漱石の『三四郎』で、広田先生が「佐々木は何をしているのかしら。」と言う場面がある。現代だと女性の言葉のイメージがある「〜かしら」ですが、昔は男の人も使っていたのか?という疑問から今回は始まりました。最後まで聴いていただけますかしら。
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【内容】
0:00 お米アンケートの結果
1:52 今回のテーマは「〜かしら」です
3:30 まずは「かしら」の意味を広辞苑で確認。①不審・疑問「何かしら」②願望・依頼「早く梅雨明けないかしら」
5:26 「かしら」の変遷は「か+知らぬ」⇨「かしらぬ」⇨「かしらん」⇨「かしら」
6:52 「かしら」はいつごろ出てきたのか?明治前半はまだ「かしらん」が主流だったが、昭和前期に入ると「かしら」が主流になっている。しかも、使用者はほぼ女性。
8:01 明治後期は「かしら」が出はじめてきて、まだ男性女性とも使っていた。大正に入ると「かしら」の使用頻度が増え、使用者も女性が多くなってくる。
9:12 なんで使用者に女性が多くなってきたのか?ポイントは「かしら」の根本的意味は”自問”だということ。
10:17 女性への「かしら」の使われ方の傾向とは?会話文の中で「丁寧語+かしら」の形式で使われた。相手への敬意を表つつ、自問している事を伝えることで、間接的に相手に疑問や依頼をする表現となっている。この表現が女性に多く使われることで、だんだん「かしら」が女性の言葉になっていった。
14:11 「かしら」ではなく「かわから」が出来上がっていた可能性について。
16:25 まとめ。「かしら」をナチュラルに使うのは難しいですねぇ
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【参考資料】
終助詞「かしら」における男女差の形成ー近代小説における用例調査を中心にー /任 利
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伊豆の2人。「せっかく多くの文豪が訪れた伊豆にいるなら、彼らの作品を楽しめるようになりたい」と純文学素人ながら少しずつ読み始め、同時にこのラヂオをはじめた。 自分達が文豪を知ってゆく過程を配信すると共にリスナーさん達と楽しんでいきたい。
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