エピソード

  • 岡本綺堂 「月の夜がたり」
    2026/02/11

     日本人は古の時代より月を愛でてきました。季節ごとに輝きながら満ちては欠ける姿を、人々がこぞって味わう月見の宴がある一方で、夜空に朧と浮かぶ幽玄な姿に神秘を感じ、幾つもの不思議な逸話を生み出しています。古き日本を聞き語る名手の岡本綺堂が、そんな月の夜の逸話を書き留めました。

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    35 分
  • 小泉八雲 「常識」
    2026/02/05

     世間の常識―それは世俗的な現実を生きる者にとっては当たり前に身につけねばならぬものであり、世事の些末な事柄から離れ理想や高みを目指す者には目に入らぬこともあります。後者こそ崇高な人物として貴ばれがちです。しかし、想像を超えた出来事に直面した際に、事実を見極め正しい判断をできるのは…。

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    11 分
  • 太宰治 「眉山」
    2026/01/30

     仲間たちとたむろする贔屓の店に、言うこと為すことが気に障るどこかあか抜けない若い娘が働いていました。客達はその娘をなにかと揶揄し、悪口に花を咲かすのでした。ある意味では名物娘でしたが、ある日突然店から消えてしまいました。そして客達は、娘の行動には理由があったことをはじめて知るのです。。

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    25 分
  • 土田耕平 「大寒小寒」
    2026/01/22

     ”♪おおさむこさむ”は、日本各地で伝承されてきたわらべ唄です。続きは”山から小僧が飛んでくる”や”泣いてくる””やってくる”など、地方によって少しづつ違います。登場する小僧は、北風や木枯しの擬人化とも言われますが、作家の土田耕平の祖母は少し違った解釈をしていました。

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    5 分
  • 夏目漱石 「元日」
    2026/01/16

     日本の暮らしには、季節の移り変わりを示す二十四節気をはじめとしていくつもの節目があります。人はそれを何かの区切りとし、年度や月が改まる節目を心機一転の機会として、ともすればややも大げさに捉えたりします。見方をかえれば昨日の続きにすぎないのですが…1月1日の元日はその最たるもの。夏目漱石にとって、その節目はさほど心地よいものではなかったようです。

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    7 分
  • 伊藤佐千夫 「大雨の前日」
    2026/01/08

     小説「野菊の墓」で知られる伊藤佐千夫は、墨東低地帯で搾乳業を営む傍ら創作に取り組みました。小説や短歌に加えて墨田区を舞台とした写生文も残しています。その間に子供4人を幼くして亡くし、度々、水害に遭うなどの不幸に見舞われます。これはその水害を前にして、訪れる災いの予感を感じる様子を写し取った作品です。

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    12 分
  • 直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
    2026/01/04

     忠臣蔵四十七士で唯一生き残った寺坂吉右衛門。後世様々な研究解釈がなされていますが、直木三十五はこのように見立てています。主君の無念を果たす討ち入りは、武士の本懐ともいえる名誉ある行いです。選ばれて参加するには、それ相応の身分でなければいけません。ところが寺坂はその身分にありませんでした。

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    35 分
  • 坂口安吾 「人生案内」
    2025/12/29

     承認欲求を満たすためにSNSに投稿する人が少なくないと言われます。時代をさかのぼると、新聞の「人生案内」や「身の上相談」の欄が同じような役割をしていたようです。坂口安吾が自分の書いたものが新聞に掲載され、多くの人に読まれる気持ち良さに憑りつかれた男について書いた短編です。


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    37 分