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“人間は良いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら良いことをしている“　　ーー薬研堀の料理屋「万七」の女将・おみのを殺してもらいたい、と「仕掛人」梅安に「蔓」から依頼があった。三年前、「万七」の先妻・おしずを殺したのは梅安だった･･･（時代小説）

同心・沢田小平次の叫び声が起きた。「どうした、小平次……」「先生が……先生が……」小平次の師である小野派一刀流の老剣士・松尾喜兵衛は顔の右半面からくびすじへかけて決定的な一撃をうけ、血みどろとなり、すでに息絶えていた。長谷川平蔵は、さきほど木村忠吾に後をつけさせた編笠をかぶった男のことを思い浮かべた。（時代小説）監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

長谷川平蔵は旅の途中で知り合った老盗賊に見込れ「わしの手助けをしてくれませぬか」と声をかけられる。お前さんしだいで盗みばたらきの秘伝を伝授しようというのだ。 ―鬼平犯科帳より―（時代小説）

火付盗賊改方に密偵の五郎蔵と同じく五郎蔵という名の新しい髪結いが入った。

風邪を引いた平蔵が寝込んでいる所に盗っ人が忍び込み、大切にしていた亡き父親の形見である煙管を盗られてしまう。

長谷川平蔵が〔その女〕をはじめて見たのは……あの組下同心。木村忠吾が、まだ谷中いろは茶屋の娼婦お松のもとへ通いつめていたころのことだ。・・・「私は観音さまの御境内でやられました。まさか女の掏摸とはねえ……」―鬼平犯科帳より―（時代小説）

仕込みに年月と手間と金がかかる本格の盗みは近年絶えかかっているなかで、〔傘山の弥太郎〕は盗人の掟三カ条を堅守して本格の盗めにはげんでいた。そんな弥太郎のもとに〔鳴海の繁蔵〕から嫁の遣り取りについて手紙が届いた。父親の友人であった先代は本格の盗賊であったが、二代目は殺生をいとわぬ〔畜生ばたらき〕をするようになっていた。（時代小説）
監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

役宅内の詮議場に引き出された男は鼻筋の通った色白の美男だったが、顔には無残な火傷の跡があった。 与力の懸命な訊問にもかかわらず、男はだんまりを決め込んでいる。 小部屋の覗き窓から見た平蔵は、はて・・・こやつどこかで見たような。 ―鬼平犯科帳より―（時代小説）

おせんは行きがかり上、かつての男弥四郎の老母と暮らすことになってしまった。今、弥四郎は島送りになっている。初めは2～3日のつもりが暮らしていくうちに二人は、心と心を通わせていくようになっていった。 （時代小説）

鯉肝のお里と異名をとる女賊を見張れと大滝の五郎蔵とおまさに命ずる。

押し込みの繋ぎをつけていた惣介と鍋蔵は、縁の下にいた乞食坊主に密談を聞かれてしまう。この乞食坊主は、かつて平蔵とは遊び仲間の井関録之助だった。 ―鬼平犯科帳より―（時代小説）

古河の富五郎の手下である鹿川の惣助と寝牛の鍋蔵は密談しているのを、乞食坊主に聞かれてしまい、2人は坊主を殺そうとするがこの坊主、平蔵の同門の井関録之助であった。

平蔵は小舟の中から単身荒屋敷を見張っていた。密偵のおまさはここに連れ込まれているに相違ない、なんとしても助け出したい平蔵だったが、いくら待っても応援が来ない。 ―鬼平犯科帳（4）より―（時代小説）

火付盗賊改方の小野十蔵はあまりに無口なために、その姓をもじって、同僚から「唖の十蔵」などと呼ばれているがその働きは抜群のものであった。 天明七年九月、盗賊改方の長官が替わった。新任の長官は長谷川平蔵宣以、ときに四十二歳、小肥りのおだやかな顔貌で、笑うと右の頬にふかい笑くぼがうまれたという。 ―鬼平犯科帳より―（時代小説）

息子の敵討ちのために旅たびに出た老人に出会った平蔵。

上野山下の俗に提灯店と呼ばれる岡場所の〔みよしや〕娼婦およねの客に、小肥りの三十男なのだがいつもにこにこときげんがよく、女たちから〔兎ちゃん〕というあだ名で呼ばれている男がいる。その男から妙なものを預かったと、およねはやはりなじみである火付盗賊改方の密偵・伊三次に見せた。それは赤絹にくるまったろうのかたまりであった。（時代小説）監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

「秀吉は卑しい身分の出身とされているが、やることが下卑ていない。実はそれほど血筋の悪い人物ではなかったのではないかという気がする…」 時代小説の巨匠で直木賞作家・池波正太郎(1923~1990)が語る豊臣秀吉の人間像。聞き手:三國一朗1976年にNHKラジオ第1で放送された「歴史と人間」をオーディオブック化。

「大坂夏の陣での真田軍の突撃は凄まじく、徳川軍の中には一里も逃げた者もいたという。敗れたとはいえ後世に武名を轟かせる結果となった…」 時代小説の巨匠で直木賞作家・池波正太郎(1923~1990)が語る真田幸村の人間像。聞き手:三國一朗1978年にNHKラジオ第1で放送された「歴史と人間」をオーディオブック化。

松五郎は、棟梁・喜兵衛の右腕といわれるほどの男で、「そりゃ仕事は大したもの」だった。十三歳の時から修行し、一本立ちになった今も独り身を通していた。親方夫婦がいくら妻帯をすすめても、「女より猫のほうがよっぽどおもしろくてね」などという。 （時代小説）

密偵おまさは、飯屋の入れ込みで、町女房風の客と飯屋の女房の喧嘩に遭遇する。飯屋の女房を突きたおし、「勘定だ」と一両たたきつけて飛び出した様子を見て密かにその後をつけ始める。 ―鬼平犯科帳より―（時代小説）