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高橋御山人の百社巡礼/其之十六 島根・奥出雲 八岐大蛇と製鉄神 トーテムの物語

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高橋御山人の百社巡礼/其之十六 島根・奥出雲 八岐大蛇と製鉄神 トーテムの物語

著者: 高橋 御山人
ナレーター: 高橋 御山人
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島根県南東部、中国山地沿いの奥出雲地方は、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)神話の舞台。 鳥取県境の船通山は、高天原を追放されたスサノオノミコトが降臨した山とされる。 山中の鳥上滝は、出雲一の大河・斐伊川の源流で、八岐大蛇の棲み処だったと伝わる。 八岐大蛇の神話には様々な解釈があるが、その一つが「治水神話」である。 暴れ川である斐伊川を見事に治めたのが、スサノオノミコトだというのだ。 蛇や龍は、世界中の神話で水を司るものとされている。 「製鉄神話」や「征服神話」とする説もある。八岐大蛇の尻尾から、三種の神器の一つ、 天叢雲剣が出るが、これは当地の土着民を降し、鉄資源と生産を得た物語なのだという。 中央で編纂された記紀神話にある八岐大蛇退治も、出雲で編纂された風土記にはない。 これは、征服者に魔物とされた存在も、被征服者にとっては祖神であるからともいう。 さて、奥出雲地方は、古より製鉄の盛んな土地で、今もたたら製鉄を行う場所がある。 「金屋子神(かなやごかみ)」を祀る神社の総本宮、金屋子神社もあり、 全国の鉄山師の信仰を集めた。今も境内に数多くの鉄滓が置かれている。 金屋子神は、死の穢れを好むなど、通常の神道の常識とは大きく異なる信仰を持つ。 片目・片足の神や魔物などは、過酷な製鉄に従事し障害を負った民が、 その隔絶した文化の違いもあって、平地の民から異類視されたことを物語るものという。 また、金屋子神は、白鷺に乗って飛来したという伝承もあれば、 武装した女神が、白狐に跨った姿として描かれることも多い。 古の人々は、猟犬、鷹狩り等を挙げるまでもなく、動物が身近な生活を送っていた。 動物から多くの叡智を学びもした。特殊な生業を持つ民は尚更である。 そこに畏敬の念が生じないはずはない。かくして動物を祖神とする信仰が生まれる。 神々の使いとされ、あるいは神々の象徴とされる、蛇や鳥や狐など、様々な動物達。 それは世界の古代社会に広く存在した、動物を祖神とする「トーテム」ではないか。 トーテムを持つ民族が戦えば、動物同士が戦ったり、人が動物を討つ神話となる。 神話と製鉄の地・奥出雲に、現代とは隔絶した精神文化「トーテミズム」を探る。 語り:高橋御山人 聞き役:盛池雄峰2014 リブラ・エージェンシー 旅行記・解説

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