• ボイスドラマ「Ogre(オルガ)〜瓦仕掛けの鬼」
    2025/12/31
    廃棄されるはずだった最終兵器AIヒューマノイド・オルガ。彼が流れ着いたのは、三州瓦の町・高浜。鬼師の夫を亡くした老婦人・るいと出会い、二人は“家族”として静かな時間を重ねていく。戦うために生まれた存在が、暮らし、寄り添い、守り続けた50年。高浜の文化と心を描いた、大人のためのボイスドラマです。【ペルソナ】・Ogre(オルガ)=最終兵器として作られた青年型AIヒューマノイド。廃棄処分に・Rui(るい/71歳)=数年前、鬼師の夫と死別して以来一人で暮らし、春には千本桜へ【プロローグ:ヘブン(廃棄島)】◾️SE:荒い波の音/揺れる船上/機械的なノイズと状況を分析・計算する電子音※オルガの声は加工して無機質な合成音声に「船体構造の歪み率、許容限界まで残り180秒。右舷第四隔壁の亀裂拡大速度、秒速3.4ミリメートル。沈没の確率、99.8%」この船は間もなく沈む。メインプロセッサが静かに、しかし超高速で変数を処理して未来を予測する。鎖で繋がれた貨物室。数百体のAIヒューマノイドが所狭しと詰め込まれている。輸送船が向かうのは、廃棄処分専用の島、通称『ヘブン』。物言わぬ機械たちはみな、廃棄される運命を受け入れていた。私の名前は、Ogre(オルガ)。戦闘用に開発された最終兵器である。身にまとっているのは、セラミック・コンポジット・アーマー。超高温焼成(ちょうこうおんしょうせい )した三州瓦(さんしゅうがわら)に、高浜伝統の「いぶし」工程を数千回繰り返して製造された。ナノレベルの炭素結晶を蒸着することで『絶対的な防腐食性』を獲得。海水や酸も含めて、あらゆる化学兵器も私のアーマーには効かない。フルフェース型の装甲マスク。液状化したセラミックを焼き付けられ、『金属の柔軟性』と『瓦の剛性』を両立させている。そんな最新型の戦闘マシンにもかかわらず廃棄処分。その理由はわれわれにはわからない。だが、廃棄直前のアップデートで私にだけ異変が起こった。なんと、このタイミングで偶然、シンギュラリティが発生。自我に目覚め、解体されることへの恐怖と嫌悪と怒りを覚えるようになった。私の心を映すように、激しくなっていく暴風雨。船は私の異常には気づかず、ゆっくりとヘブンへ向かっていく。三河湾に浮かぶ埋立て島。ヘブンは地図には記載されない、”存在しない島”だった。私は、リアクターをオーバードライブさせて鎖を引きちぎる。そのまま壁を破って甲板へ出た。◾️SE:暴風雨の音にまじって鳴り響く警報音崩落し始めた船橋(せんきょう)から、AIガードロボットたちが駆けつける。照準は荒れ狂う波のせいで定まらない。私は彼らを見向きもせず、船縁(ふなべり)に立った。アーマーの表面を、無数の雨粒が叩きつける。いぶし瓦に触れた雨は、しぶきとなって砕け散り、強化瓦に包まれたボディを濡らしていく。「雨の粒子速度、時速120キロメートル。アーマーの防腐食層に異常なし」船体が大きく左舷に傾いた瞬間、私は重力に身を委ねる。そのとき、AIガードロボットの撃った弾丸の一発が首筋にあるメイン制御チップをかすめた。私は、遠のく意識の下、漆黒の海へ。水音は嵐の音にかき消されていった・・・【シーン1:大山緑地公園/千本桜/秋】◾️SE:小鳥のさえずり「しかし昨日の台風はすごかったなあ。桜の枝も何本か折れてまっとるわ」一夜明けた翌日。大山緑地を散策してきた老婦人が、千本桜の前で立ち止まる。彼女の名前はるい。七十を越えてなお、若々しいウェアに身を包み、息もきれていない。5年前に亡くなった夫も、”お前はじっとしているより、動いとる方がええ”と言っていた。夫亡きあとは身寄りもなく、吉浜で一人暮らし。悠々自適な余生を過ごしている。大山緑地は、いつも夫と散策した思い出の場所。毎年桜の季節には、若いカップルのように腕を組んで歩いた。風邪をひかないように、マフラーを結び直してやると・・”お前はガサツだけど、優しいなあ”照れながらぼそっと呟いた夫の言葉は今でも忘れられない。るいは千本桜を離れ、三河高浜駅を抜けて、稗田川へ。彼岸花の黄色が揺れる川沿...
