『渡部龍朗の宮沢賢治朗読集』のカバーアート

渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

著者: 渡部製作所
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概要

Audibleで数々の文学作品を朗読してきたナレーター 渡部龍朗(わたなべたつお) が、宮沢賢治作品の朗読全集の完成を目指し、一編ずつ心を込めてお届けするポッドキャスト。 ▼ 朗読音声とテキストがリアルタイムで同期する新体験オーディオブックアプリ「渡部龍朗の宮沢賢治朗読集」iOS版 / Android版 公開中 ▼ 【iOS】https://apps.apple.com/ja/app/id6746703721 【Android】https://play.google.com/store/apps/details?id=info.watasei.tatsuonomiyazawakenjiroudokushu 幻想的で美しい宮沢賢治の言葉を、耳で楽しむひとときを。 物語の息遣いを感じながら、声に乗せて広がる世界をお楽しみください。渡部製作所 アート 文学史・文学批評
エピソード
  • 四又の百合
    2026/02/08


    📖『四又の百合』朗読 – すきとおる秋の風と、白い貝細工のような花🍂🌸

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『四又の百合』。

    「正遍知はあしたの朝の七時ごろヒームキャの河をおわたりになってこの町にいらっしゃるそうだ」——すきとおった風といっしょに、この言葉がハームキャの城の家々にしみわたります。永い間待ち望んでいた方がやって来る。町の人々はまるで子供のようにいそいそとして、通りを掃き清め、白い石英の砂を撒きます。王さまもまた、一晩眠れぬまま夜明けを迎え、ヒームキャの川岸へと向かいます。

    九月の朝、すきとおったするどい秋の粉が風に乗って吹きわたる中、王さまは正遍知に百合の花をささげようと思い立ちます。林の陰で、大蔵大臣が出会ったのは、まっ白な貝細工のような百合の花を手にした、はだしの子供でした。

    すきとおる風、白い砂、貝細工のような百合の花。物語の中で、透明なもの、白いもの、清らかなものたちが静かに連なっていきます。紺いろの蓮華のはなびらのような瞳、赤銅いろに光る指の爪——人々が思い描く正遍知の姿。ハームキャの城、ヒームキャの河、阿耨達湖、修彌山。異国の響きを持つ地名が、物語を遠く遥かな場所へと運んでいきます。

    紅宝玉の首かざりと白い百合、待ちわびる王さまとはだしの子供。静かな朝の光の中で、それぞれの思いが一つの花へと向かう短く澄んだ物語を、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #植物

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    13 分
  • ひかりの素足
    2026/02/01

    📖『ひかりの素足』朗読 – 雪山の兄弟と、光に満ちた世界への旅路❄️✨

    静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『ひかりの素足』。

    山小屋の朝、兄の一郎と弟の楢夫は、炭焼きの仕事をする父とともに目を覚まします。青い日光の棒が差し込む小屋の中、榾が赤く燃え、向こうの山の雪が白く輝く——穏やかな冬の山の情景。けれども楢夫は突然、訳もわからず泣き出します。「風の又三郎」が夢の中で何かを告げたのだと。新しい着物を着せる、湯に入れて洗う、みんなで送っていく——その言葉に、父も一郎も、言いようのない予感を胸に抱きます。

    やがて二人は家へ帰る道すがら、吹雪に見舞われます。白い雪、狂う風、道を見失い、弟をしっかりと抱きしめる兄。そして気がつくと、一郎はどこともしれない薄暗い世界にいました。鼠色の布一枚をまとい、素足は傷つき、血が流れ——楢夫を探し求めて、一郎は歩き続けます。

    傷ついた足、険しい道、恐ろしいものたちが支配する世界。その中で一郎が弟のためにとった行動が、やがて光をもたらします。貝殻のように白く輝く大きな素足——鋭い棘の地面を踏んでも傷つかないその足を持つ存在が、子どもたちの前に現れるとき、世界は一変します。

    雪山の現実と、光に満ちた世界。兄が弟を守ろうとする姿、風の又三郎の予言めいた言葉、そして「にょらいじゅりゃうぼん」という響き。物語の中で、東北の方言で語られる家族の日常と、幻想的な光景とが、地続きのように重なり合います。

    宮沢賢治が描く、雪と光と素足の物語。一郎と楢夫の旅路を、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #冒険 #少年 #夢 #方言

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    1 時間 17 分
  • クねずみ
    2026/01/25

    📖『クねずみ』朗読 – エヘン、エヘンと響く咳払いと、高慢なねずみの行く末🐭静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『クねずみ』。クという名前のねずみは、たいへん高慢でそねみ深く、自分をねずみ仲間の一番の学者と思っていました。ほかのねずみが何か知識のあることを言うと、「エヘン、エヘン」と大きな咳払いをして威圧するのが癖でした。友だちのタねずみが経済の話や地震の話、天気予報の話をしようとするたび、クねずみは「エヘン、エヘン」とやって、タねずみを怖がらせます。ある日、クねずみは散歩の途中で、二匹のむかでが親孝行な蜘蛛の話をしているのを聞きます。そこでもまた「エヘン、エヘン」。天井裏街では、ねずみ会議員のテねずみが立派な議論をしているのを立ち聞きし、やはり「エヘン、エヘン」とやってしまい——やがてクねずみは思いもよらぬ事態に巻き込まれていきます。「エヘン、エヘン」という咳払いが、物語の中で繰り返し響きます。他者の知識や賢さに対するそねみ。自分が一番だという高慢さ。クねずみの咳払いは、友だちとの会話を、むかでの会話を、テねずみの演説を、次々と遮っていきます。「ねずみ競争新聞」、「共同一致団結和睦のセイシン」、「分裂者」。物語には社会的な言葉が織り込まれ、ねずみたちの世界が具体的に描かれていきます。そして咳払いという小さな癖が、やがて大きな波紋を呼んでいく——クねずみの高慢さとそねみ深さが導く展開を、朗読でじっくりとお楽しみください。


    #鼠 #猫 #動物が主人公

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    23 分
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