• #19 ふるさと納税ポータルサイトへの支払額調査結果を地方財政の中の人が読む
    2026/06/28

    第19回:「中の人がふるさと納税ポータルサイトへの支払額調査結果を読む」です

    ふるさと納税の「本当のコスト」は、まだ見えていない

    先日、総務省がふるさと納税のポータルサイト運営事業者への支払額に関する調査結果を公表しました。

    令和6年度の実績として、全国の自治体がポータルサイトにいくら払っていたのか、その内訳が初めて全国統一で明らかになったものです。

    寄附総額のうち実質的な手数料は1,379億円、寄附額に対して11.5%。1万円の寄附につき1,150円ほどがポータルサイトの手数料に消えている計算です。しかも、その9割以上が上位4社に集中していました。

    ただ、この調査が見ているのは、あくまで「ポータルサイトへの支払い」だけです。今回はそこに一つの疑問を投げかけました。

    ふるさと納税の実務は、ポータルサイトだけで回っているわけではありません。返礼品の開発やサイト掲載の管理、寄附者対応などを請け負う「中間管理事業者」という存在があります。

    いまや9割を超える自治体が活用しているこのプレーヤーへの支払いは、今回の調査には含まれていません。

    私自身の試算では、その委託料は寄附額の6%ほど。決して無視できない金額です。

    「地域商社」という言葉を額面通りには受け取れない理由、そして「地域のため」という大義が不透明さを許す理由にはならない、という現場からの実感についてもお話ししています。

    今回の調査は確かに意味のある一歩ですが、ふるさと納税の本当のコストは、まだ半分も見えていないのではないか。

    そんな問いを、地方財政の現場の視点から語っています。


    ▼ note記事はこちら https://note.com/ericd/n/n4d8e6e91b1cc

    #ふるさと納税 #地方財政 #地方自治体 #総務省 #ポッドキャスト

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    9 分
  • #18 医療機関の消費税「損税」問題を地方財政の視点から考える
    2026/06/21

    第18回:医療機関の消費税「損税」問題を地方財政の視点から考える医療機関の消費税「損税」問題を、地方財政の視点から取り上げました。保険診療は消費税が非課税。だから患者は窓口で消費税を払いません。ところが医療機関は、薬や医療機器の仕入れで消費税を払っているのに、それを取り戻せない。「損税」と呼ばれるこの負担が、特に大規模病院や公立病院で重くのしかかっています。そして公立病院がこの損税で赤字になると、その穴は自治体の「基準外繰出」、つまり住民の税金で埋められることになります。国の税制のちぐはぐさが、地方財政に静かに転嫁されている——そんな構図をお話ししました。ゼロ税率という解決策と、それを阻む壁。国際比較も交えながら、医療・税制・地方財政が交わる問題として考えます。

    ▼今回の内容・保険診療はなぜ非課税なのか、「損税」が生まれる仕組み・補填率100.3%の裏にある、大病院67.4%・公立病院83.2%という実態・自治体病院の赤字は、最終的に誰が負担しているのか・「ゼロ税率」という解決策と、財務省という壁

    ▼関連note(全3回)

    第1回:保険診療は非課税なのに、なぜ医療機関は消費税を負担するのか

    https://note.com/ericd/n/n76fdcf65fe7e

    第2回:なぜ医療界は「一枚岩」になれないのか——自治体病院が抱える構造的な問題

    https://note.com/ericd/n/na76085b6ce70

    第3回:「ゼロ税率」という解決策と、その壁

    https://note.com/ericd/n/nd87496206fad

    #地方財政 #消費税 #医療 #公立病院 #診療報酬

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    11 分
  • #17 子供が減っても、コストは減らない——少子化時代の教育と地方財政
    2026/06/14

    第17回:今年(2026年)5月4日、総務省が公表した「こどもの数」は1,329万人。45年連続の減少で、1954年のピーク時(約2,989万人)と比べると半分以下になりました。

