『渡部龍朗の宮沢賢治朗読集』のカバーアート

渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

著者: 渡部製作所
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Audibleで数々の文学作品を朗読してきたナレーター 渡部龍朗(わたなべたつお) が、宮沢賢治作品の朗読全集の完成を目指し、一編ずつ心を込めてお届けするポッドキャスト。 ▼ 朗読音声とテキストがリアルタイムで同期する新体験オーディオブックアプリ「渡部龍朗の宮沢賢治朗読集」iOS版 / Android版 公開中 ▼ 【iOS】https://apps.apple.com/ja/app/id6746703721 【Android】https://play.google.com/store/apps/details?id=info.watasei.tatsuonomiyazawakenjiroudokushu 幻想的で美しい宮沢賢治の言葉を、耳で楽しむひとときを。 物語の息遣いを感じながら、声に乗せて広がる世界をお楽しみください。渡部製作所 アート 文学史・文学批評
エピソード
  • 貝の火
    2026/06/14

    📖『貝の火』朗読 – 光る野原と、火をやどすひとつの珠🌿🔥

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『貝の火』。

    草がきらきらと光り、樺の木が白い花をつける、よいにおいに満ちた野原。子兎のホモイは、うれしくてたまらず草の上を跳ねまわっています。そんなある日、ホモイは流れに落ちて押し流されてゆく小さな命を見つけ、こわさをこらえて水に飛び込み、岸へと助け上げます。

    それからしばらくして、助けられた小鳥の親子が、一つの贈り物を携えてホモイのもとを訪れます。「貝の火」と呼ばれる、まんまるの宝珠。中では赤い火がちらちらと燃え、目にあてて空へすかせば焔は消えて天の川がすきとおる、不思議な珠です。手入れしだいでこの珠はどこまでも立派になる——鳥の王からの言伝てとともに託されたそれを、ホモイは毎日息をふきかけ、みがいて大切にすると心に決めます。

    やがて、野原の生きものたちのホモイへの接し方が、少しずつ変わってゆきます。

    火を抱いた珠は、ホモイの日々とともに、その輝きをさまざまに変えていきます。野原には、朝を告げるつりがねそうの鐘の音が高く響き、鈴蘭は風に葉を鳴らし、草には露がきらめきます。その明るい風景の中を、ホモイはひばりや、りすや、馬や、むぐら、そして狐といった生きものたちと行き交います。

    「立派な人になった」と言われるようになったホモイ。そのまわりで、生きものたちの振る舞いも移ろってゆきます。ていねいに頭を下げる者、こわばってしまう者、調子よく近づいてくる者——さまざまな姿が、ホモイのかたわらに現れます。手のひらにおさまる小さな珠と、それを持つホモイのありようとが、物語の中でひそかに結ばれていきます。

    火と光、霧とその晴れ間、野原にわたる鐘の音。きらめく情景と、ちらちらと燃えるひとつの珠。詩的な言葉とやわらかな描写が、子兎の一日一日をつつんでいきます。

    宮沢賢治が描く、野原と生きものと、火をやどす珠の物語。ホモイと貝の火をめぐるこの不思議なものがたりを、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #狐 #動物が主人公 #いじめ #傲慢

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    1 時間 1 分
  • 黒ぶだう
    2026/06/07

    📖『黒ぶだう』朗読 – 赤狐に誘われて忍びこむ別荘と、陽の射す部屋の黒いぶどう🦊🍇

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『黒ぶだう』。

    退屈して頭をぶらぶら振っていた仔牛のもとへ、丘の上から赤狐が風のように駆けてきます。「散歩に出ようじゃないか」——柵を持ちあげてもらってその下をくぐり抜け、仔牛は林の方へと狐についていきます。やがて二人がたどり着いたのは、樺林の中にひっそりと建つ、ベチュラ公爵の別荘。煙突から煙も出ず、しいんと静まりかえって誰もいないようなその建物に、「ちょっとはいって見ようじゃないか」と、狐は身軽に足を踏み入れていきます。

    書物ばかりの部屋、きものばかりの部屋。真鍮のてすりのついたはしごをのぼった先に開けていたのは、日が一ぱいに射して、絨緞の花のもようが燃えるように見える部屋でした。てかてかした円卓の上のまっ白な皿には、立派な二房の黒ぶだうが、冷たそうな影法師まで添えて置かれています。「さあ、喰べよう」——狐の声が、静かな部屋に響きます。

    さっさと先を行く赤狐と、びくびくしながらあとを追う仔牛。「なあに僕は人の家の中なんぞ入りたくないんだ」と心の中でつぶやきながら、それでも足ががたがた鳴ってしまう仔牛。青ぞらを見上げてはタンと舌を鳴らす狐の身のこなしと、一歩ごとにためらいを抱える仔牛の足どりが、誰もいない別荘の中で並んでいきます。

    日の光、燃えるような絨緞の花もよう、まっ白な皿にのった黒いぶどうの房。みずみずしい色彩と、蜂蜜やそばの花の匂い。きらびやかで、それでいて静かな空気の中で、二人の別荘めぐりは進んでいきます。

    日の光、燃えるような絨緞の花もよう、まっ白な皿にのった黒いぶどうの房。みずみずしい色彩と、蜂蜜やそばの花の匂い。きらびやかで、それでいて静かな空気が、誰もいない別荘の中に満ちています。

    やんちゃで身軽な赤狐と、気は弱いけれど狐についていく仔牛。留守の別荘で交わされる二人のやりとりを、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #狐 #動物が主人公

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    10 分
  • 種山ヶ原
    2026/05/31

    📖『種山ヶ原』朗読 – 霧に沈む高原と、少年が迷い込んだ夏の終わりの一日🌫️🌾

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『種山ヶ原』。

    種山ヶ原は、北上山地のまん中にある高原。東と西からの風や湿気がぶつかり合い、雲や雨や霧がいつもすぐそこに控えています。夏休みもあと一日となったその日、達二は、上の野原で草を刈るおじいさんと兄のもとへ弁当を届け、牛を連れて草を食ませに行くことになりました。楊の枝で鞭を拵え、ダー、ダー、ダースコ、ダー、ダーと、夏に町で踊った剣舞の囃子を口ずさみながら、達二は原への路をのぼっていきます。

    ところが、原の入口で兄と落ち合ったのもつかのま、牛が不意に北の方へ駆け出します。達二は夢中で追いかけますが、せいの高い草を分けるうちに足はこわばり、深い草の中に倒れ込んでしまいます。気がつけば空は重く垂れこめ、冷たい霧が切れ切れに眼の前を通り過ぎていきます。牛の通った痕はかき消え、いくら呼んでも兄の返事は聞こえません。霧に閉ざされた高原で、達二はとうとう、どちらが帰り道かもわからなくなってしまいます。

    霧は刻々と濃さを変え、晴れたかと思えばまたあたりを閉ざします。黒板から降る白墨の粉のような霧の粒、いくつもの細い手を振るすすきの穂、馬の蹄の痕でできた頼りない黒い道。そんな霧をくぐって、剣舞の太鼓の響きや、ふと耳によみがえる誰かの言葉、霧の向こうに浮かぶ大きな影が、かわるがわる達二を訪れます。

    青黒い蛇紋岩や橄欖岩からできた種山ヶ原では、足もとを飲み込んでしまいそうな深い霧と、草の雫をきらめかせる陽の光とが、めまぐるしく入れかわります。光ったり陰ったりを繰り返すその懐で、達二はひとり、霧の中を歩いていきます。

    達二の迷い込んだ一日を通して立ち現れるこの幻想的な物語を、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #少年 #夢 #方言 #山男

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    37 分
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