• 第70回 「社交ダンスと麻雀のデイサービス」って、なあに?|ゲスト:徳山英樹・松崎俊介(株式会社パイステップ)
    2026/10/02
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第70回は、2026年10月2日(金)16時30分から17時に放送された回です。今回のテーマは、「『社交ダンスと麻雀のデイサービス』って、なあに?」。ゲストには、埼玉県川口市でデイサービスを運営する、株式会社パイステップの徳山さん、松崎さんをお迎えしました。デイサービスと聞くと、皆さんはどのような場所を思い浮かべるでしょうか。送迎車で通い、入浴や食事、機能訓練、レクリエーションを受ける場所。高齢者が日中を安心して過ごす場所。介護をしている家族の負担を軽くする場所。もちろん、それらはデイサービスの大切な役割です。しかし、今回ご紹介するパイステップは、少しユニークな特徴を持つデイサービスです。そのキーワードは、社交ダンス と 麻雀。パイステップは、川口市で「社交ダンスと健康麻雀が楽しめるデイサービス」として展開されています。介護サービスでありながら、単に“介護を受けに行く場所”ではなく、“楽しみに通える場所”“人と会える場所”“自分らしく過ごせる場所”を目指している点が特徴です。今回の放送では、株式会社パイステップの徳山さん、松崎さんに、なぜデイサービスに社交ダンスと麻雀を取り入れているのか、利用者さんにどのような変化が生まれているのか、そして川口市で高齢者の新しい居場所をつくる意味についてお話を伺います。まず、社交ダンスには、身体を動かす楽しさがあります。高齢になると、外出の機会が減ったり、運動への意欲が落ちたりすることがあります。「運動しなければ」と頭ではわかっていても、単調な体操や筋力トレーニングだけでは続かない方もいます。その点、社交ダンスは音楽に合わせて身体を動かすため、運動というよりも楽しみとして取り組みやすい活動です。姿勢を整える。足を動かす。リズムに乗る。相手や周囲に合わせる。無理のない範囲で身体を使いながら、自然とバランスや体幹、歩行への意識が高まります。また、社交ダンスは一人で黙々と行う運動ではありません。音楽が流れ、会話が生まれ、笑顔が生まれます。かつてダンスに親しんだ方にとっては、若い頃の記憶や楽しさを思い出すきっかけになるかもしれません。初めての方にとっても、音楽に合わせて身体を動かすことで、気持ちが明るくなる時間になることがあります。デイサービスにおいて大切なのは、機能訓練そのものだけではありません。「また行きたい」「今日は何をするのだろう」「あの人に会える」と思えることが、通い続ける力になります。パイステップが社交ダンスを取り入れている背景には、身体を動かすことを“義務”ではなく“楽しみ”に変えるという視点があります。もう一つの大きな特徴が、麻雀です。ここでいう麻雀は、賭け事としての麻雀ではなく、健康麻雀として楽しむものです。麻雀は、手牌を見て考え、相手の捨て牌を見て予測し、次に何を切るかを判断するゲームです。指先を使い、頭を使い、集中力を使います。さらに、同じ卓を囲むことで、自然に会話や交流が生まれます。高齢者の生活では、人と話す機会が少なくなることがあります。家にいる時間が長くなり、外出先も限られ、家族以外と話す時間が減る方も少なくありません。そうした中で、麻雀の卓を囲む時間は、単なる娯楽ではなく、人との関わりを取り戻す時間にもなります。「今日は調子がいいね」「その牌を切るのか」「久しぶりに勝てた」こうしたやりとりの中に、笑いがあり、悔しさがあり、次への意欲があります。デイサービスでは、利用者さんが受け身になる時間が多くなりがちです。しかし、麻雀では自分で考え、自分で選び、自分で判断します。その主体性が、生活の張りや自信につながることもあります。社交ダンスと麻雀。一見すると、介護やデイサービスとは直接結びつかないように感じるかもしれません。しかし、どちらにも共通しているのは、「楽しみながら心身を動かし、人とつながる」ということです。介護予防やフレイル予防を考えるうえで、運動、栄養、社会参加は重要な要素とされています。身体を動...
