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アナログ人間のAIアップデート論

アナログ人間のAIアップデート論

著者: 内藤賢志郎|元テレビ局ディレクター|福岡からAI活用×映像制作
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テレビ局の現場最前線で12年働いたアナログ人間が、AIで自分と仕事を更新し続ける記録。AI活用×映像制作×独立のリアル、プロ野球についてなど。なるだけ本音を福岡から。

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経済学
エピソード
  • #32 「色味を映画っぽくして」と頼んだだけ。プロと遜色ないグレーディングが、できた
    2026/09/02
    Claude CodeとDaVinci Resolveを、MCPで繋いで動かしてみた。テレビ局に12年いたけど、編集ソフトはずっとEDIUSだった。でもPremiere、ましてやDaVinci Resolveは、ズブのド素人。DaVinci Resolveにいたっては、聞いたこともなかったレベル。局によって、使う編集ソフトが違う。文化が違う、ということでもある。色味と音楽は、人に任せる工程だった色味と、音楽。テレビでは人に任せていた2つの工程を、自分一人でできないか、と思って試した。そして、できた。それはディレクターの能力が、構成と、クリップの並びと、ナレーション。そこを突き詰めることだけになることを意味する。たとえばグレーディング。映像を見ていて、「本格的だな」と思う要素の一つに、色味がある。もちろん、実写の話をしている。生成したアニメやグラフィックは、専門外。人物がいて、景色があって。カメラで撮った映像にグレーディングをかけると、一気に本格的になる。彩度とか輝度とか言うけど、明るくしたり、暗くしたり。映画みたい、みたいな。これは基本的に、編集マンさんの担当。そしてつなぎ終わった後には、音楽がつく。BGMと、SE。MAさんに頼んで、つけてもらって、最終的に完パケとして戻ってくる。その工程を踏まないと、テレビはできなかった。そこを分業することこそが、日々番組を放送できる、肝だった。色味も本格的になって、音楽もついた状態で、やっと放送する基準に達する。複数の眼を通すことで、リスクもチェックできる。だからディレクターは実は、自分の作品の色と音を、最後まで自分の手で触ることは、ほぼなかった。「色味を映画っぽくして」と頼んだだけグレーディングに関しては、DaVinci Resolveが頭一つ抜けているらしい。先日、プロのエディターさんと話す機会があった。カットを並べたり、字幕を付けたりは、Premiereでやりましょう。ただ、色味のグレーディングは、DaVinci Resolveを使った方がいいでしょう。それが結論だった。プロがそう言うぐらいの機能を、Claude Code経由でどう動かしたか。僕はチャットで指示しただけ。「色味を映画っぽくして」と頼んだだけ。MP4で書き出した動画データを渡して、グレーディングしてくれ、と。できた。しかも6段階で、テストを並べてきた。6個作ってきて、どの色がいいですか、みたいな。中身も、プロのエディターがやったグレーディングと遜色ない。放送で使えるレベルだな、と思った。映像業界も大きく変わることを確信した。音楽がないと、チープに見えるオフラインで、音楽がない状態のプレビューを見せる。全然面白くないんじゃないか。いけてないんじゃないか。ディレクターは、めちゃくちゃそう思う。誰かにプレビューしてもらっても、未MAのものを見て唸る人はいない。みんなどこか、不満げだ。これは半分実力かもしれないけれど、もう半分は絶対BGMだ。音がないから出来上がりをイメージしづらく、評価が下しにくいのだ。だから曖昧な、反応となる。音楽ってやっぱり偉大で、映像に加わるだけで一気に本格的なVTRとして見れるようになる。その音の部分を、ディレクターがバッキバキに自分でやる。BGMをつけて、素材音とレベル調整して、どこは喋りを聞かせて、どこはBGMを上げて、フェードなのか、どうか。そういうのをやっている人は、僕は見たことがない。普通音楽はMAさん。任せる。そういう状態だった。でもそれも、できた。この喋り終わりでつけて。この喋り終わりで、徐々に聞かせて。何秒から何秒まではナレーション。細かく言っていくと、対応してくれた。どこから聞かせるかも、フレーム単位。結構、自由自在。半端ない。どうやってやったんだよ、これ。何それ。俺もよくわかってないAPIを使ったんじゃない。全部ローカルの、ffmpeg。何それ。俺もよくわかってない。無料の音声動画処理エンジンがローカルにあって、それをClaude Codeが使っている。BGMは無料のフリー音源を見つけてきて、当てはめてくれる。確認だけど、僕は商業利用していない。権利がフリーな音源を当ててみて、使えるかどうかを今、判断している段階。手応えは、十分だ。グレーディングとMAは、...