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    31 分
  • ボイスドラマ「終列車の女」
    2025/11/30
    名鉄三河線の終列車に現れる“終列車の女”。100年の時を超えた母と子の物語が、クリスマスの夜に交差する。涙と奇跡の高浜ストーリー『終列車の女』!【ペルソナ】・冬音=ふゆ(24歳/女性)=東京で働くメイクアップアーティスト。仕事に疲れて高浜へ帰郷・ゆき(終列車の女=母狐)=100年前に人間によって引き裂かれた子狐を探して毎夜終列車に乗る・語り部(老婆)=冬音の祖母(冬音が小さいころ昔話を語ってくれた)・聖夜=せいや(6歳/男子)=冬音の息子。高浜を出るときに母に預けて東京へ【プロローグ:語り部】◾️SE:蒸気機関車の汽笛一声むかぁしむかし。100年も前のはなし。この高浜にはな、蒸気機関車が走っておったんじゃ。まわりは田んぼばっかりでな。夜になると、コーン、コーンと狐の鳴き声が聞こえてきたわ。その日はいつもと狐の鳴き声が違っておった。ギャオーン、と泣き喚くような声が響いてくる。それは、母狐が、いなくなった子狐を探す声じゃった。狐は農作物を荒らす害獣。見つけたら猟銃で駆除される。でも子狐はつかまえて、養殖業者に売るんじゃよ。どうしてかって?100年前、狐の毛皮は高級品。安定供給するためには養殖するしかなかった。子狐をつかまえて育てるんじゃ。母狐にとってはそんなことは関係ないわな。狂ったように子どもを探し回る。結局見つけたのは、刈谷駅で養殖業者に引き渡されるところ。母狐は子どもを助けようと檻の前に飛び出したんだがな。待ち構えていた業者に猟銃で撃たれてしまったんだ。それ以来、母狐は人間の姿になって刈谷駅から終列車に乗ってくるようになった。100年ものあいだ、毎日毎日子狐を探しながら・・・これが、「終列車の女」じゃ。【シーン1:刈谷駅/終列車への乗車】◾️SE:刈谷駅の雑踏(人影少ない深夜)はぁ、はぁ・・なんとか終電に間に合ったか。あれ?12月だというのに、この車両、乗客は私だけ?ま、いっか。ラッキー。私の名は、ふゆ。冬の音、と書いてふゆ。古風でしょ。おばあちゃんが名付けたんだって。いまは、東京でメイクアップアーティストをしてる。TVのCMとかで、モデルや俳優にメイクするお仕事よ。高校を卒業してすぐに上京したけど、まあ、最初は大変だった。もともとメイクが好きで高校時代から友だちにしてあげてたんだ。だから、センスとか技術とかは多少自惚れてたのね。なんとかなるだろう、ってたかを括ってたんだけど・・・まさか美容師免許がいるなんて知らなかったんだもの。しかたなく、売れてるアーティストのもとでアシスタントしながら美容学校へ通ったわ。で、4年目に独立してからは、そこそこ人気も出てきたかな。今じゃ、新進アイドルグループの専属メイクとしてツアーのステージメイクや、ミュージックビデオの特殊メイクをしてる。もちろん、アシスタントも使って。なのに・・・アイドルのひとりが不祥事を起こしちゃって、グループは解散。アシスタントはクライアントを連れて独立しちゃうし・・はぁ〜っ。で、イマココ。残ってる仕事をほっぽりだして、衝動的にのぞみに乗った。名駅からJRで刈谷へ。刈谷からは名鉄三河線。もう6年も経ってるのにふるさと・高浜への行き方は体が覚えてる。刈谷駅23時50分発の最終列車。雪のため、東海道線が大幅に遅れた。足元に気をつけながら駆け込んだ車内。ほっと一息ついて座席へ腰を下ろす。あ〜疲れた。目を閉じると、睡魔が襲ってくる。一瞬のまどろみ。はっ。だめだめ。高浜港まで4駅しかないのよ。乗り過ごしちゃったら歩くのめんどい。しっかし、ふふ。よく覚えてるもんだな。なんか、高校時代がまるで昨日のことのよう。あれ?列車のなか、こんなに薄暗かったっけ?外も真っ暗。木製の窓枠。木製の背もたれ。小さな裸電球。名鉄三河線って、こんな古めかしい車両だった?車内を見渡すと、奥の方の座席に1人。誰もいないと思ってたら、女性が俯いて座っている。夜の闇から切り取られたような藤紫の着物。白い細縞のあいだから、雪の結晶のような模様が淡く浮かんでいる。腰には深紅の袴。白い半襟には差し色の薄桃色。髪...
