エピソード

  • 安田洋祐の戦略思考入門 第1話. ゲーム理論による基本的な意思決定|安田洋祐
    2024/05/03

    経済学は国家や社会を対象にした学問と思われがちだが、近年はその応用範囲がミクロな状況へ加速的に広がっている。ゲーム理論による分析はその代表であり、企業の取引のみならず、人と人の関係や、国家の外交にまでその理論が応用できる。人気経済学者の安田洋祐先生は、ゲーム理論を使うことで、仕事をする上での戦略的な思考が身につくという。それは、難しい局面での意思決定や相手から有利な条件を引き出す交渉力、そして他者と協力するための提案方法にまで及ぶ。この番組では、その安田先生に思考の武器としてのゲーム理論の使い方を語っていただく。聞き手は、出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン創業者の干場弓子氏。

    第1話. ゲーム理論による基本的な意思決定――ラーメン屋さんの出店を考える――

    著者プロフィール
    1980年東京都生まれ。2002年東京大学卒業。最優秀卒業論文に与えられる大内兵衛賞を受賞し経済学部卒業生総代となる。07年に米国プリンストン大学Ph.D.取得。政策研究大学院大学助教授、大阪大学准教授を経て、22年7月より現職。20年6月に株式会社エコノミクスデザインを共同で創業した他、政府の委員やテレビのコメンテーターとしても活動。主な著書は『そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決」しています。』(共著)など。

    続きを読む 一部表示
    1 時間 7 分
  • 福沢諭吉はなぜすごいのか|河野有理
    2024/04/26

    福沢諭吉って、何をした人?という人は多いのではないだろうか。1万円札に印刷され、慶應大学の創始者ということだけは知られているけれど、彼の思想を詳しく知っている人はもしかして少ないかも知れない。福沢諭吉は「人間の精神的独立」、ひいては「アジアの独立」という大きな思想を持った人であり、更に、そのために実際に動いた人でもある。本タイトルでは、日本でもその思想を根付かせるべく、教育体制を作り、さまざまな人物を送り出し、政治を見張ってきた福沢諭吉の思想の豊かさを解説いただく。6話分の小タイトルはこちら。

    1.一万円札の人?近代日本最大の「出羽守」?
    2.福沢はグローバリストか(1)?『学問のすすめ』のメッセージ
    3.福沢はグローバリストか(2)? 独立と競争と「自業自得」社会
    4.「自業自得」社会は寂しすぎないか? 共同性の問題
    5.福沢はナショナリストなのか?「やせ我慢」としての愛国心
    6.福沢をもっと知るための簡単なブックガイド

    著者プロフィール
    1979年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。日本政治思想史専攻。現在、法政大学法学部教授。主な著書に『明六雑誌の政治思想』(東京大学出版会、2011年)、『田口卯吉の夢』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『近代日本政治思想史』(編、ナカニシヤ出版、2014年)がある。

    続きを読む 一部表示
    55 分
  • 脳はなぜ美を感じるのか|石津智大
    2024/04/19
    私たちは、人の顔だったり絵画や調度品といった目に見えるものに対してだけではなく、困っている人を助ける行いや、自分の身を犠牲にして誰かを救おうとしている行為に対しても美しいという感情を抱く。 そもそも美しいとは何か?「美学」を脳科学の視点で分析し解釈することが可能になった今、人はなぜ美しいと感じるのか?どんなものに対して美しいと思うのか?また、美しいとは脳にとってどういうことなのか?を科学的に探求していく。6話分の小タイトルはこちら。

    1.神経美学とは
    2.美は快なのか
    3.視えない美
    4.なぜ悲哀に美を感じるのか?
    5.芸術の創造性とは
    6.生物的欲求と人間的品性