    「少子化」という言葉には慣れてしまいがちですが、地方財政の現場にいると、この数字がじわじわとさまざまな課題に影響を及ぼしているのを実感します。今回は「教育の場」に絞って、少子化が地方財政に何をもたらしているのかを整理しました。

    ▼ 今回話したこと

    • 公立小中学校の約8割が建築後25年以上経過。老朽化による不具合は2021年度だけで全国2万2千件超。
    • 学校施設の更新費用は今後30年で数十兆円規模。廃校が増えても「施設が余る」とは単純にいかない理由。
    • 体育館の空調設置率はまだ22.7%(2025年5月時点)。普通教室とのギャップが大きい。
    • 部活動の地域移行は2026年度から「改革実行期間」へ。ただし指導者の約6割は依然として教員の兼職兼業が支えており、「理解できる」と「実現できる」の間には大きな距離がある。
    • 子供の数が減ることと、教育コストが減ることはイコールではない。むしろ財政負担はこれから増えていく局面に入っている。

    ▼ 関連note
    こどもの日に、お金の話をします——地方財政×少子化×学校老朽化×部活動地域移行

    「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るラジオ」は、地方自治体の財政部門に20年以上勤務する現役職員が、地方財政のリアルを一般向けに発信するPodcastです。

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    13 分
  • #16 火葬炉は足りるか――多死社会のハードを考える
    2026/05/23

    第16回:今回のテーマは「火葬炉は足りるか――多死社会のハードを考える」です。


    日本経済新聞が葬儀の担い手不足(ソフト面)を取り上げましたが、ソフトとハード、どちらが欠けても問題の解決にはなりません。今回はハード面、つまり火葬炉の現状をデータで確認します。

    2024年の年間死亡者数は160万人超と過去最多。死亡者数のピークは2040年頃ですが、それで終わりではありません。団塊ジュニア世代が後期高齢期を迎える2060年前後にも再び高水準になる「二段構え」の構造があります。

    首都圏では炉1基あたり1日1.57体の処理が必要な水準で、北海道の3.3倍の逼迫度。しかし火葬場の整備には財政・法制度・住民合意という三重の壁があり、1施設200億円・10年がかりというのが現実です。しかも国庫補助は極めて限定的で、基本的に自治体の単独負担です。

    地域格差の問題にも触れています。三郷市では市外の火葬料金が市内の13倍。どこに住むかで死後の取り扱いに差が生じる時代が来ています。

    note記事はこちら:https://note.com/ericd/n/nd4953c2ccc48

    この番組について:地方自治体の財政担当が地方財政の中の人の視点で様々なニュースや話題について、1回5分から10分程度で解説しています。

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    13 分
  • #15 水道料金と老朽化——「上げられない」現実を考える
    2026/05/17

    第15回:今回は「水道料金と老朽化——『上げられない』現実を考える」というテーマでお話ししました。


    日本経済新聞電子版の記事「水道管は4分の1が老朽化 独立採算の公営事業 人口減で苦境に」をきっかけに、水道インフラの現状と、その背後にある財政的な構造問題を掘り下げています。


    今回話した主な内容:


    ・全国の水道管の約23.6%が法定耐用年数(40年)を超過。現在のペースでは全管路の更新に130年以上かかる計算(国土交通省資料)

    ・水道事業は「独立採算」が原則——道路や公民館のように税金で賄うサービスとは制度の建てつけが異なる

    ・有収水量は2000年がピーク。人口減少と節水で収入は減る一方、コストは下がらない構造的ジレンマ

    ・2046年までに全国の96%の事業体で値上げが必要、平均値上げ率は約48%という試算(EYジャパン×水の安全保障戦略機構、2024年)