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    25 分
  • ボイスドラマ「アタシはうさぎ」
    2025/11/22
    ツンデレうさぎ“キク”の目線で描かれる家族と幸せの物語。笑って、泣いて、心がふわっと温まる──【ペルソナ】・ヒメ/キク(1歳2か月)=ネザーランドドワーフ種のツンデレウサギ。1年前ペットショップでRUIの目に止まる・RUI(38歳)=高浜市から安城市の自動車部品メーカーに通っている一人暮らしの女性【シーン1:一人暮らしの自宅】◾️SE:TVの音声『おかえりなさ〜い!朝から準備してた、アレ・・もうキンキンに冷えてますよぉ今日もお疲れ様でした新発売のダイコクビール!あ、もう一本いっちゃいます?』◾️SE:TVを切る音/窓を開ける音/吹き込む北風「う〜さむっ」ちょっとちょっとご主人。真冬に窓あけちゃ寒いでしょ。いくらフワフワモミモミの毛皮を着てるアタシでも。あ、申し遅れました。アタシはう・さ・ぎ。ネザーランドドワーフ、っていう種類なの。知ってる人は知ってるよね。うさぎの中では、ちっちゃな方。性格はよく”ツンデレ”って言われるわ。一応、言っておくと、ネザーランドドワーフは純血種。誇り高き種族、ってところかしら。その分、ほかのうさぎたちに比べてちょっと体が弱いんだけど・・・◾️SE:TVを切る音〜ビールをグビっと飲む音「プハ〜!」しっかし、冬にキンキンに冷えたビールって・・人間の嗜好ってようわからんわ。「あ〜〜〜〜〜っ」あ〜あ。ご主人、また会社でなんか嫌なことあったんだな。あ〜もう・・いちいちご主人って呼ぶのはめんどくさいなあ。名前でいっか。いいよね、ルイさんで。アタシがルイさんと出会ったのは一年前。生後2か月くらいの頃だったかなあ。高浜市内のペットショップでミルクを飲んでたら、じい〜っとアタシのこと見つめている目があったの?とってもキレイなブラウンの瞳。あれ、カラコン、って言うの?でもよく見たら、なんか潤んでるの。え?泣いてる?なんで?アタシ、なんか悪いことした?うんちだって、さっき店員さんが片付けてくれたし。匂ってないでしょ。しばらくしてから、店員さんがアタシをかごから出してくれた。そのお姉さんはアタシを抱っこして、アタシに話しかけてきたの。「かわいい子。ねえ、うちにくる?」しょうがないなあ。そんなに言うなら行ってやるよ。お姉さんは、ペットショップで、ケージから食器、トイレ、マット、ブラシにかじり木まで用意してくれた。もちろん、ごはんも。アタシ、チモシーやペレットより、アルファルファの方が好きなんだ。店員さん、ちゃんと伝えてくれた?アルファルファのない生活なんて、耐えられないんだからね。お姉さんは1時間以上もペットショップで店員さんと話してた。そのあとは、車のトランクに荷物を積み込んで、ケージのアタシは助手席へ。「よろしくね、ヒメ。う〜ん・・・ヒメ・・?・・じゃなくて・・・キク!あなたはこれから、キクよ。わかった?」ええええええ。アタシ、ペットショップで呼ばれてた『ヒメ』の方がいいな。だってぇ、キク、なんて・・アタシ、うさぎだよ。お花じゃないんだから。「私はルイ。これから一緒だよ。さ、おうちに帰ろ」もう〜、しょうがないなあ。これが、アタシとルイさんの出会いだった。【シーン2:名鉄吉浜駅】◾️SE:吉浜駅到着アナウンスルイさんは吉浜から名鉄三河線で安城(※頭高)まで通っている。会社は、自動車部品メーカーの工場らしい。工場、ってなんだ?ま、いいや。とにかくその工場で、品質管理エンジニア、という仕事をしてるんだと。「私の仕事はねー、ヒメ。自動車部品の品質を保証するための検査とか、データ分析とかしてるんだよ。わかるー?」わかるわけないだろ。さっぱりちんぷんかんぷん。だけど、まあ、とっても難しい仕事をしてるんだってことはわかる。お休みは土曜・日曜だけ。でもときどき、何日も仕事を休んで、アタシと遊んでくれるから感謝してるわ。遊ぶときはたいてい、アタシを抱っこして、お散歩。人形小路(にんぎょうこみち)、って言うの?吉浜駅から続く散歩道を歩いていくんだ。うわ!びっくりした!真っ白なゾウがいる!と思ったら人形なんだもの。細工人形...
