『渡部龍朗の宮沢賢治朗読集』のカバーアート

渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

著者: 渡部製作所
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Audibleで数々の文学作品を朗読してきたナレーター 渡部龍朗(わたなべたつお) が、宮沢賢治作品の朗読全集の完成を目指し、一編ずつ心を込めてお届けするポッドキャスト。 ▼ 朗読音声とテキストがリアルタイムで同期する新体験オーディオブックアプリ「渡部龍朗の宮沢賢治朗読集」iOS版 / Android版 公開中 ▼ 【iOS】https://apps.apple.com/ja/app/id6746703721 【Android】https://play.google.com/store/apps/details?id=info.watasei.tatsuonomiyazawakenjiroudokushu 幻想的で美しい宮沢賢治の言葉を、耳で楽しむひとときを。 物語の息遣いを感じながら、声に乗せて広がる世界をお楽しみください。渡部製作所 アート 文学史・文学批評
エピソード
  • 洞熊学校を卒業した三人
    2026/07/12

    📖『洞熊学校を卒業した三人』朗読 – いちばん大きく、いちばんえらく🕷️🐌🦝

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『洞熊学校を卒業した三人』。

    赤い手の長い蜘蛛と、銀いろのなめくぢと、顔を洗ったことのない狸。この三人がいっしょに洞熊学校にはいり、洞熊先生のもとで学びます。そこで教わったのは、大きいものがいちばん立派だということ。三人はみんな一番になろうと競い合い、やがて学校を卒業して、それぞれ自分のうちへ帰っていきます。

    表向きは仲よさそうに見えても、腹のなかで思うのは「これから誰がいちばん大きくえらくなるか」ということばかり。かたくりの花が咲き、眼の碧い蜂たちがぶんぶんと飛び交う春の入口に、三人それぞれの暮らしが始まります。森の入口に網をかける蜘蛛、林中で評判の高いなめくぢ、お寺でありがたいお経をとなえる狸。習ったことを「じぶんでほんたうにやる」ために、三人はそれぞれのやり方で、自分より小さなものたちと向き合っていきます。

    訪ねてくるかげろうやかたつむり、兎とのやりとり。そのひとつひとつを重ねながら、「いまに見ろ」と大きくなることを目指す三人。ハッハハと笑う声、なまねこととなえる声——それぞれの声色のなかに、一番になろうとするものたちの姿が立ちのぼります。

    春から夏、秋、そして冬へ。物語の折々には、眼の碧い蜂の群れがあらわれ、かたくり、つめくさ、蕎麦の花から蜜を集め、六角形の巣を築いています。競い合う三人のかたわらで、季節は静かにめぐっていきます。移りゆく野原の情景とともに紡がれるこの幻想的な物語を、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #蛙 #動物が主人公

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    43 分
  • マリヴロンと少女
    2026/07/05

    📖『マリヴロンと少女』朗読 – 秋の城あとにかかる虹と、才ある人へ捧げるおもい🌈🎼

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『マリヴロンと少女』。

    秋も深まった城あとに、銀のすすきの穂が一面に風で波立っています。まん中の小さな山の上には、めくらぶどうのやぶが実をつけ、そのそばで、ひとりの少女が楽譜をもってためいきをつきながら草にすわっています。かすかな日照り雨が降っては霽れ、草はきらきらと光り、もずが銀のすすきの穂に一度にとまります。やがて東の山脈の上を風が通り、大きな虹が、明るい夢の橋のようにやさしく空へあらわれます。

    そこへ、今夜市庁のホールでうたうというマリヴロン女史が、ライラックいろのもすそをひいて、みんなをのがれてやって来ます。少女は化石のようにすわったまま、この天の才ある人へ、ただ一言でも自分のおもいを伝えたいと願います。やがて、透きとおる声もどこかへ行って、しわがれた声を風に半分とられながら、少女はマリヴロンに呼びかけます。

    どうか私の尊敬を受けとってほしい、あなたがもっと立派におなりになる為なら私は百ぺんでも死にます——そう訴える少女に、マリヴロンは静かにことばを返します。正しく清くはたらくひとは、時間のうしろにひとつの世界をつくるのだと。青いそらをとんでゆく一羽の鵠が、うしろにそのあとをもつように。

    秋の城あとの風景と、そこに立ちのぼる一すじの虹。楽譜をもった少女と、うたい手であるマリヴロンとが、みじかいひとときだけことばをかわします。銀のすすき、めくらぶどうの雫、東へ飛び立つもず、空にかかる虹。詩的な情景のなかで、ふたりの声が静かに響きあいます。

    秋の光と虹に満ちた城あとのひととき。少女とマリヴロンのみじかい対話を通して立ち現れるこの幻想的な物語を、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #鼠 #芸術 #衝動

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    11 分
  • めくらぶどうと虹
    2026/06/28

    📖『めくらぶどうと虹』朗読 – 銀のすすきがゆれる秋の丘と、空にかかる一すじの虹🌾🌈

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『めくらぶどうと虹』。

    城あとの草はらに、秋が深まっています。赤つめ草の花は枯れ、畑の粟は刈られ、崖には銀のすすきの穂が、いちめんに風に波立っています。その草はらのまん中の小さな丘の上、やぶには、めくらぶどうの実が虹のように熟れていました。

    かすかな日照り雨が降ってはまた霽れ、東の灰色の山脈の上をつめたい風がふっと通ると、大きな虹が、明るい夢の橋のようにやさしく空にあらわれます。その姿を見上げて、丘の上の小さなめくらぶどうの木の青じろい樹液は、はげしく波うちました。今日こそ、ただ一言でもあの虹とことばをかわしたい——しわがれた声を風に半分とられながら、めくらぶどうは空に呼びかけます。やさしい虹は、西のそらをながめていた大きな碧い瞳を、丘の小さな木へ向けました。こうして、めくらぶどうと虹のあいだに、ことばが交わされはじめます。

    銀色に光る秋の野原、虹のように熟れたぶどうの実、空にかかる一すじの虹。きらきらと光る草、音譜をばらまいたように飛びかうもず、刻々と色を変えていくそら。光と色に満ちた秋の野で、丘の上の小さな木が、はるかな空の虹を見上げています。

    ひたむきに虹をうやまい、自分のいのちなど惜しくないと言うめくらぶどうに、虹はしずかにこたえます。虹の口から語られることばには、「かぎりないいのち」「まことのひかり」、そして野の百合といった、仏教やキリスト教を思わせるひびきがあります。詩のようなことばと幻想的な情景が織りなす、静かで瞑想的な世界。

    宮沢賢治が描く、銀のすすきと虹に満ちた秋の風景。丘の上の小さな木を通して立ち現れるこの幻想的な物語を、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #鼠 #植物

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    12 分
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