• #134 「忘れられた天才」は作られた?、フェルメール再発見のマーケティング【フェルメール編4】
    2026/11/01

    フェルメールは長いあいだ、「歴史に埋もれていた天才を19世紀の評論家が再発見した」と語られてきました。しかし実際には、死後もコレクターの間では知られ、作品も売買されており、完全に忘れ去られていたわけではありません。 それでも「忘れられた巨匠を発見した」という物語は人々を惹きつけ、作品数の少なさも相まって、フェルメールの希少性と名声を一気に押し上げていきます。 さらに、現在では世界的名画となった《真珠の耳飾りの少女》が、かつて作者不詳として驚くほど安価で取引された逸話から、作品の「価値」は誰が、どのように作っていくのかを考えます。

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  • #133 その輝き、肉眼では見えない?フェルメールとレンズの秘密【フェルメール編3】
    2026/10/25

    「真珠の耳飾りの少女」の真珠や瞳に見える、あの独特な光。フェルメールは、カメラ・オブスクラというレンズ装置を使い、肉眼とは少し違う“ぼやけた光”を見て描いていたのではないか、と言われています。 しかし、作品を実際に再現してみると構図や遠近法が合わない部分もあり、本当に使っていたのかはいまだ決着していません。そして晩年、戦争によって一家の経済基盤が崩れ、頼りにしていたパトロンも失われたことで、それまでの余裕ある制作環境は一変します。 光を描いた画家が、人生の最後にどのような暗転を迎えたのか。

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  • #132 なぜフェルメールは、1年に2、3枚しか描かなかったのか【フェルメール編2】
    2026/10/18

    現存作がわずか37点ほどとされるフェルメールは、なぜ1年に2、3枚しか描かなかったのでしょうか。家業を持ち、裕福な義母の支援や有力なパトロンにも恵まれていた彼は、レンブラントのように大量の注文をこなして生活を支える必要がありませんでした。 その余裕が、時間をかけた試行錯誤や、高価なウルトラマリンを惜しみなく使う制作環境につながり、フェルメールらしい作品を育てていきます。 「たくさん描く」のではなく、「描きたいものをじっくり描く」その特殊な環境から、フェルメールの画家人生を見ていきます。

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  • #131 真珠の耳飾りの少女に31万人、日本人を熱狂させるフェルメール【フェルメール編1】
    2026/10/11

    《真珠の耳飾りの少女》を見るために、わずか1か月余りで約31万人が来場。なぜ日本人は、これほどまでにフェルメールに惹かれるのでしょうか。現存する作品はわずか37点ほどとされ、その少なさゆえに希少価値は高く、真贋をめぐる議論や謎も絶えません。 牛乳を注ぐ女性、手紙を読む人、こちらを振り返る少女、何気ない日常を描いた親しみやすさと、その背後に残る謎が、フェルメールを特別な存在にしているのかもしれません。今回から始まるフェルメール編では、まずその人気と希少性を入り口に、「なぜ私たちはフェルメールを見たくなるのか」を探っていきます。

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  • #130 針金から噴水へ、街の工芸家に転身したアサワ、教育者として伝える存在【ルース・アサワ編4】
    2026/10/04

    参考図書:

    ルース・アサワ 触れるものすべて

    マリリン・チェイス (著), 石井ひろみ (翻訳)


    ワイヤー彫刻で評価を得たルース・アサワは、やがて商業ギャラリーの世界から距離を取り、地域に根ざした工芸家・教育者としての道を歩み始めます。子どもたちとアートをつくる活動や公共芸術に力を注ぐ中で、その表現も抽象的な針金彫刻から、人魚や動物など誰にでも伝わる具体的なモチーフを持つ噴水へと広がっていきました。そこには、作品を売ること以上に、街に残し、次の世代へ伝えることを大切にしたアサワの姿勢が見えてきます。晩年には自らの強制収容の記憶も作品として残し、アーティストであると同時に、教育者として社会と関わり続けた彼女の人生を振り返ります。

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  • #129 「紙で何ができるか考えよ」、教師になれなかったルース・アサワが表現を見つける【ルース・アサワ編3】
    2026/09/27

    美術教師を目指して大学に進んだルース・アサワでしたが、日系人であることを理由に教育実習先が見つからず、その道を断たれてしまいます。行き着いたブラック・マウンテン・カレッジで出会ったのが、「一枚の紙で何ができるのか」を徹底的に考えさせる師、アルバースでした。素材そのものを観察し、曲げる、折る、組み合わせる、その教えは、やがてアサワが針金という素材の可能性を追究する原点になります。教師になれなかった女性が、思いがけない出会いを通じて「自分だけの表現」を見つけていく転換点をたどります。

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  • #128 有刺鉄線は“美談”ではない、ルース・アサワ、収容所で過ごした日々【ルース・アサワ編2】
    2026/09/20

    15歳のルース・アサワを待っていたのは、日系人という理由で自由を奪われ、馬小屋から始まった強制収容生活でした。家族や収容者同士の信頼さえ揺らいでいく過酷な環境の一方で、美術を教えてくれる教師や、日系人を擁護した人々との出会いもあり、アサワは少しずつ自分の進む道を探していきます。後に彼女が針金による彫刻で知られるようになったことから、「収容所の鉄条網が芸術へ昇華された」と語られることもありますが、そこまで単純な成功物語として捉えてよいのでしょうか。今回は、後世から都合よく“美談”にすることなく、アサワが実際に経験した喪失と、その中でも途切れなかった創作への関心を見つめます。

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  • #127 針金で世界を編んだルース・アサワ、影までも作品の一部になる【ルース・アサワ編1】
    2026/09/13

    針金を編むという独自の表現へとたどり着いた日系二世のアーティスト、ルース・アサワ。天井から吊られた彫刻は、軽やかに空間へ広がり、その向こう側の景色や壁に落ちる影までも作品の一部へと変えてく。

    “知る人ぞ知る存在”だった彼女は、近年になって急速に再評価され、作品価格も大きく上昇。

    今回からルース・アサワアイコを深掘ります。

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