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    18 分
  • #31 手応えがないまま進むのが「独立」。5ヶ月やって分かったリアルなところ
    2026/09/01
    先日、熊本に1泊2日で行ってきた。スマホも、SNSも、AIも、なるべく触らない2日間。山の近くを歩いて、空気を吸って、帰ってきた。意識して離れないと、視野がデジタルの側に寄っていく。独立して、5ヶ月が経った。4月に地方局を辞めて会社員じゃなくなって、最初は手続きに追われた。税金まわり、役所まわり、子供の幼稚園の送り迎え。4月はそれでいっぱいいっぱいで、恥ずかしながら仕事どころじゃなかった。5月は、発信を本格化し始めた。自分が何を考えているのか、何を大事にしてきたのか、少しずつ固めていった。誰かに知ってもらいたい気持ちももちろんあったけれど、自分の恥ずかしい部分や隠したい部分に目を向ける機会を、敢えて作った。あんま何も考えず、会社から解き放たれた余韻で焦りもなく、健やかに過ごしてたかな。6月は、Claude Codeの検証に没頭した。仕事というより、趣味として始めた。映像制作でどこまでできるのか、自分がやっていた仕事はどこまで代替されるのか?確かめることに時間を注ぎ込んだ。そこから8月までは、AI活用と、アナログな映像編集。これまで自分がやってきたやり方を、そのまま仕事にぶつけてきた。やっぱりアナログな作り方が好きだし、自分はそうやって育った人間だ。それでも、手応えがあるわけでもない。はっきり言えば、希望みたいなものも、別にない。ふとした時に、将来が恐ろしくなることは、もちろんあるし、弱い自分が顔を出して、脳内をぐるぐる旋回して。そういった声が邪魔だから、その日その日を無駄にしないことだけに、ただ必死だった。朝と夜は、育児がある。全力で働ける時間は、限られている。だから毎日、何を捨てて何をやるかを決める。全部は終わらない。終わらない前提で、順番を決める。自分で決めたことを最後までやりきれたか?それだけが精神が安定する、唯一の基準だった。圧倒的に、人と話す機会は減った。会社に行くのが嫌だとか、行っても面白くないとか、そういう人も多いと思う。でも同じ時間に同じ場所へ行けば、話し相手がいて、冗談を言い合えて、助け合える。それはありがたいこと。なくなって初めて分かる。これは中にいると、意外と気づかない。いま誰かに会いに行くとなると、変に構えてしまう。仕事をもらいに来たと思われるんじゃないか、とか。怪しい仕事持ちかけてきそうと思われてんじゃないか、とか。こいつ本当に大丈夫なんか?と思われてるだろうな、とか。そんなこと分かった上で辞めたはずなのに、5ヶ月、ぼっちでやってみて、自分の弱い部分も一定見えた。でも、それを理解し始めてから、人はタフになる。いちいち挫ける余裕すら、無くなった。会社を辞めたい人に、ひとつだけ言えることがある。稼ぎ方より先に、決めるものがある。どの価値観を大事にして、これからの人生を生きていくか。それを決めてから、辞める辞めないを判断した方がいい。当たり前だけど、やっぱ痛感。どの道、しんどい時期は必ず来る。そのとき、自分でこの道を選んだという事実だけが、支えになる。余計な言い訳も、余計な後悔も、消える。それからお金の話。半年から1年の金銭的猶予は、あった方がいい。ゆっくり考える期間があるだけで、全然違う。毎日「どうやって稼ごう」と考えるところから始めると、窮屈で、しんどくなる。選択肢が、減っていく。思考が、ずっと手前になる。明日怒られないかとか、今誰かに迷惑かけてないかとか、手前のことで、一生が終わる。9月、10月、11月は、自分にとって勝負の月。この5ヶ月で一番大きい仕事が、いよいよ本格化します。会社を辞めて、一番力を注いできた仕事。一番、試されている仕事です。だからこれからしばらく、発信の内容は偏っていきます。独立後の思考のリアル、本音の部分、仕事のやり方、映像制作やクリエイターとしてのノウハウ、どれかに興味を持ってくれてる方は、ぜひ読んで欲しいです。12年テレビ局でやってきたものが、通用するのか、しないのか。ある意味やりがいなんだろうけれど、怖いっちゃ怖い。うまくいくかは、わからない。失敗...
