エピソード

  • 国枝史郎 「畳まれた街」
    2025/04/22

     ピストルの音とともに探偵があらわれた街は、建物も人も様子がおかしい。まわりは犯罪人ばかりに見える。 日本の怪奇幻想小説の先駆者で、個性的な作品を残した国枝史郎のトリック小説。

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    14 分
  • 堀辰雄 「あいびき」
    2025/04/18

     「風立ちぬ」の堀辰雄の短編です。街で見かけた少年と少女の様子から、もどかしく愛を伝え合おうとする気持ちの動きが伝わってきます。堀辰雄ならではの情景描写の素晴らしさを感じる作品です。

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    11 分
  • 楠山正雄 「文福茶がま」
    2025/04/10

     表題が多くの人に知られている「文福茶釜」は「分福茶釜」と書かれることもあります。日本全国にタヌキやキツネが茶釜に化ける話が伝わっていますが、もっとも有名なのは群馬県館林市の茂林寺を舞台にしたこの話ではないでしょうか。茶釜に化けて人に捕まってしまったタヌキが、芸を披露し一躍人気者となります。

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    15 分
  • 正宗白鳥 「母と子」
    2025/04/03

     故郷の母親から手紙が届きました。素朴な内容ながら息子を気遣う気持ちが伝わり、妻は母の人柄に親しみを感じますが、息子は母が過ごしてきた人生を思い起こします。子供にとって親の本心というものは、分かるようで分かりかねるものではないでしょうか。息子は、思い起こせば母は幸せではなかったという思いにかられます。

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    37 分
  • 芥川龍之介 「運」
    2025/03/25

     観音様へに参詣する人々が行き来する様子を物憂げに見ていた若侍が、職人の老人から話を聞かされます。貧しい娘が観音様に願掛けに行ったところ、おかしな予言を聞かされ、思わぬ出来事に巻き込まれていった話です。若侍は人の運不運について考えさせられることになります。

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    28 分
  • 豊島与志雄  「狐火」
    2025/03/20

     体が大きく見た目にも剛毅に見える馬方の三吉は、馬車で事故を起こしてしまいます。本人は悔やみきれない思いや屈託を抱えている一方で、周囲はその事故から三吉を底知れぬ乱暴者と畏怖し、怯えて接するようになります。周りに下手に出られては酔って大きな気分になり、事故を思い出しては悔やむ日々を過ごすうちに三吉はおかしくなっていきます。

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    22 分
  • 薄田泣菫 「桜の花」
    2025/03/13

     桜になに想う。薄田泣菫は明治詩壇で一時代を創り、「望郷の歌」「公孫樹下に立ちて」「ああ大和にしあらましかば」といった作品は、当時の人々に愛唱されました。韻律を心地よく操る詩人であったうえに、博識で和漢洋に広く通じ、話術も巧みだったという泣菫の随筆です。

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    7 分
  • 山本周五郎 「武道無門」
    2025/03/08

     世の中には、どうにも自分に向かないことがあるものです。それでもやらねばいけない時がないとはいえません。武士の時代、侍の誰もが武芸を得意としたとは限りません。それでも支障のないお役目につければやり過ごすことはできますが、いざ武の力を問われることになったとき、どうすればよいのでしょうか? そんな侍の話です。

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    49 分