    著者プロフィール
    2009年、慶應義塾大学大学院 社会学研究科 心理学専攻修了。博士(心理学)。ウィーン大学研究員、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ上席研究員などを経て、2022年より現職。専門は神経美学,芸術認知科学。脳科学の手法をもちいて感性と芸術について研究している。著書に「神経美学 −美と芸術の脳科学−」(2019年、共立出版)など。
    続きを読む 一部表示
    59 分
  • 私たちはなぜ謝罪するのか|古田徹也
    2024/04/12
    たとえばテレビなどで報道される「謝罪」の記者会見において、その謝罪とはいったい誰に対して行っているものなのか。あるいは「ご不快な思いをさせてしまった方々にお詫び申し上げます」という言葉がよく使われるが、不快に思う人がいたら私たちは常に謝罪しなくてはいけないのだろうか。 本タイトルでは、そんな言語化が難しい「謝罪」について、近著『謝罪論』で学際的かつ多面的なアプローチを試みた古田徹也さんに、なぜ人は謝罪するのか、許される謝罪と許されない謝罪の違いは何かなど、「謝罪」をめぐる様々な問いを考えていただく。6話分の小タイトルはこちら。

    1.「すみません」と言えば済むのか
    2.「すみません」の多様性
    3.謝罪に必要な要素とは何か
    4.謝罪とは誰が誰に対して行うことなのか
    5.謝罪することによって何が達成されうるのか
    6.いま謝罪についてよく考える意義とは

    著者プロフィール
    1979年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。新潟大学教育学部准教授、専修大学文学部准教授を経て現職。「言語」「心」「行為」の各概念を手掛かりに哲学・倫理学を研究する。 著書に、『このゲームにはゴールがない』(筑摩書房)、『いつもの言葉を哲学する』(朝日新書)、『はじめてのウィトゲンシュタイン』(NHKブックス)、『言葉の魂の哲学』(講談社)など。近著は『謝罪論』(柏書房)。
    続きを読む 一部表示
    59 分
  • 日本の四大古典とは何か|前田雅之
    2024/04/05
    過去と現在、そして未来までをつなぐものとして長く読まれ続ける古典。古典というと、宗教・倫理・哲学・史学といった人間が正しく生きる道、過去を正しく振り返る道を示す書物をイメージする方が多いだろうが、前田雅之先生は日本の四大古典として、文芸作品である『古今和歌集』『源氏物語』『伊勢物語』『和漢朗詠集』を挙げている。 本タイトルでは、そんな前田先生になぜこの四書が日本の古典なのか、また古典を読む意義とは何かを明らかにしていただく。6話分の小タイトルはこちら。

    1.日本における「古典」とは何か
    2.日本の四大古典①古今和歌集について
    3.日本の四大古典②伊勢物語について
    4.日本の四大古典③源氏物語について
    5.日本の四大古典④和漢朗詠集について
    6.いま日本の「古典」を読む意義とは何か

    著者プロフィール
    1954年生まれ。明星大学教授。専門は中世古典学。早稲田大学教育学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。主な著書に、『古典的思考』(笠間書院)、『書物と権力』(吉川弘文館)、『なぜ古典を勉強するのか』(文学通信)、『記憶の帝国』(右文書院)、『アイロニカルな共感』(ひつじ書房)、『古典と日本人』(光文社新書)ほか、多数。
    続きを読む 一部表示
    1 時間 11 分
  • なぜ「源氏物語」で描かれる死は女たちばかりなのか?|林望
    2024/03/29
    古今の日本文学史上最高の作品であり、最長の物語と言われる『源氏物語』の読みどころ、楽しみかたを6回にわたり国文学者の林望先生に語っていただくタイトル。源氏物語の描かれた時代、文学的影響にも触れながら、教養としての「源氏物語」を解説していただく。6話分の小タイトルはこちら。

    1.源氏物語はベストセラーだったのだろうか?
    2.源氏物語を親子の物語として読むと......
    3.源氏物語は女の死にフォーカスしている
    4.光源氏は、善人か悪人か?
    5.夕顔、末摘花、玉鬘の関係は?
    6.源氏物語なぜ古今独歩の名作なのか?