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    17 分
  • #30 「外資系の方が歯車だと思う」。元Google友人の告白
    2026/08/27
    「ご両親はどう思ってるの?」就活の最終面接で、そう聞かれ続けたという。2014年にGoogle株式会社へ入社。アジア太平洋エリアのShoppingプロダクトにおけるビジネス推進責任者として成長戦略を牽引した、青野紳三郎さんの父親は、世間的に知られた人だった。上に行けば行くほど、自分じゃないことを聞かれる。このままだと、自分として扱ってもらえない。「内定は全部お断りして」商社も含めて、全部断った。個人が尊重されるだろうと思って、外資に行った。Googleだ。「その考えは全く間違っていた」青野さんは、そう言った。外資は個人をものすごく尊重する。仕事の方は、型にはめる。誰でもできるようにしてね。それをいかに効率よくやるか。「より歯車で言うと、外資系の方が歯車だと思う」「KPIで測れるようなことしか降りてこない」自由で、クリエイティブで、想像力豊かで、最先端。僕は、そう思っていた。違うのか。1日100件のテレアポ1年目は、検索広告の営業だった。1日100件ぐらいテレアポをかけて、日本の中小企業に広告を売る。保険屋さん。ホームページ制作会社。生命保険なら1クリックいくら、、、みたいな話。「当然、Googleはボロ儲けなんだけどさ」もう一つ、Googleショッピングの仕事は楽しかったそうだ。ナイキのランニングシューズと検索すると、上に画像が出てくる、あれだ。在庫を増やす。クリックする人を増やす。価格コムでも楽天でもなく、Googleを使ってもらうにはどうするか。上司はアメリカ人。チームはシンガポール、中国、韓国。当時から、仕事はリモートだった。営業を1.2倍にするよりも、、、あるとき、プロダクトを日本仕様に変えた。ユーザーがクリックしやすくなるように、仕様をいじった。売上が、跳ねた。「どんだけ営業頑張っても、1.2倍とか1.3倍」「仕組みの方が大切じゃん」だったら、仕組みに権限が持てる側がいい。大きい会社の中ではなく、レールを敷く方に回りたい。それで、Googleを辞めた。日本の優秀な若者が、金融、商社、広告代理店、コンサル。仲介する側にばかり行っている。職種への嫌悪感はない、と前置きしたうえで、「行き過ぎじゃね?って思ってる」給料はいいし、仕事ができる人のイメージもある。僕だってそう思う。それでも、と青野さんは言う。短期の利益率ではなく、長期で資産になるものを作る。その流れが、ソフトウェアでは日本にまるでない。だから、作る側に回る。僕が青野さんに惚れたのは、まさにここだった。5割は遺伝子、5割は環境聞いてみた。優秀でも、辞めない人はいる。辞められない人もいる。そりゃそうだ、ブランドが違う。給料が違う。青野さんはなぜ、辞められたのか?リスクを取れる理由を研究したことがある、という答えが返ってきた。「5割は遺伝子、5割は環境なんだって」青野さんは、遺伝子の側だ。家系に、固定給で働いている人がいない。母方も、父方も、中小企業のオーナー。辞めてどんなビジネスやるの?と聞かれる家だった。もう一つが、環境。Googleの同期の男たちは、3年の時点で、半分ぐらいが辞めていた。「辞めるのがかっこいい」間違ってるんだけどね、と付け足しつつ、そういう空気に一定は乗っかった。で、僕はどうなのか僕自身の話をする。5割の遺伝子にも、5割の環境にも、心当たりがない。父親は公務員だし、母親は主婦だ。テレビ局を辞める人も、最近は増えたけど、同世代にはいなかった。それでも、辞めた。周りと同じことをするのが小さい頃から嫌いな性格は、僕にもある、と言われた。たしかに、それはあった。「何にも変わってねえんじゃねえか」青野さんは十何年、ITの世界にいた。好きでやってきた。それでも、本当に必要なものを作れたのか。SaaSの売り文句は、コストが30%削れます。その30%のために、みんなが労力を使う。「端的に言うと、別に何にも変わってねえんじゃねえか」自分がやっていることも含めて、そう思った、と。研究でも、PCとインターネットが出たときは生産性がぐっと伸びて、そこから何十年は変わっていない。「胸張ってIT業界ですって、あんまり言えない自分がいるよね」...
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    36 分
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