小学館の名作文芸朗読

【小学館の名作文芸朗読】春の先駆者であるひばりが高く舞い上がり、村や野原を見下ろしながらさえずると、ほおじろは木の頂に止まり、周囲を眺めて歌った。ひばりはもっと高く飛び、声を限りに鳴くべきだと主張し、勇気を持つことを説いた。ほおじろはこれに反論し、自分たちの歌は地上の全てに春の魂を吹き込むのだと述べた。ある日、ほおじろは人間に捕らえられてしまい、翌日からその声が聞こえなくなってしまう。

【小学館の名作文芸朗読】おじさんは知らない町で珍しい物を見たり、人々から聞いた面白い話を、僕たち兄弟にしてくれた。

【小学館の名作文芸朗読】

ある田舎の街道で、おじいさんは毎日、チャルメラを吹いて子供達を呼び集めて飴を売ると、屋台の傍らに立って、面白い節で唄を歌っていた。ある日、おじいさんがチャルメラを吹くと、いつも自分が笛を吹いた後で歌う唄を、すぐ側で歌うカラスがいた。カラスが次第に馴れてくると、おじいさんはカラスに唄わせれば飴が売れると考え、カラスを連れて町へ飴を売りに行く。

【小学館の名作文芸朗読】十歳になる小太郎は父と旅暮らしをしていた。彼は片方の目に義眼をはめている。

【小学館の名作文芸朗読】探偵小説家の殿村昌一が郷里のS村に帰省中、許嫁の山北鶴子が惨殺される事件が発生する。警察は許婚の大宅幸吉を容疑者として逮捕するが、殿村は友人の国枝予審判事とともに事件を調査する。大宅には絹川雪子という恋人がいたが、家の事情で鶴子との結婚を迫られていた。

【小学館の名作文芸朗読】ある田舎に仲のよい兄弟がいた。重い荷を積んだ車を引いていた兄が、旅のおじいさんを乗せてあげると、おじいさんはお礼にどんな病気でも治る良薬をくれる。家で働く弟に話すと、二人はその薬を家宝にする。兄が病気になると、弟はその薬を飲むよう勧めるが、兄はじきに治るからと答える。

【小学館の名作文芸朗読】海辺の村に住む松蔵少年は、バイオリンを弾く旅の薬売りのおじいさんと親しくなる。おじいさんは松蔵にバイオリンの弾き方を教え、別れ際に自身のバイオリンを形見として託す。

【小学館の名作文芸朗読】義ちゃんがお父さんに買ってもらった絵本を見ていると、赤ちゃんの繁さんに取られてしまう。そのうちに本を口に入れて舐めようとしたので、義ちゃんは無理にひったくる。大声を上げて泣き出した赤ちゃんをなだめるため、お母さんは電車を見に行くという。

【小学館の名作文芸朗読】

北の海へ帰るかもめから、南の都では鳩が平和に遊び暮らしていることを聞いたからす。ついその気になって都へ来たものの、鳩の仲間にはなれず、人間からは憎まれ、再び里に帰っていく。それ以来、からすは人をおだてたり、嘘を言って困らせたりすることを喜ぶようになる。

【小学館の名作文芸朗読】小川未明によって1919年に発表された童話。三月末、太郎は長い病気の後、外出できるようになる。

【小学館の名作文芸朗読】女（め）ちょうは自分の卵を産む安全な場所を探していた。もう秋の半ばだから、卵が孵化して自由に飛べるようになるまでかなりの日数がかかる。

【小学館の名作文芸朗読】昔、京都に利助という陶器を造る名人がいた。彼は薄手の純白の陶器に藍と金粉で花鳥や動物を繊細に描いた。

【小学館の名作文芸朗読】

主人公の辰一は、染め物屋の徳蔵の自転車を愛用していた。徳蔵は辰一を弟のように可愛がり、自転車に乗せて遊んでくれた仲だった。しかし徳蔵に召集令が下り、戦地で戦死する。辰一は徳蔵の形見として自転車屋に並ぶ徳蔵の古い自転車を購入しようと貯金するが、他の客に売られてしまう。

【小学館の名作文芸朗読】お父さんの大事にしている植木鉢のゆずが、今年も大きな実を二つ付けた。これを見ると、年雄君はまだ小さかった日を思い出し、悲しくなる。

【小学館の名作文芸朗読】ある若い婦人が外科手術を極度に恐れ、健康を取り戻せる機会があっても手術を受けることを拒んでいた。

【小学館の名作文芸朗読】 その田舎の村には時計がなかった。一人の金持ちが時計を買うと、村人は珍しがって毎日見に来るようになる。癪に障ったもう一人の金持ちも変わった形の時計を持ち帰る。しかし

【小学館の名作文芸朗読】毎日のように田舎道を村から町へ歩いて行く男がいた。妻と死に別れ、子供も病気で亡くし、年を取り病気で半身がきかないが、誰も同情してくれない。

【小学館の名作文芸朗読】左衛門という年老いた人相見が、三河の国の八ツ橋で泉谷という長者の家を訪れた。主の彦右衛門から継橋にまつわる憐れな伝説を聞いた後、菓子皿を持ってきた娘のお蘭の人相に不吉の形を見る。縁で二人だけになると、左衛門は死を覚悟したお蘭に正直に話すよう諭す。

【小学館の名作文芸朗読】北の港町に流れ着いた胡弓弾きの老人と子供。

【小学館の名作文芸朗読】

寒い夜、太郎は車の音を聞き、恐ろしいものを想像する。一方、田舎から来た16、17歳の女中おさよも車の音を聞く。おさよは故郷を思い出す。祖父が車を引いて市場へ行く様子や、家族の思い出が蘇る。次の晩、おさよは再び車の音を聞き、祖父の車の音に似ていると感じる。彼女は外に出て、車を引く人を見る。しかし、それは見知らぬ男性だった。