小学館の名作文芸朗読

【小学館の名作文芸朗読】「小さな芽」：小さな木の芽が土を破って広い野原を初めて見渡し、空を飛ぶ雲や小鳥の鳴き声を聞いた。木の芽は、堅い土の下で他の種子たちと明るい世界に出たいと語り合ったが、出られるのはわずかで、残りは腐ってしまうことを知っていた。風と太陽が木の芽を助けようとするが……。

【小学館の名作文芸朗読】

ある家に大事にしまってあった不思議な青いランプには、火を点けると変わったことが起きるという言い伝えがあった。しかし、文明の世に化け物や悪魔がいるはずもないと、村人達は一笑に付す。それが迷信であることを確かめるため、青いランプを点けてみることになる。その夜、皆が集まり、ランプが青い光を放つと、その家のおばあさんが昔話を語り出す。

【小学館の名作文芸朗読】

病気で工場を追われた若者は、ある町で汚れた風貌の少年をみかける。少年は口笛を吹いて鳥を呼び寄せる特技を披露し、それをもとに宿代を得ようとするも、町の人々は嘲笑したり気味悪がるだけで少年を追い払ってしまう。後日、若者は少年が五、六人の男に殴りつけられているのを見る。

【小学館の名作文芸朗読】

政雄は姉からもらった赤い毛糸の手袋を、学校からの帰り道でどこかに落としてしまう。その日は寒く、雪が積もっており、友達と雪投げをして遊んだ後に手袋をなくしたことに気づいた。政雄はその手袋に愛着を持っていたため惜しく思い、どうにかして見つけ出したいと思うが──。

山間の寂しい村の小学校に遠い隣村から通って来る年老いた先生がいた。彼は小学校に雇われている小田賢一少年に勉強を教えている。少年は家が貧しくて上の学校に行けず、小学校で働いていたのだ。やがて老

【小学館の名作文芸朗読】

嵐の中、一羽の小鳥が群れからはぐれ、吹き荒れる風雨に翻弄されながら空をさまよい続けている。やがて雲が途切れたとき、小鳥が見たものは自分の真下一面に広がる海だった。翼を休める場所もなく絶望に包まれたが、それでも最後の力を振り絞って飛び続けると、遠くに一筋の明るい光を発見した──。

【小学館の名作文芸朗読】

春の一日を舞台にした短編童話。道に迷い、雇われるお家がわからなくて困っているおばさんへの手助けや、教会で出会った耳の遠いおばあさんと孫の世話──。ちい子ちゃんが日曜学校へ向かう途中で経験する出会いを描く。

【小学館の名作文芸朗読】北の故郷に住む二羽の小鳥が旅に出る。山の彼方の国に来てみると、あたたかく野原は緑色に萌えている。

【小学館の名作文芸朗読】同じ圃（はたけ）から生まれ出た真紅なアネモネが花屋に並んでいる。甲乙丙の三つの鉢はやがて別れる儚い運命。

【小学館の名作文芸朗読】永久に動けない森の木立は、自由に空を飛べる小鳥たちが幸せに見える。一方で小鳥たちは、一日中駆けまわっても虫一匹見つからないことや、はやぶさに狙われることもあり、苦労が多い。

【小学館の名作文芸朗読】この世界が作られる時、神様は三人の天使に自分のなりたいものに姿を変えるように告げる。

【小学館の名作文芸朗読】山野紀伊の守が東京へ引っ越しして五十七年。元は三万八千石の殿様で、今は若殿様が子爵になっている。殿様の事を忘れないように、この町では中学校の優等生には鉄側腕時計、女学校の優等生には銀側時計、小学校の優等生には定紋のついた硯箱のご褒美がもらえる。代々足軽をしていた士族に生まれた石之助は、一番になって硯箱を貰ってみせると父に約束し、必死に勉強に励む。

【小学館の名作文芸朗読】サンフランシスコから渡船でオークランドに渡り、セミナリー・アヴェニューからミルスカレッジを通り過ぎた先にハイツがある。

【小学館の名作文芸朗読】尾崎士郎の随筆。昭和21年の歳末、画家の鈴木信太郎が尾崎のもとを訪れ、様々な絵を描いた。後日、鈴木は国技館を題材にした2枚の絵を送る。

【小学館の名作文芸朗読】ある街道の断崖に鶺鴒が巣を作り、三羽の雛を育てていた。

【小学館の名作文芸朗読】尾崎士郎による短編小説。主人公は下宿料が払えず、二階から四階の屋根裏部屋に移る。隣の相場師と知り合い、彼の宿命観と競馬への依存に共感しながらも、彼の不幸に巻き込まれないように心を奮い立たせる。相場師が主人公の洋服を借りて競馬に行き、なかなか帰ってこないまま時間だけが過ぎるのであった。

【小学館の名作文芸朗読】

戦後の混乱期における、子育て体験を綴った随筆。昭和8年、35歳で長女を授かった尾崎は、その時の感想を日記に記している。日々娘の成長を目の当たりにすることで自然と父親としての意識が生まれ、献身と犠牲の気持ちが湧き上がってくること。一方で、娘への愛情が深まれば深まるほど、将来の別れや喪失への不安も強くなっていくこと。

【小学館の名作文芸朗読】

緒方夫妻は互いの生活から吸い取るものを吸い尽くし、愛することにも憎むことにも新しさを感じられなくなっていた。ある晩、妻のA子が「わたしたちはすっかりわかれてしまうことにする」と提案するが、夫はこれを「子供だまし」と一蹴する。口論の後、新樹は一人外へ出て川沿いを歩いていると、岩に這い上がる河鹿を目撃する。

【小学館の名作文芸朗読】「私」の母親は病に伏せっている。妹が医者を呼びに行くも、生憎留守で夕方にならねば帰ってこない。妻の献身的な看病にもかかわらず、母の容態は悪くなる一方。

【小学館の名作文芸朗読】吉良上野介は領民に愛される名君として横須賀村を治めていた。村では彼の善政に感謝し、領民たちは吉良家を深く尊敬していた。