エピソード

  • Session#52 なぜ腐敗せず、発酵できたのか?|01
    2025/11/05

    「ここじゃないどこかで何かをはじめなきゃ」。東日本大震災を契機に、焦りに似た思いを抱え、西へ西へと向かい、なんとか本屋を開けた。だけど客は誰も来なかった。「世界に幅と揺らぎあれ」をテーマに、鳥取県湯梨浜町で汽水空港という書店を10年営んできた、モリテツヤさんをゲストにお迎えしました。地方移住や生業ブームが一段落した今、実はそれがとても泥臭く大変だったことを、モリさんは体現していると、尹さんは言います。右を向いても左を向いても真っ暗闇のこの時代、モリさんの身をかけた壮大な実験は、私たちの灯になるかもしれません。

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    35 分
  • Session#51 ピープルズが語ること|02
    2025/10/25

    原発へのアプローチは複雑で、混沌とした現代社会のあり方を象徴する社会問題の1つです。問題だらけの時代の中で、今、私たちが知りたいのは、この日常を生き抜くための智慧なのではないでしょうか。地域活動家の小松理虔(こまつ・りけん)さんが描いた『小名浜ピープルズ』の日常には、なぜか底が抜けたような明るさ、手繰り寄せた希望が漂っています。「他者が人生を豊かにしてくれる」ことに絶大な信頼を寄せる小松さん。聞き耳をたて、共事者として振る舞いながら、語りつないでいます。

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    37 分
  • Session#50 ピープルズが語ること|01
    2025/10/15

    「ぼくらはみな、だれかの悲しみのよそ者だ。それでもなお、他者との間の線を手繰り寄せる」。そんな帯文が添えらたエッセイ集『小名浜ピープルズ』を上梓した、地域活動家・小松理虔(こまつ・りけん)さんをゲストにお迎えしました。本書では、東日本大震災から10年が経った小松さんの地元=福島県いわき市小名浜を舞台に、そこに暮らす市井の人々との語りのキャッチボールが描かれています。「変化することが希望であることを、書き切る」ことに挑戦したという小松さん。それは原発事故という、何世代もかけて向き合わねばならない事態が日常にあるからでした。噛むように刻むように書き重ねられた本書には、時代を超えた語り部への願いが込められています。

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    32 分
  • Session#49 我にかえる|「自分」という人との対話
    2025/10/05

    「感情的」というのは感情ではなく、過去の記憶から湧き上がる衝動なのだと尹さんは言います。良い緊張を伴いながら、自身からの眼差しや本当の声と向き合うためのエッセンスについて語り合いました。社会に適応しよう、自分を統合しようとして、どこかでそのことに執着しすぎてしまう私たち。9月末には尹さんの新刊『「要するに」って言わないでー本当の自分の思いに気づくとラクになる』が発売されました。もし読まれた方がいれば、その感想を囲みながらおしゃべりしてみたいですね。

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    29 分
  • Session#48 2が滲む
    2025/09/25

    尹さんにナビゲートしていただいたミヒャエル・エンデ『モモ』を手がかりにした講座を振り返りました。参加者も印象的だったという「2が滲む」について、おしゃべりしています。それは、過去のインタビューで出合った『圏論』と呼ばれる数字と数字の間を扱う抽象的数学論のお話、仕事で接している知的障がい者の方とのコミュニケーション、そこから受けた刺激や発見。それが『モモ』とどう結びつくのか?「自分の考えを滲ませないと、相手のことを理解することにはならなさそう」。『モモ』を読み解く尹さんの独創的な思考が垣間見えます。

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    24 分
  • Session#47 何のための表現?|学生たちと過ごした能登のこと 02
    2025/09/15

    彼の地では今も止まない戦争が続いています。誰も傷つけたくないのに、生きているだけで誰かを傷つけてしまったり、歯車の一部になってしまったりする構造が、現代には確かに存在しているのかもしれません。坂口さんは、表現者として時代の空気に触れながら、自らの役割や生きる価値を見失ってしまった時期に、珠洲市大谷地区と出会いました。そして、大谷の人たちの日常の全てが表現だと言います。生活の中で小さな楽しみを見つけ、誰に見せるでもなく、かげがえのない作品をコツコツと創り上げている。その姿に坂口さんは励まされたのだとか。芸術や文化には、生活や地域を創り上げていく力がある。「諦めたくない」という坂口さんの言葉。遠くまで届くといいなー。

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    33 分
  • Session#46 すべては、あの頃の自分との帳尻合わせ|学生たちと過ごした能登のこと 01
    2025/09/05

    2025年8月末、古橋さんが18〜21歳の大学生と一緒に、能登半島・珠洲市大谷地区でワークキャンプを実施しました。4泊5日の間、学生たちはもちろん、大谷地区の住人たちにも、いろんなチャレンジがありました。つい最近も豪雨があった被災地では、様々な前提条件が定まりません。そんな中で学生たちにどう種を落としていけるのか、誤魔化さずにバトンを渡していけるのか。震えながら自身の胸の内を確かめる若者の様子を見て、コーディネート役を担った坂口彩夏(さかぐち・あやな)さんは”19歳の私”を見てとったようです。そして災害現場での泥出しや片付け作業の中に、日常の表現が潜んでいることに尊さを感じていました。その行為を「諦めたくない」と坂口さんは言います。

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    34 分
  • Session#45 考えが蒸発する時代に起きていること
    2025/08/25

    様々な災いの合間にも出会いがあり、人生の話が語られます。異質なものに出会った時にこそ、自分が立体的に見えるチャンスだったりするのですが、いつもの定型句に戻ろうとしてしまう。動かし難い現実、先行する存在と共に生きていくこと。地球沸騰化の今、若い人たちの窮屈な時代についておしゃべりしてます。

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    25 分