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ナレーター:
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上柳 昌彦
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人生山あり谷あり
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ナレーターの語りも素晴らしく、とても良い。また、アドラー心理学との共通点を感じた。
谷と山が続くこと
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しかし、この本を読み進めるうちに、私の中に一つの率直な疑問が湧き上がりました。 「そもそも今現在、自分が山にいるのか谷にいるのかなんて、その時その場所で正確に分かるのだろうか?」ということです。
私自身の経験を振り返えると、 若手医師だった頃、夫婦ともども仕事が激務で、私生活が完全に犠牲になっていました。渦中にいたその時は、間違いなく「今は辛い谷底だ」と感じていました。しかし、第三者的な視点で今振り返ってみると、あの時期は夫婦で戦い抜いた、非常にキラキラと充実した「山の上」だったようにも感じるのです。かけがえのない時間でした。 そして現在、夫婦仲も良く、二人の子供にも恵まれ、仕事とのバランスも取れて大変幸せに過ごしています。では、今は山の上にいるのか? それとも、長い人生のスケールで見れば実は谷間を歩いているのか? 正直なところ、分かりません。自分なりに俯瞰して生きているつもりですが、現在地をリアルタイムで正確に測ることは困難なのではないかと感じます。
物語に登場する達人(指導者)は、人生の終盤を迎え、数多の経験を積んだ成功者です。彼らは過去を振り返って、「あそこが谷で、ここが山だった」と綺麗にラベリングできる境地にいます。しかし、若き日の達人自身も、現在進行形で歩んでいる最中は、自分がどこにいるのか明確には分かっていなかったのではないか、とちょっとヒネくれた見方をしてしまいます。 (そもそも自然界においては、山頂は岩肌が露出し酸素が薄い過酷な場所であり、逆に谷底こそが水が豊かで生命が育つ場所です。山と谷のイメージ自体が、実は一面的であることにも気づかされました。)
だからこそ、「谷底ではポジティブに、山頂では謙虚に」という教えは、一面の真実でありながら、ある種の結果論でありマヤカシでもあるような気がしたのです。
この矛盾を突き詰めた先で、私が本書から受け取ったメッセージは次のようなものでした。
自分が今、山にいるのか谷にいるのかなんて分からない。環境を正確にラベリングすることなどできない。
だからこそ、「状況に合わせて思考を切り替える」のではなく、「どんな状況であっても、常にポジティブで謙虚な思考を取り入れること」。 ひいては、「環境に依存せず、常に自分をご機嫌な状態に保つこと(=自分の機嫌は自分でとること)」の重要性です。
成功や失敗、山や谷といった外部要因に影響を受けながらも、幸福の「主導権」を渡さないこと。 本書の教えを自分自身の人生経験というフィルターに通したとき、そんな力強い「自己決定」の哲学を受け取ることができました。
ちょっとひねくれた感想
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若者を通りこえた今、遅ればせながら読んでいるが、私のこれまでをまとめてくれたようだと思う。あの時この本があれば、とはやはり思えない。この本を読んだとしても、先のことに備えられたとは思えないからだ。何故だかそれくらい、誰もが通る道なのに、自分は他人とは違う、と考えてしまっていた。この感覚もきっと、一定の人には当てはまるのかもしれない。
しかし私の場合、自分で経験したからこそ、身に染みてこの本の言いたいことがわかる。この本は私の人生の半分のまとめだと考えようと思う。そして山と谷を思い出せば、今後は大事なタイミングで注意深く準備でき、辛い時にも気持ちをポジティブに切り替えられ、気分は安定し、楽になれる、と感じている。
若いうちにはわからなかった
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内容はシンプルながら、精神的に揺れるときに聴くと心に染みるフレーズが多いです。
「谷でどう過ごすかが、次の頂きを決める」という教訓は、落ち込んだときのセルフリマインドに最適。
Audibleでの語りも穏やかで、静かな時間にぴったりの一冊でした。
谷の時間に気づける人が、山を見つける
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