    著者プロフィール
    1949年東京生。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。専門は日本書誌学・国文学。1984年から87年にかけて、日本古典籍の書誌学的調査研究のためイギリスに滞在、その時の経験を綴ったエッセイ『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、作家デビュー。『イギリスは愉快だ』(平凡社・文春文庫)、『ホルムヘッドの謎』(文芸春秋)と並ぶイギリス三部作はいずれもベストセラーとなって、イギリスブームの火付け役となった。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で92年国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年講談社エッセイ賞を受賞。『謹訳 源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞(2019年『(改訂新修)謹訳 源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻)。『夕顔の恋』(朝日出版)『源氏物語の楽しみかた』(祥伝社)等、『源氏物語』に関する著作、講演も多数。『謹訳 平家物語』全四巻、『謹訳 徒然草』(ともに祥伝社)、『謹訳 世阿弥能楽集』(上下、檜書店)『枕草子の楽しみかた』(祥伝社)等の古典現代語訳「謹訳」シリーズ他、エッセイ、小説のほか、歌曲の詩作、能評論等も多数手がける。公式ホームページ http://www.rymbow.com/
    続きを読む 一部表示
    55 分
  • 格差という虚構|小坂井敏晶
    2024/03/22
    格差について論じられる機会が増えている。国民の貧富差が広がっていると、データが示す。なぜ格差は解消できないのかと問う。しかし、格差の問題の本質とは何なのだろう。民族、責任…近代の袋小路と呼ぶべき問題に挑み続ける、社会心理学者の小坂井敏晶さんが、その正体を解き明かす。「格差」の問題の何が問題なのかを考えながら、我々の常識をゆさぶる6回。6話分の小タイトルはこちら。

    1.能力は遺伝によるのか、環境によるのか
    2.学歴と社会階層の関係
    3.遺伝・環境論争の勘違い
    4.格差はなぜ生じるのか
    5.平等は可能だろうか
    6.そもそも正しさをどう決めるのか

    著者プロフィール
    1956年愛知県生まれ。アルジェリアでの日仏技術通訳を経て、1981年フランスに移住。早稲田大学中退。パリ社会科学高等研究院修了、パリ第八大学心理学部准教授。2022年退官。著書に『増補 民族という虚構』(ちくま学芸文庫)、『増補 責任という虚構』(ちくま学芸文庫)、『社会心理学講義〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉』(筑摩選書)、『答えのない世界を生きる』(祥伝社)、『格差という虚構』(ちくま新書)、『矛盾と創造 自らの問いを解くための方法論』など。
    続きを読む 一部表示
    58 分
  • 認知症の現在と未来|下畑享良
    2024/03/15
    2025年には65歳以上の5人に1人が認知症と言われている現代、認知症に関する関心は大きく高まっている。長年特効薬がないと言われていたが、2023年12月より、日本とアメリカの製薬会社が共同開発したアルツハイマーの新薬レカネマブが使用できるようになった。しかしその効果は実際のところ強力ではないことも論文で指摘されている。 本タイトルでは、たくさんの論文を背景に、正確な発信をしておられる脳神経内科医の下畑先生に、認知症の現在についてわかりやすく解説して頂く。6話分の小タイトルはこちら。

    1.認知症とはなにか
    2.アルツハイマー型認知症とはなにか
    3.新薬レカネマブについて
    4.認知症に対してできる予防
    5.認知症の新たな危険因子
    6.認知症とつきあうには

    著者プロフィール
    岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野教授。新潟大学医学部卒業。研修医2年目に、50代女性のALSの患者さんを担当し、悲嘆にくれる患者を支えることができなかったことから、強烈な無力感に襲われる。その後、「治らない患者に普通の意味の医学はだめであっても、医療の手が及ばないことはない」という言葉を知り、脳神経内科医の道を真剣に進むことにした。臨床と基礎研究と両方を行う。神経疾患の病態の解明と治療法の開発、高齢期最大の問題である認知症と寝たきりに至る神経変性疾患の予防と治療、豊かな人間性と臨床能力を備えた脳神経内科医を育てることに日々取り組んでいる。
    続きを読む 一部表示
    1 時間 3 分