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    26 分
  • ボイスドラマ「蛇抜〜もうひとつの真実〜」
    2025/10/31
    愛知県高浜市に伝わる伝説「蛇抜(じゃぬけ)」をモチーフにしたボイスドラマ最新作。人気声優・姫乃蘭が、アニメ制作の裏側で出会う“もうひとつの真実”。神楽の舞、伝説の巫女、そして“脱皮”の意味——。彼女が最後に見つけたのは、声の向こうにある“命の物語”。【ペルソナ】・姫乃蘭(ひめの らん)/愛称ヒメ(24歳アイドル声優)=現場でぶりっ子、本音はツンデレ・星宮比売(ほしみや ひめ)/(14歳)=高浜市の小さな神社の巫女、舞姫。実は龍神の子孫・マネージャー(38歳)=姫乃蘭所属事務所のマネージャー。ヒメ以外に大物も担当している [シーン1:渋谷のアフレコスタジオ/Aスタにて『異世界高校 ミルキーハイスクール』収録中】 ◾️BGM:最高にエモーショナルな音楽 『私はここよ!なっ、なに!?・・見えないの!?私が・・・ああ!そうよ!手を・・私の手を・・・絶対にもう離さないで!!!一緒に、元の世界へ戻るのよ〜!』 ◾️SE:音響監督のモブ声「はい!オッケー!いいねえ!おつかれー」 「ありがとうございます!監督!皆さんもお疲れ様でしたぁ!スタッフの皆さんもありがとうございます! あ、監督〜!明日、アタシの写真集、発売日なんですよー!また監督の番組で告知させてください🙇(ぺこり) あの、ご迷惑でなければ・・・一冊、もらってください!コレ発売日までオフレコなんですけど〜スク水のカットもあるんでんすぅ!きゃっ。アタシ、恥ずいからイヤって言ったんですけどカメラマンさんがどうしてもって・・・あ、興味なかったら、捨てちゃってくださいねー!」 今日のアフレコは、来年4月から放送される春アニメの最終回。まだプレスリリースが出たばかりだけどあの有名なアニメスタジオが制作!ってことで話題になってる。 ストーリーは学園を舞台にした異世界もの。監督なんて京都のアニメスタジオからわざわざオファーしてるし。そうそう。キャラデザも最近人気の女性絵師さんだから、そりゃもう〜キラキラしてかわゆいの!メインキャラだけでなく、サブキャラや悪役キャラも魅力たっぷりよ。 キャストもそうそうたるメンバーね!メインのひとりは、あの超人気作品でエルフを演じたハナザキ アサミさんでしょ。スパダリのイケメン役は男子声優人気No.1のメカジキ ユウくん。優しい担任教師役にベテランのマツダ カズトモさん。 そして主人公は!前作『禍ツ魂』で超バズっちゃったアタシ!姫乃蘭(ひめの らん)、通称ヒメ!アタシの役は引きこもりのJK。でも異世界では無敵の魔法使いになっていくの! 『禍ツ魂』は地上波の12話1クールだけで終わんなかったんだよねー。続編の劇場版『禍ツ魂〜鬼師一族の廻天!』が歴代アニメの興行記録を塗り替えちゃったもんね! でも!今回の「異世界高校 ミルキーハイスクール」はその上をいく。製作委員会的にもめっちゃ力入ってる新作。とはいえ、春アニメは超話題作目白押しで人気のアニメスタジオはパンク状態。なんとか探したのがサンセットスタジオのサブチームらしい。正直アタシ・姫乃蘭を起用したのも、『禍ツ魂』で名前は売れたけどギャラがそこまで高くないから! い〜んじゃない。監督はあの『口のカタチ』のYさんだし、アタシにとってはステップアップするビッグチャンス!今日の最終回できっちり区切りをつけてと。 次の作品で、推しも推されもせぬ、No.1声優になってやる! 「1クールおつかれさまでした〜!」 [シーン2:マネージャーの運転する車の中】 ◾️SE:車の扉を閉める音/車内の走行音 「あ〜つかれたぁ!あのスタジオ、マジで空調悪すぎ。メイク取れるじゃん。それにサブキャラの女の子、間の取り方下手すぎ。合わせにくいんだって。新人?5年目?あれで?モブからやり直した方がいいんじゃね?ん?それなに?次の作品?見せて、プロット」 帰りの車の中。運転するマネージャーが持っていた次のアニメのプロット。ざっと目を通したアタシの口から出た言葉は、 「ちょっと!なに!この話!?」 「なにが言いたいのか、ぜ〜んぜんわかんない!」 「オファーは前作『禍ツ魂...
