• ep42-4 「それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史」(会田 弘継)/ゴジラと怨念と中間層
    2025/05/09

    どうも、星野です。
    今回はガラッと前回と空気を変えまして、アワノさんの読書の時間。紹介してくれたのは「それでもなぜトランプは支持されるのか」(会田 弘継さん)です。


    前回の「おにぎりと潮汁の話」から一転、「アメリカの分断と政治的怨念の話」へ。今世界中が注目しているあの人についてメタに捉え直すお話。人間の視点も大事ですが、こうした大局的に見る視点も大事でしたな、と改めて思いました。


    「トランプはゴジラだ」っていう例えは衝撃でしたが、怨念や不満が形をとって現れたのが彼なんだと。つまり「結果」としてのトランプ政権。流れを聞かせてもらうと納得しますよね。
    そして意外だったのが、中間層の資産が一番現象したのはオバマ政権時代で、増えたのがトランプ政権時代だったという話。世間のイメージとは違う側面についてもお話しいただきました。


    勢力争いにより焦点があてられる層が異動していく構図、格差の広がりによる怨念の蓄積。
    「なんでそんな人を選ぶの?バカなの?」っていう問いが、少しずつ解かれていく回だったと思います。

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    30 分
  • 【番外編 告知】文学フリマ東京40出店のお知らせ
    2025/05/08

    いつも番組をお聞きいただいている皆さま、ありがとうございます!

    実は、来たる2025年5月11日(日)東京ビッグサイトで開催される「文学フリマ東京 40」に出店することになりました。



    もし当日お時間がある方がいらっしゃれば、ぜひ下記ブースまでお立ち寄りください。

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    南棟(上階)3・4ホール「そー43・44」

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    おそらくホシノが店番をしていると思いますので「読書の時間聞いてるよー!」とお声がけいただければ!

    何かしら日ごろの感謝のお気持ちをお伝えさせていただければと思います!


    (※ちなみにアワノさんは当日は別件があるため不参加です)

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    5 分
  • ep42-3「いのちをむすぶ」(佐藤初女さん)/動いて染みて、日常を未来にする
    2025/05/02

    どうも、ホシノです。
    佐藤初女さんの『いのちをむすぶ』を取り上げています。今回は、著書の中に出てくる言葉たちを読みながら、アワノさんと一緒にあれこれ考えてみました。

    「人に人は癒せない」「気づいたら動きなさい」「最後に望むのは日常の繰り返し」
    シンプルなんだけど、反省させられるといいますか…。煮物に例えて「しばしとどまることの大切さ」を語るあたり、いいですよね。


    「動け」でも「止まってもいいじゃない」「言葉を超えていけ」わかりやすい結局一貫性みたいなものはない気もするんです。きっと、佐藤さんなりにご自身の葛藤と調整の中から残してこられた指針なんだろうなあと思いました。


    自分たちなりのこうした指針を一つずつつくっていくのがだいじなのでしょうな、と。


    気づいたことがあったら、まずは動く。言葉をこねくり回す前に。
    星野はこれ。反省も込めて、自分に言い聞かせてます。


    あと、佐藤さんの「食」にまつわるエピソードもすごく良いんです。
    学生時代、寝込んでいたときに飲んだ桜鯛の潮汁が、生きる意欲を取り戻すきっかけになったという話。


    本もいいけど、ガイアシンフォニー龍村監督と佐藤さんがお話されてる映像もぜひ。
    言葉を超えた佐藤さんのやさしさみたいなものが、感じられると思います。(ホシノはなにやら、そんなものを感じました!)

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    16 分
  • ep42-2「いのちをむすぶ」(佐藤初女)/おにぎりの人・読むと聞くで変わる印象
    2025/04/25

    「おにぎりの人」として記憶されている方も多いのでは?

    今回星野が扱う本は「いのちを結ぶ」(佐藤初女さん)。写真エッセイ、です。


    前々からちゃんと知ろう、とは思っていた方ではあるのですが、ようやく今回機会が来ました。まずは今回でざっと佐藤さんの概要をお伝えしています。


    ちなみに、佐藤さんを知ろうとする行動の中で面白かった体験がありました。文章で書かれたことを読むだけでは、「少し古い時代の道徳観だな」なんて感じていた内容が、動画で話している姿を見たり、佐藤さんの波乱万丈な人生を知ったりした上で改めて触れるとすんなりと受け入れられるようになったのです。


    自分が持っている偏見メガネの影響なのか、それとも声色や表情などを直感的に受容する感覚器の影響なのか、正確なところはわかりませんが、受け取り方がガラッと変わる、面白い体験でした。


    皆さんにもそんな前提を持った上で聞いてほしいと思い、少したっぷり目に説明していますので、ぜひ我慢して聞いてくださいませ!


    次回は、佐藤さんについて特に気になった点をお話いたします!