    ・長野県松本市は1988年以来36年間据え置き、令和4年度の料金回収率は92.8%まで低下——こうした長期据え置きは多くの自治体で見られる

    ・下水道・雨水管も同じ構造を抱えていること


    インフラはタダではありません。誰かが必ずそのコストを負担しています。身近な水道料金の話を入り口に、インフラとお金の問題を一緒に考えていただければ幸いです。


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    📝 あわせてnoteもどうぞ

    水道料金と老朽化——「上げられない」現実を考える

    https://note.com/ericd/n/nffb432e4cbd9


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    【参考資料】

    ・日本経済新聞「水道管は4分の1が老朽化 独立採算の公営事業 人口減で苦境に」

    ・国土交通省「水道広域化推進プラン」関連資料

    ・EYジャパン×水の安全保障戦略機構「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?(2024年版)」

    ・日本経済新聞「水道事業、6割が採算割れ」(2024年1月)

    ・地方財政白書(総務省)

    ・地方公営企業年鑑(総務省)

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    11 分
  • #14 データが「読める」時代に人間が考えることの意味〜地方財政に関するダッシュボード公開
    2026/05/06

    第14回:今回は、デジタル庁と総務省が連携して「地方財政(市町村ごと)に関するダッシュボード」を公開したことについて取り上げました。


    市町村ごとの財政データがに容易確認できるようになり、「存在しているけど使えない」という長年の溝が、ようやく埋まりつつあります。


    さらにAIの登場で、データの「解釈」まで誰でもできる時代になりました。

    では、人間が考えることの意味は何か。「だからどうする」という判断だけは、まだ人間の仕事だと思っています。


    データが見えて、解釈もできる。道具が整うほど、使う側の問いの質が問われる——そんなことを、今回のダッシュボード公開を機に考えました。


    #地方財政 #デジタル庁 #ダッシュボード 


    詳しくはnoteもあわせてお読みください。 https://note.com/ericd/n/n929d8da5e6cd


    「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るラジオ」は、地方自治体の11年目財政担当が、ニュースの背景や制度の仕組みをわかりやすくお話ししています。

    ※発言は個人の見解です。

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    7 分
  • #13 特別市構想を巡る議論――「独立か統合か」という問いの落とし穴
    2026/05/01

    第13回:今回は、令和8年1月から地方制度調査会で再び動き出した「大都市制度」の議論、なかでも横浜市や川崎市などが提唱する「特別市構想」を取り上げます。

    この議論、どうしても「独立するか・しないか」という二択で語られがちです。でも、それだけで捉えてしまうと、本質を見誤るおそれがあるのではないかと思っています。

    大都市側・都道府県側、それぞれが合理的な立場から主張している構図であること。財源論だけでは答えは出ないこと。そして、「独立か統合か」という単純化された問いそのものが持つ危うさ――。

    そういったことを、財政担当者の視点から、できるだけ落ち着いて考えてみました。

    noteにも同じテーマで記事を書いています。あわせて読んでいただけると嬉しいです。

    🔗 https://note.com/ericd/n/n11b43803205f

    「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るラジオ」 地方自治体の財政担当が、ニュースの背景や制度の仕組みをわかりやすくお話しします。 ※発言は個人の見解です。

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    7 分
  • #12 都市と地方の税収格差——是正の方向性をどう考えるか
    2026/04/30

    第12回:今回のテーマは、都市と地方の税収格差の是正をどう考えるか、です。

    2026年度の与党税制改正大綱では、法人事業税の地方への配分増加と、東京23区の土地にかかる固定資産税を全国に再配分するという新たな方向性が示されました。

    「格差是正」という言葉には正当性があるような響きがあります。ただ、その言葉に引きずられたまま議論が進んでいないでしょうか。今回は、是正不能財源率という指標が含む前提の話、「東京vs地方」と「都市vs地方」が混同される問題、法人住民税の国税化が地方自治のインセンティブに与えた影響、そして固定資産税への言及が持つ意味について、現場の視点から整理してみました。

    どこまでが是正で、どこからが地方自治の侵食なのか。一緒に考えていただけると嬉しいです。

    ▼ あわせてnoteもどうぞ https://note.com/ericd/n/na102bd5d1e85

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    10 分