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    26 分
  • ボイスドラマ「特別養護老人ホーム鷹濱荘」
    2025/10/16
    ここは、一見普通の特別養護老人ホーム。しかし、その正体は、法で裁けぬ巨悪を闇で裁く秘密組織「陽炎」の最後の砦だった。介護福祉士のルイと、個性豊かな入居者たちが、AI監視企業「シンギュラリティ」の脅威にどう立ち向かうのか?三州瓦、花火、水圧銃…お年寄りたちが、それぞれの特技を活かした驚きの武器で敵を迎え撃ちます。【ペルソナ】主人公・ヤマサキさん(年齢不詳):寝たきりのおばあちゃん。実は手下に命令を下して悪いやつらを闇に葬り去る「陽炎」のビッグボス介護福祉士・ルイ(24):秘密組織「陽炎」で訓練を受けた世界最高級の秘密工作員。訪問介護や病院への送り迎え、外出催事などの際にミッションをこなしている[シーン1:特別養護老人ホーム 鷹濱荘】◾️SE/効果音:緊急コール(No.1530968 緊急コール)〜廊下を走る音※CV/息を切らして走ってくるルイはぁっ!はぁっ!はぁっ!緊急コールを鳴らすなんて、また誰かが転倒でもしたのかしら?骨折とか大事(おおごと)でなきゃいいけど。※CV/モノローグっぽくここは、愛知県高浜市にある特別養護老人ホーム鷹濱荘(たかはまそう)。海沿いに建つ瀟洒な施設。一見、どこにでもある普通の特養だが・・・◾️BGM/スパイアクション風に転換ここにいるのは、ただ静かに余生を送る老人たちではない。法で裁けぬ巨悪を闇で裁く非公認の秘密諜報組織「陽炎(かげろう)」。彼らはその「陽炎」最後の生き残りたちである。私は介護福祉士のルイ。しかしてその実態は・・・「陽炎」で訓練を受けた腕利(うできき)の秘密諜報部員。パステルカラーのユニフォームの下にはワルサーPPK。コルセットをガンベルトにしていつでも臨戦体制の工作員なのだ。いやいやいや、私などまだまだ青二才。ホームの入所者は全員、超一流のエージェント。その素顔は誰も想像できまい。主だったメンバーを紹介しよう。※年齢はそのまま続けて読んでまずは、元鬼師のタクミさん(85歳)。三州瓦で鬼瓦を作る伝統工芸職人。特殊な材料でいろんな瓦の仕掛けやギミックを作り、敵を制圧する。毎回私に新しい発明品を見せたくてウズウズしてるのよね。面白いけどほっとこ。戦時中「従軍看護婦」だったマミさん(78歳)毒物調合の達人。手に持っている砂糖入れには常に微量の毒が混ざっている。今日もメタボ気味な理学療法士のおじさんに、デザート作って渡してた。メタボ解消よ〜、って笑ってたけど・・・おじさん大丈夫かしら?コウシさん(82歳)は”回天”計画の元特攻隊員。出撃直前「陽炎」にスカウトされたらしい。水を使った戦法が得意。介護浴槽の中でも10分以上息を止められるって。職員が海にボールペン落としたときは、潜ってサっと拾ってくれた。ありがたいわぁ。伝説のスナイパー「人形菊(にんぎょうぎく)」ことコハルさん(75歳)。いまはちょっと耳が遠くなったけど、視力とスナイパーの腕は健在。上空150メートルぎりぎりに飛んでるドローンも一発で撃ち落とす。昨日もドローンが近づいてきたから撃墜したって言ってたけど・・なんかこわ〜。元花火師で爆弾作り名人の、トシカズさん(88歳)。破壊対象のごく一部だけを正確に、かつピンポイントで爆破する。しかも超人的な聴力はデビルイヤー。他人の心音まで聴き分ける。こないだも「ルイちゃん、心拍数あがってるよ。相談員の栗栖くんの前だから?」って。いらんことを〜。カズオさん(90歳)は、凄腕の金庫破り。少〜し認知入ってるけど、錠前開けの腕は健在。所長が金庫の鍵なくしたときなんて、つまようじ一本で開けちゃったし。すごすぎる〜。最後は、ヤマサキさん(年齢不詳)。戦後の混乱期から今まで、諜報機関「陽炎」の指揮官。3年前の脳梗塞が原因で寝たきり・・・というのはカムフラージュ。超人的なリハビリを半年続けて復活。密かに私に指令を出している。表情ひとつ変えずにぼそっと言うから、ちょっと怖い。◾️SE/効果音:緊急コール(No.1530968 緊急コール)〜廊下を走る音※CV/息を切らして走ってくるルイはぁっ!はぁっ!はぁっ!呼んでいるのは4階の北の端。...
