『アワノトモキの「読書の時間」』のカバーアート

アワノトモキの「読書の時間」

アワノトモキの「読書の時間」

著者: 粟野友樹 星野良太 Work-Teller
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「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano粟野友樹,星野良太,Work-Teller アート 文学史・文学批評
エピソード
  • ep53-4 『サボる哲学:労働の未来から逃散せよ』前編/「やっちゃった!の生き方がいい」
    2026/07/13

    どうも、ホシノです。

    今回は私が勢いで同著者の本を8冊まとめ買いした選書、栗原康さんの『サボる哲学:労働の未来から逃散せよ』を掘り下げていきます。

    (今回は本題前の雑談が長めで失礼しました…!)

    さて、『サボる哲学』です。タイトルにある「逃散(ちょうさん)」とは、日本の農民たちが領主の圧政から逃れるために行った歴史上の反抗行為のこと。ストライキの逃げるバージョンのようなものです。労働が当たり前(むしろ美徳)の常識から逃げちゃえ、的なメッセージですね。

    この本は、労働とアナーキズムについての理解を深めてくれる一冊ですが、著者の栗原さんは冒頭でアナーキストを「無支配主義者」と定義しています。世の中がいかに支配者側の都合のいいようにシステム化され、構造化されているかを自覚した上で、「たまには反抗しておいたらいいんじゃない?」というスタンスで書かれているように思います(個人的には、徹底して抵抗せよ、というスタンスじゃないのが好印象だったんですよね)。

    ホシノが特に惹かれたのは、栗原さんの「とにかく短く言い切る言葉を連ねる」という軽快な文体です。とにかく読みやすくてニヤニヤしてしまうのに、いざ読み進めると驚くほど詳細に歴史の元をたどって紐解いてくれるので、ものすごく勉強になります。

    なかでも個人的に勇気づけられたのが、「やっちゃった」という生き方です。これは自主性(場やルールに従うニュアンス)とは異なり、自らの意思や意図が影響する前の、思いがけない行動(突発性)を指しています。「やってみたくてやっちゃった」という人間の素直な行動を大事にしようというメッセージは、ビジネスでよく言われる「PDCA」よりも、最近注目されている「DDRRRR(ディザイア・ドゥ・リフレクト・リフレーム・リアライズ)」の考え方にも通じるものを感じました。予定調和のプランに縛られず、動くことで自分の価値を見出していく自発的な生き方は、今の時代にこそ響くものがあるのでは。

    本の中では、そんな「やっちゃった」エピソードの塊のようなアナーキストの先駆者・大杉栄の生き様についても語られています。

    次回は、この本の中でさらに面白かった「海賊」のお話をご紹介します。お楽しみに!

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    16 分
  • ep53-3「論理的思考とは何か」後編/「世界の論理、4つの『型』」「日本人は共感を重んじる?」
    2026/07/05

    どうも、ホシノです。お待たせしました!アワノさんの選書、渡辺雅子さんの『論理的思考とは何か』を深掘りする第2弾をお届けします。

    ビジネスの世界にいると、アメリカ発の「結論ファースト(PREP法)」こそが正解だと思いがちですが、本書では国や文化の歴史に深く根ざした「独自の論理的思考」が4つの領域に分けて明かされます。

    • 【経済領域】アメリカ:効率性とゴール達成の論理主張を3つの根拠で支える「5パラグラフ・エッセイ」が主流。ビジネスでおなじみの逆算思考やロジックツリーも、ここから来ています。

    • 【政治領域】フランス:公共の利益と議論を尽くす論理ある主張(正)に対して必ず反対意見(反)を戦わせ、最後にそれらを統合した合体版(合)を導く構造。過去の哲学者の思想を引用しながら議論を深めることが求められます。

    • 【法律領域】イラン:真理と規範を守る論理晴れて白黒をつけるのが目的。最後にはことわざや詩(ポエム)、神への感謝を織り交ぜるのが論理的とされる、聖典に基づいた世界観です。

    • 【社会領域】日本:共感と道徳心の論理判断基準は「周りの人から共感されるか否か」。作文でも自分の体験を通じた変化や成長(起承転結)を語り、クラスメイトと感覚を共有することを重んじます。

    日本の学校教育では「自分の経験を語ってどう成長したか」というプロセスが良しとされるため、社会人になって急に「アメリカ式の結論ファースト」を求められて苦労するのは、ある意味で当然のことなのかもしれません。

    著者の渡辺さんは、利害や正義がぶつかり合うこれからの時代だからこそ、衝突を回避できる「日本的な社会領域の論理」が重要になってくるのではないかと結んでいます。

    状況や相手に合わせて、乗るロボット(論理の型)を上手に乗り換える……そんな柔軟なメタファーを意識してみると、ビジネスもコミュニケーションもぐっと面白くなるはずです。

    次回からは、栗原康さんの『サボる哲学』についてお話します。どうぞお楽しみに。

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    21 分
  • ep53-2「論理的思考とは何か」前編/「4つの論理的思考法」「採点不能の衝撃」
    2026/06/26

    どうも、ホシノです。今回はアワノさんの選書、渡辺雅子さんの『論理的思考とは何か』を掘り下げます!

    まずは著者の驚きの原体験から。日本の大学からアメリカのコロンビア大学院へ進学した著者ですが、提出した英語のレポートが教授からなんと「採点不能(0点以下)」と突き返されてしまいます。書き直しても連続で拒否され、悩んだ末に「アメリカ式の構造」に書き換えた途端、一気に高評価に!この衝撃から、国や文化によって「論理のルール(プロトコル)」が全く異なることに気づき、研究が始まったそうです。

    ビジネスで盲信されがちな「結論・根拠・結論(PREP法)」もアメリカ式の一つの型。イランなど他国ではその型で説明しても通用しないのだとか。

    今回はそのプロローグとして、ベースとなる「4つの論理的思考法」を解説してもらいました。

    • 論理(演繹):一般法則に当てはめて結論を導く(売上=単価×客数など)

    • レトリック:感情に訴えかけ、人を説得する(政治家やジョブズが得意な技術)

    • 科学(アブダクション):起きた結果から「なぜ?」と仮説を立てて検証する

    • 哲学:「そもそも売上とは何か?」と物事の本質を突き詰める

    「議論がかみ合わない」という時は、この4つのアプローチがすれ違っているのかも。相手や状況に応じて使い分ける認識を持つと、ビジネスでもかなり役立ちます。ちなみに科学や哲学思考が好きなアワノさんに対し、私ホシノは抜群に「レトリック」が好きだと判明しました(笑)。

    次回はいよいよ、文化や国による論理的思考の違いという本論へ迫ります。お楽しみに!

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    14 分
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