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    22 分
  • ep42-1 「命を結ぶ」「それでもなぜトランプは支持されるのか」/今さらながら、初代ポケモン見てます
    2025/04/18

    どうも、ホシノです。今回は軽く振ってみたポケモンの話が意外と膨らんでしまいました。長寿アニメの初代シーズンを息子と見始めたら、自分のほうがハマりかけています。コロコロコミックセンスというんでしょうか。あの「ザ・ギャグ漫画」展開、あなどれませんね。

    さて、本題の読書紹介、ホシノが取り上げたのは佐藤初女さんの『いのちをむすぶ』。おにぎりを握る人、という印象しかなかったのですが、調べていくと、その背景には人を癒す力や、河合隼雄さんとの意外な接点も。60歳から始めた活動という点にも心を打たれました。

    アワノさんが選んだのは会田弘継さんの『それでもなぜ、トランプは支持されるのか』。アメリカの思想史の流れから、トランプ現象の背景を丁寧に説明し、メディアの印象とは違う景色が見えてきます。あの三宅香帆さんが年末年始に読んだ本として紹介していたのも、読みたくなったきっかけだったそうです。

    トピックの振れ幅は今回も広めですが、一歩ずつ広げていった個人的な活動から紡がれる物語と、世界・歴史の文脈を背景にした大きな物語の対比で見ると面白くなりそうです。

    次回はホシノによる「いのちをむすぶ」から話始めます。また聞いてくださいね。

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    16 分
  • ep41-5「台湾生まれ 日本語育ち」(温又柔さん)/他者理解の線引き問題/「銀の匙」に答えがある?
    2025/04/11

    こんにちは、ホシノです。

    今回も『台湾生まれ 日本語育ち』を入り口にしつつ、とは言え本の内容に直接的に触れるでもなく、「他者理解」などについてアワノさんとじっくり話してみました。

    途中でふと出した「ノーと言われたら、その理由を問え」という交渉学の心得。言葉にするとシンプルですが、実践するのはすごくすごくめちゃくちゃむずかしいし大変。相手の本音はなかなか見えないし、そもそも話を聞くための信頼関係ができてるかどうかもわからない。それでも、理解しようとする努力はやっぱり大事なんじゃないか——そんな話をしました。

    途中、『銀の匙』やリチャード・ローティの話も出てきて、「我々ってどこまで?」とか「理解ってどこまでできるの?」みたいな問いにも触れています。

    19歳の頃に考えていた「大人とは?」なんて話も、ちょっと恥ずかしいですが出てきます。

    今回もわりとゆったり、でも大事なテーマでお送りしています。

    永井玲衣さんの『世界の適切な保存』と、温又柔さんの『台湾生まれ日本語育ち』をテーマにお話する41シリーズも今回で一旦一区切り。次回はまた新しい本を扱ってお話していきたいと思います。ぜひまた聞いてくださいね!

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    25 分
  • ep41-4 「台湾生まれ 日本語育ち」(温又柔さん)/台湾のおじいちゃんに聞いたお国の歌は「君が代」?
    2025/04/04

    こんにちは、ホシノです。

    今回は温又柔(おんゆうじゅう)さんの『台湾生まれ 日本語育ち』について、ホシノから話題提供させていただきました。タイトルからしてすでに引っかかるというか、「育ち」が「日本」じゃなくて「日本語」なんですよね。その時点で、言葉ってただのコミュニケーションツールじゃなくて、アイデンティティや人格の形成にも大きな影響を与える環境そのものになっているなぁと感じておりました。

    読んでみた最初の印象で言えば、知らない世界が随分あるな、ということ。たとえばある台湾のおじいちゃんに「台湾の歌って何?」って聞いて、帰ってきた答えが「君が代」だったとか。自分の「普通」が誰かにとっての「違和感」だったり、「正しさ」の基準が場所や文化でこんなに変わるのかって、しみじみ考えさせられました、月並みですけど。

    ちなみに、ヤドカリが透明な東京の街を背負ってる表紙もおもしろいので、ぜひそちらにも注目してみてください。

    次回は「自分の普通を相手に当てはめない話し方」について、もう少し深掘っていく予定です〜。盛り上がるか不安ですが、聞いてみてくださいませ。

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    19 分
  • ep41-3 「世界の適切な保存」(永井玲衣さん)/「適切な保存」とは?どもりと原稿書けない病の共通点
    2025/03/28

    こんにちは、ホシノです。

    今回もアワノさんと一緒に、永井玲衣さんの『世界の適切な保存』について話しています。

    タイトルにある「適切な保存」ってなんなんだろう?という問いから、話はどんどん奥深いところへ。

    数値では語れない感覚。

    記録されにくい弱さや揺らぎ。

    誰かの人生にとってはかけがえのなかった「あの瞬間」。

    そういうものを、どうやって世界に残していけるのか。あるいは、それって本当に「残す」ことなのか?なんて、アワノさんとあれこれ言葉を探しながら語りました。

    途中、「書けない原稿」の話になったり、「ドモること」と「伝えること」の話になったりもしてます。ホシノとしてもちょうど今悩んでいるタイミングで、ちょっと沁みました。 

    「しかし、あのアワノさんがよくこの本選んだな」と、改めて思っています。ちなみに収録後に自分でも買って読んでみましたが、自分が理解していたよりも広く深いお話が書かれていて、「また自分は浅い理解でわかったふりをしていたな」と何度目かになる反省をしております。

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    18 分