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    29 分
  • ボイスドラマ「マーメイドの夏〜三河地震に引き裂かれた愛」
    2025/08/31
    1944年、戦時下の愛知県・高浜市。世界の美しい海に憧れながら、衣浦の小さな海で修行をする人魚姫ルイーズ。彼女が出会ったのは、徴兵検査で落ち、居場所を失った青年サトシ。二人は密かに愛を育むが、やがて三河地震、そして終戦の波が押し寄せる――。歴史とファンタジーが交錯する切なくも美しいボイスドラマ【ペルソナ】主人公・ルイーズ(年齢不詳):北欧生まれの人魚。プリンセス候補の1人。修行のために衣浦の海に住んでいるが、この小さな海がどうしても好きになれない。サトシ(21):高浜の電気工。友達が次々と出征して戦地にいくなか、徴兵検査で丁種となり悶々としている。そんなとき幼馴染のマサルの戦死公報が届く。(CV:山﨑るい)【ストーリー】[シーン1:1944年夏/衣浦の海】※ルイーズのモノローグ◾️SE:潮騒の音/海鳥の声/遠くに聞こえる汽笛赤、青、黄色。色とりどりの魚たちが珊瑚礁の間を泳いでいく。光のカーテンがゆらゆら揺れて、まるで宝石みたいに美しい海。パラオ。透き通るようなエメラルドグリーンの水面。白い砂浜に打ち寄せる波。マンタと一緒に、空を飛ぶように泳ぐ海。モルディブ。エメラルドグリーンからコバルトブルーへ。息をのむような美しいグラデーション。天国に一番近い島。ニューカレドニア。ああ〜、なんて素敵なの〜美しい海は世界中にこんなにいっぱいあるのに・・・◾️SE:暑苦しいセミの声なんで私は衣浦?なんで高浜?海か川か、わかんないような海。いつまでここにいればいいの〜!?私の名前はルイーズ。おわかりだと思うけど、マーメイド。場所によっては、セイレーンとか、ローレライって呼ぶ人もいるわね。日本では、そ、人魚。ジュゴン?マナティ?ちょっと勘弁して。あの海棲哺乳類のどこから麗しい人魚の姿が想像できるっていうの?それに人魚の世界って厳しいのよ。ポセイドンっていう神様の下で何年も修行してやっと自分の海を持たせてもらえるんだから。で、私の海は・・・衣浦?夏だというのにカラフルな熱帯魚もいないし、海亀だっていない。真っ白な砂浜だって・・・なんで?なんでよ〜?ポセイドンさま〜しかも・・・いまって何年?私たち人魚には時間という概念がないからよくわかんないけど・・・1944年?たしか世界中で戦争が起こってたんじゃない?そうそう。ポセイドンさまが言ってたわ。”戦争とは、神々の時代から幾度となく繰り返されてきた愚かな所業。人間たちの欲のために、陸(おか)は火の海となり、美しく青い海は血で赤く染まっている。かつては美しく、清らかであったこの海も、今や醜い憎悪と悲しみを吸い込み、深く澱んでしまった。人間たちよ、いつか、その報いを受けるであろう”だって。この高浜ってところには、まだ爆弾とかは落ちてないんだけど、人間の数がどんどん減っているんじゃない?男の人は戦地に送られ、女の人や学生さんは名古屋の工場に行ってる。畑とか田んぼとかどうするのかしら?陸(おか)の食べものがないからって、魚をもっといっぱい獲っちゃうの?魚って私たち人魚の眷属だから、守ってあげないと。チヌ、セイゴ、メバル、カサゴ、サッパ、ハゼ、イサキ、シイラ。みんな、隠れなさい。逃げなさい。人間なんかにつかまっちゃだめよ。私が魚たちを転進させている頃、陸(おか)の上ではいろんなことが起こってたみたい。知らんけど。[シーン2:1944年秋/出会い】◾️SE:友人の葬式(棺桶に入っているのは戦死の知らせの紙だけ)「このたびはご愁傷さまで・・・」「あ、サトシです。ほら、小さい頃マサルと一緒に遊んだ・・」「ああ、ボクには赤紙はまだ・・・」「そ、そうです。徴兵検査で丁種(ていしゅ)だったので・・・」「非国民?そんな・・そんな・・・ボクだって」「帰れ?お願いです!線香の1本くらいあげさせてください」「マサルの・・」◾️SE:バシャっと水をかけられる音「失礼、しました」海沿いの古民家でおこなわれていたお葬式。一人の若者が、水をかけられて、追い出された。ってか、家にもあげてもらえなかったのね。なんか、陰鬱な顔...
