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二粒の飴
- ナレーター: 遠藤
- 再生時間: 33 分
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その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
お秋は村次とは腐れ縁だった。十八の頃に出会ってからはや九年、仕事がものになれば、お秋を苦界の商売から足を洗わせてやる……何度もそう言われ続け、お秋は彼との縁を切れずにいた。その一方で船宿の船頭である藤吉には強く思いを寄せられ、一緒になろうと迫られていたが、村次のこともあり、お秋は断り続けていた。
ある日、店にはおせんという十七の娘がやって来た。借金を抜いて一人が店を出ることになった代わりだった。お秋は世話をしてやり、おせんを気に掛けるが、一方のおせんはなかなかお秋に懐こうとしなかった。
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著者: 山本 周五郎
あらすじ・解説
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
貞代の家は重松という武家の家であり、父・重松伊十郎は若くして、同役数名の責を負って切腹し、重松の家は追放の処分を受けていた。まだ貞代と弟の亀之助が幼い頃のことだった。母は祖父の家に身を寄せることを断り、二人を連れて江戸へ上った。
貧しい長屋を借りた貞世の母は二人に対して、武士の心を忘れぬようにと常々言って聞かせた。
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母は朝早から、夜の遅くまで賃仕事をしていた。冬は自身が凍えるのもかまわず、夏はうだるような暑さに耐えて懸命に働いた。自身は食べられずとも、貞代と亀之助には食べさせ、自身は白湯を啜っていた。
だが、無理のたたった生活は母の命をむしばんでいた。
母の亡くなる前夜のこと、貞代と亀之助は母から二粒の飴を渡され、「おあがりなさい」と言われた。貞代はそこで厳しかった母の想いの真相に触れる……。