冒頭の文は知らない人は無い、というくらい有名ですが、全文を読み切った人は案外少ないのではないでしょうか。最後まで聴いて今一度、この作品のユーモア、風刺、時代、文化を知りましょう。

あの「人間失格」を書いた太宰治の作品です。「走れメロス」と「人間失格」の間にはすべての価値観がひっくり返ってしまった「敗戦」という出来事があります。大人になって「走れメロス」を聴き、その時に

名作を廉価で。様々な話者の朗読でオーディオブック化されている、中島敦の「山月記」。短編で読みやすく、また高校の教科書などにも採用され親しみがある、というのが大きな理由でしょう。

作品の解説はあらためて必要がないほどの名作。死ぬまでに一度は読みたいと思ってもなかなかページを繰る手が進まなかった人も多いでしょう。

夏目漱石、前期三部作のひとつであるこの作品。作品の書かれた「近代」において自我に目覚めた主人公の代助は、倫理や道徳に背き、正直に、自由に生きようとした。そしてその代助を待ち受けたものは。一生懸命生きようとする代助の姿は、「現代」でも「未来」でも色褪せることはないだろう。

芥川龍之介の出世作であり夏目漱石が絶賛した作品として知られています。『今昔物語集』の「池尾禅珍内供鼻語」および『宇治拾遺物語』の「鼻長き僧の事」を題材として書かれました。

夏目漱石の作品の中でも一番読まれているのがこの作品です（青空文庫調）。作品の底に流れているものは「自分とどう向き合うか」ということ。自分との向き合い方は年齢とともに変化していきます。

この作品も「鼻」と同様、『今昔物語集』の「羅城門登上層見死人盗人語第十八」と「太刀帯陣売魚姫語第三十一」を基に書かれました。生きるための悪という人間のエゴイズムを克明に描き出していま

中学３年の教科書に載っていたり、高校入試で時々出題される作品です。この作品の意味するところは大人になっても、ふと思い出してみることが大切ではないでしょうか。心が軽くなったりし

太宰治自殺直前の作品。本当に心中だったのかどうか疑問が残る太宰の死ですが、この作品の中に本当の理由の影を発見できるかもしれません。少なくとも、妻宛の遺書にある「小説を書くのがいやになつたから

主人公「オーレニカ」は誰からも愛される、優しく、穏やかで静かで同情深い健康なお嬢さん。彼女はいつも誰かを愛していた。初めは父、次に叔母、次はフランス語の先生。

国語の教科書でも採用されている作品なので一部でも読んだことのある人が多いのではないでしょうか。作中の「われはもう帰んな」といわれた時の良平の心情は、仕事にちょっと行き詰まりを感じてきた社会人

国語の教科書でも採用されている作品なので一部でも読んだことのある人が多いのではないでしょうか。この作品の意味するところは・・・、などと難しいことは考えず、無心に耳を傾けてみて下さい。気が付く

黄村先生、ドタバタコメディシリーズ三部作の二。
第一部の先生の印象とは趣が異なり、テーマは「武術」。道を説くからには実践せんと桜吹雪の中を完全と強敵に立ち向かいますが、そこは黄

芥川龍之介が手がけたはじめての児童文学作品で、児童向け文芸雑誌『赤い鳥』7月・創刊号に発表されました。芥川にとって「赤い鳥」の鈴木三重吉は夏目漱石門下の先輩にあたります。

夏目漱石の作品の中でも知らない人はいない「坊ちゃん」。でも、全編を読んだ人は意外と少ないようです。オーデイオブックになった今、坊ちゃんを聴いて、文豪の作品に触れましょう。

可愛い子供が突然いなくなった。両親は家を捨て子供を探し続ける。年老いてパリの教会で見かけた男に子供の面影が。果たしてその男は・・・。愛する子を探す親の気持ちがひしひしと伝わってくる

「私」が初めて訪れた時から母と娘はひたすら嫁入り支度でドレスを縫ったり刺繍をしたりしている。７年後に訪れた時も、そして最後に訪れた時も。しかし、娘は・・・

「木曽路はすべて山の中である」の書き出しで始まる島崎藤村の歴史・大河小説。これはそのうちの「第一部上巻」です。父をモデルに幕末を描いた藤村最後の長編。

「私小説」の始まりとされる作品です。
今風の言い方をすれば「カミングアウト」という事になるのでしょう。この作品の主人公に、多くの女性は「鳥肌が立つ」でしょう。

陽気なパリの女がノルマンディーの貴族と結婚する。巴里娘にはノルマンディーの冬の寒さは耐えられない。暖房を入れようと提案するが「ここへ来てから一度だって風邪をひいたことが無いじゃないか

国立でモツ焼き屋「兆治」を営む藤野英治。輝くような青春を送り、挫折と再生を経て現在に至っている。かつての恋人、さよの転落を耳にするが、妻との生活の中で何もできない自分と、振り払えない想いに挟まれていく

この作品を聴いて激怒、立腹、不愉快に思わない関西人、とりわけ大阪の人、とりわけ阪急宝塚線にお住いの人はいないのではないか。逆に、アンチ関西、アンチ大阪の人にとって見れば、これほど愉快

「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。……小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。……」この親をして、この子あり。この子をして、この物語あり。全編で約5時間半の大作です。 (C)アイ文庫 「ことのは出版オーディオブック作品一覧はhttp://www.kotonoha.co.jpにて」

「人生を変えた時代小説傑作選」（文春文庫）で作家の山本一力さんがこの作品を挙げています。人間の持つ弱さと醜さ、強さと美しさ。この二つが国定忠治を前にして微妙に揺れ動く様は、今を生きる私たちに