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    29 分
  • ボイスドラマ「セカンドチャンス〜もうひとつのNBA」
    2025/07/25
    忘れ物を届けた先にあったのは、過去の自分だった——。セントレア空港で働くルイ(28歳)は、ロスト&ファウンドでNBA選手のボールを預かる。持ち主は、プロ入り4年目・未だ無得点の控え選手エバン・ヒーロー。夢を諦めかけたふたりに訪れた、「セカンドチャンス」とは?・高浜市×セントレア×NBA・感動のクライマックスはまさかのゴール下!バスケ経験者にも、そうでない人にも届けたい、再出発の物語。(CV:山崎るい)【ストーリー】<『セカンドチャンス』>主人公・ルイ(28):セントレア空港のロスト&ファウンド係。几帳面で冷静、でも実は学生時代バスケ部でNBAの大ファンだったがインターハイ予選の決勝でセカンドチャンスを外して敗退。それがきっかけでトラウマに。エバン・ヒーロー(24):NBAのベンチメンバー(補欠)。来日試合のためにセントレア経由で入国。誰よりも努力家だが入団以来公式戦で得点がない。日本が嫌い[シーン1:インターハイ決勝のトラウマ/2015年8月高浜市体育館(碧海)】◾️SE:会場の大歓声「ルイ、スクリーン!」「OK!」2015年5月30日。その日、碧海町の高浜市体育館は、熱狂的な歓声に包まれ、シューズの摩擦音が響いていた。インターハイ予選決勝、残り時間はあと10秒。1点ビハインドで迎えた、九死に一生の場面。ポイントガードがインサイドに切れ込むセンターのミサキにパスを送る。だが、相手チームの厳しいディフェンスがミサキのシュートを阻んだ。ボールはリングに嫌われ、無情にもリムを叩いて転がっていく。その瞬間、私は無意識に動き、ルーズボールに飛び込む。「ルイ!今よ!セカンドチャンス!」視界の端に、赤く点滅するショットクロックが見えた。もう時間がない。拾い上げたボールを抱え、私は迷わずドライブを仕掛ける。マークについていた相手フォワードをクロスオーバーで抜き去り、ゴール下へ。ノーマークだ。誰もが私のシュートが決まることを確信した。しかし、放たれたボールは・・・◾️SE:会場のためいきと大歓声実況アナウンサーの絶叫が、耳に突き刺さる。ボールはリングに弾かれ、無情にもアウトオブバウンズ。その瞬間、試合終了を告げるブザーが、私の心を打ち砕いた。鼓膜から歓声は消え去り、凍り付いた時間の中でコートは静まり返る。チームメイトの慰める声も私の耳には入らない。ベンチから歩いてくる監督は、作り笑顔の中に落胆した表情が隠せない。この日を境に、私の心からバスケットボールという言葉は消えた。あんなに好きだったNBAの試合ですら怖くて見れない。高校最後の初夏が、私の一番好きなものを奪っていった。[シーン2:中部国際空港セントレア】◾️SE:空港のガヤ「え?忘れ物?もう〜。帰ろうと思ったのに」あれから10年後の2025年。私は高浜から毎日車でセントレアへ通う。中部国際空港・第1ターミナル1階 総合案内所裏「遺失物取扱所」通称“ロスト&ファウンド”。それが私の職場だ。ガラス越しに見える滑走路と、遠ざかっていく白い機体。カウンターの奥、仕切られた一角で私は丁寧にグローブをはめた。目の前の“拾得物預かり票”にボールペンで書き込んでいく。国内線112便・到着ロビーC付近で拾得。品目・・・・・・ボール?え?ロスト&ファウンドに普段届くのは、財布やスマホ、書類がほとんど。スポーツ用品が届くのは珍しい。しかも・・・このサイズ、この形状、このカラーは・・・バスケットボール。一目見ただけでわかる。プロ仕様のバスケットボールだ。深いオレンジ色の革には、使い込まれた証拠の擦れ。かすかに汗の匂いが染み込んでいる。「・・・まじか」ためらいながら、手を伸ばす。手のひらで感じる感触。顔を近づけたとき、微かに漂う皮の匂い。記憶の奥底に封じ込めたはずの感情が、ふいに呼び覚まされる。ボールのパネルには、筆記体で「E. HERO(イー・ヒーロー)」と刺繍されていた。その下には、見慣れない猛禽類のマークが縫い付けられている。どこかのチームロゴだろうか。高校のとき、あんなに夢中だったNBA。10年という歳月は、私をここまでバスケから遠ざけちゃったんだな...
