う百姓があった。冷酷無情な甚六は、未亡人である姉の子フジを不承不承に引き取るが、いじめていじめていじめぬいた挙句、ちょっとした品物が無くなると、これもその所業だと云って、泣き叫ぶフジを裏の栗の木に縛りつけて飯も与えず、夜になってもそのまま放っておく始末だった。冬の寒い寒いある日、例のごとく栗の木に縛り付けられていたフジは、とうとう凍えて死んでしまった。その後、甚六の周りで奇怪な出来事が起こるようになった……
収録内容
雀が森の怪異
参宮がえり
とんだ屋の客
海嘯のあと
宇賀長者物語
頼朝の最後
怪人の眼
赤い花
あかんぼの首
地獄の使
尼になった老婆
岐阜提灯
花の咲く比
牡蠣船
宝蔵の短刀
蠅供養
蟹の怪
累物語
竈の中の顔
一緒に歩く亡霊
切支丹転び
法衣
車屋の小供
薬指の曲り
港の妖婦
女の首
庭の怪
女の怪異
怪僧
妖怪記
人面瘡物語
料理番と婢の姿
田中貢太郎(たなか こうたろう)
田中貢太郎は日本の作家。高知県出身。号は桃葉。『田岡嶺雲・幸徳秋水・奥宮健之追懐録』が出世作となる。「中央公論」の「説苑(ぜいえん)」欄に実録,情話,怪異譚を書き、井伏鱒二・尾崎士郎らと随筆誌『博浪抄』を創刊。著作は伝記物、紀行文、随想集、情話物、怪談・奇談など多岐に渡る。代表作『旋風時代』では明治維新の顕官の情痴の生活を奔放に描いて独自の境地を開いた。1940年菊池寛賞受賞。『怪談青灯集』など怪談物も書き,『聊斎志異 (りょうさいしい) 』の翻訳もある。