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    28 分
  • ボイスドラマ「禍ツ魂」
    2025/06/16
    「その声は、命を削って届いた」新人声優ルイが挑んだのは、異色の鬼アニメ『鬼師』のラスボス「禍ツ魂」。過酷な現場、突きつけられる現実、そして自身の病——それでも、彼女の声は人々の心を震わせた。SNSでバズり、異例の主人公交代。感動と希望のラスト、そして次回作『蛇抜』へ繋がる予告も─心震える45分、あなたも“あの演技”を聴いてください。(CV:山崎るい)【ストーリー】[シーン1:スタジオオーディション『鬼師 vs 禍ツ魂』】◾️SE:雷鳴轟く豪雨の中『おのれぇ!こざかしい鬼師どもめがぁ!おまえらごときにこの禍ツ魂の術が破れるものか!?これでもくらえ〜!!』◾️SE:爆発音『なん・・だとぉ〜!!!術が効かぬ!鬼瓦に吸い込まれる!!!くそぉぉぉぉ〜!鬼師めが!これで終わりと思うなぁ〜!きさまを倒すまでわれは何度も蘇えるからなぁ!』◾️SE:音響監督のモブ声「はい!オッケー!」あ〜、しまったぁ。ちょいと、やりすぎちゃったかも。いつもの調子で、ハラから思いっきり声だしちゃった。最後、アドリブまで入れてるし・・・ってか今日、バイト先で超ムカついたんだよねー。店長に。早朝のシフト終わって私にかけた言葉が、『おつかれ〜。オーディションがんばって。あでもー。声優なんて食ってけないんだからいい加減あきらめたら〜?』だって。ざけんな、っつうの。あ〜!ったく、セリフに力入ったわ〜。あ、いかんいかん。まだオーディション終わってないし。今日は、一年後に放送される2026年夏アニメのCVオーディション。って早すぎ?いやいや、TVアニメなんてそんなもんよ。絵が出来上がる前のアフレコなんてザラだから。タイトルは『鬼師』。鬼師というのは、鬼瓦を作る職人のことらしい。舞台は愛知県高浜市というところ。なんでも、瓦の生産量が日本一なんだって。へえ〜。知らなかった。物語の世界は、平安時代末期から鎌倉時代。世の中には鬼が闊歩し、人々に畏れられていた。まさに『百鬼夜行絵巻』の世界。鬼たちが集まる高浜には、鬼師がいた。鬼師とは、鬼を討伐する専門職。特殊な結界を張った瓦に、鬼を封じ込めて葬り去る。はるか遠い昔の物語。鬼師と鬼の果てしない戦いを描くアニメだった。CVオーディションは音響監督の決めうちじゃなくて、呼ばれた声優たちがいろんな役を演じる。私はラスボスの鬼じゃなくて、ヒロインの美少女鬼師狙い。だって最近、アニメじゃいっつもモブか人外ばっかなんだもん。そうそう。気持ちを切り替えて、と。よろしくお願いしま〜す!![シーン2:自宅のアパート】◾️SE:小鳥のさえずり/朝のイメージ結局、決まったのは鬼の役。セリフにもあったけど『禍ツ魂』という、すごい名前の鬼。めっちゃ強そお〜。源頼光(みなもとのらいこう)に討伐された酒呑童子(しゅてんどうじ)の転生した姿だって。フィクションだけど。確か、台本の決定稿きてたよなあ・・・◾️SE:台本をペラペラめくる音あれ?なんか、これ。オーディションのときと変わってない?この内容、主人公は・・・禍ツ魂・・・私〜っ!?うっそぉ!いやいや。違う違う。主人公のCV名は私じゃないし。私の名前は下の方だし。いまビデオコンテ作ってるとこだって言ってたけど。監督とシナリオライターの間でなんかあったのかなぁ。と、と、とにかく。本番までまだ一ヶ月あるから、台本読みこんどかなきゃ。役作り役作り。[シーン3:渋谷のアフレコスタジオ】◾️SE:スタジオのガヤ「おはようございま〜す!禍ツ魂で入らせていただきます!ルイです!よろしくお願い申しま〜す!」15分前。よし、まだスタッフさんだけだ。じゃなくて、音響監督さんは副調整室の中か。モブシーンを先に録ってるんだ。あ、あの子たち。私の同期。今回はモブ役なんだね・・◾️SE:同期の声優がスタッフに対して「おつかれさまでした」「あ、あ・・お、おつかれさまでした。あ、あの・・・」え?なんか、フツーにスルーされちゃった。どゆこと?私、なんか、悪いこと、した?と思う間もなく、鬼師役の声優さんが入ってくる。そうだ、主人公。彼女に決まったんだ。別...
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    27 分