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  • 第69回 在宅で生きる、看取る、送る~家族に寄り添う、小回りの利くお葬式|ゲスト:高橋公一 (医療法人社団高栄会 みさと中央クリニック 理事長)・白瀧貴美子(一般社団法人 日本グリーフアカデミー 代表理事)
    2026/09/25
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第69回は、2026年9月25日(金)16時30分から17時に放送された回です。今回のテーマは、「在宅で生きる、看取る、送る~家族に寄り添う、小回りの利くお葬式」。ゲストには、医療法人社団高栄会 みさと中央クリニック 理事長・医師の高橋公一先生、一般社団法人 日本グリーフアカデミー代表理事であり、看護師・看取り士でもある白瀧貴美子先生をお迎えしました。協力は、株式会社太平洋企画です。今回の放送では、在宅医療の現場における #看取り、本人の希望を家族や医療・介護チームと共有する #ACP、そして大切な人を見送った後の家族を支える #グリーフケア について、医師と看護師・看取り士、それぞれの視点から考えます。在宅医療というと、病気になった人を自宅で診療する医療というイメージを持つ方が多いかもしれません。もちろん、医師が自宅を訪問して診察を行い、薬を調整し、必要な医療処置を行うことは在宅医療の大切な役割です。しかし、在宅医療が支えているのは、病気そのものだけではありません。その人が、どこで、誰と、どのように過ごしたいのか。何を大切にしてきたのか。最期の時間をどのように迎えたいのか。そうした人生そのものに向き合うことが、在宅医療の現場では求められます。病院ではなく、自宅で療養するということは、医療が生活の中に入っていくということです。ベッドの横には、家族の写真があるかもしれません。長年使ってきた家具や、好きだった音楽、ペット、庭の景色、近所の人との関係があります。そこには、患者さんという言葉だけでは表しきれない、その人の暮らしと人生があります。だからこそ、在宅医療における看取りは、単なる医療行為の終わりではありません。本人が大切にしてきた時間を守り、家族がその人を見送る過程を支え、残された人がその後を生きていくための支援へとつながっていきます。今回の重要なキーワードの一つが、ACP です。ACPとは、アドバンス・ケア・プランニングの略称で、「人生会議」と呼ばれることもあります。もしものときに、自分がどのような医療やケアを望むのか。どこで過ごしたいのか。何を大切にしたいのか。延命治療についてどう考えるのか。誰に自分の思いを伝えておきたいのか。こうしたことを、本人が元気なうちから家族や信頼できる人、医療・介護の専門職と繰り返し話し合い、共有していく取り組みです。ACPは、一度書類を書いて終わりではありません。人の気持ちは、病状や年齢、家族の状況によって変わることがあります。以前は「病院でできる限り治療を受けたい」と考えていた人が、病気を経験する中で「最期は家にいたい」と思うようになるかもしれません。逆に、「家族に迷惑をかけたくない」と考えていた方が、家族との対話を通じて、自宅で過ごす選択に安心を感じることもあります。ACPで大切なのは、正解を決めることではありません。本人の思いを言葉にし、家族がそれを知り、医療者や介護者も共有することです。いざというときに、家族が「本人はどうしたかったのだろう」と一人で悩み続けないためにも、普段から話しておくことが大切です。在宅での看取りを希望する場合、家族には多くの不安があります。本当に家で看取れるのか。苦しくなったらどうすればよいのか。夜中に急変したら誰に連絡すればよいのか。自分たちだけで支えきれるのか。最期の瞬間に、何をすればよいのか。そうした不安に対して、医師や看護師、訪問看護師、ケアマネジャー、介護職などがチームで支えることになります。高橋公一先生のお話からは、医師として在宅看取りに向き合う際に、本人の病状だけでなく、家族の気持ちや生活の状況を見ながら支援していく大切さが伝わってきます。在宅看取りでは、病状の変化を家族へ丁寧に説明することが重要です。これからどのような変化が起こり得るのか。食事や水分が取れなくなることをどう受け止めるのか。呼吸や意識の変化が見られたときに、慌てずに何を確認すればよいのか。医療者へ連絡するタイミングはいつなのか。先の見通しを少...
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  • 第68回 「クラウドクリニック」って、なぁに?|ゲスト:川島史子(株式会社クラウドクリニック)
    2026/09/18
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第68回は、2026年9月18日(金)16時30分から17時に放送された回です。今回のテーマは、「『クラウドクリニック』って、なぁに?」。ゲストには、株式会社クラウドクリニックの川島史子さんをお迎えしました。「クラウドクリニック」という名称を聞くと、インターネットを使ってオンライン診療を行う医療機関や、クラウド上にあるクリニックを想像する方もいるかもしれません。しかし、株式会社クラウドクリニックは、患者さんを直接診療する医療機関ではありません。訪問診療や在宅医療に取り組む医療機関に対して、診療報酬の算定、レセプト請求、各種書類の作成、情報管理などの医療事務業務を提供し、クリニックの運営を院外から支える会社です。今回の放送では、訪問診療クリニックで発生する医療事務業務の特徴と、それらの業務を外部の専門チームへ任せる「BPO」について、川島史子さんにわかりやすくお話しいただきます。訪問診療クリニックでは、医師が患者さんの自宅や高齢者施設を訪問し、定期的な診察や治療、薬の調整、療養上の相談などを行います。診療の現場では医師や看護師が中心となりますが、その診療を支えるためには、多くの医療事務業務が必要です。患者さんの基本情報や保険情報を登録する。診療内容に基づいて診療報酬を算定する。電子カルテやレセプトコンピューターへ必要な情報を入力する。毎月のレセプトを確認して審査支払機関へ請求する。返戻や査定があれば原因を確認し、必要な修正や再請求を行う。さらに、訪問診療では、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、薬局、介護施設、病院など、多くの関係者との連絡や書類のやり取りも発生します。外来診療を中心とするクリニックと比較して、患者さんの生活環境や介護サービスとの関係を踏まえた対応が必要になることも、訪問診療における医療事務業務の特徴です。診療報酬の算定においても、訪問回数、患者さんの居住場所、同じ建物で診療する人数、施設基準、医学管理料、各種加算など、さまざまな条件を確認する必要があります。必要な条件を正しく確認できなければ、算定漏れによって本来得られるはずの診療報酬を請求できない可能性があります。反対に、要件を満たしていない項目を請求すると、返戻や査定につながります。返戻されたレセプトを確認し、原因を調べて修正し、再請求する作業にも時間がかかります。このように、訪問診療クリニックの医療事務業務には、在宅医療の制度や診療報酬に関する専門的な知識が求められます。しかし、訪問診療に精通した医療事務スタッフを採用することは簡単ではありません。求人を出しても応募が集まらない。採用できても、訪問診療特有の算定を覚えるまでに時間がかかる。経験のあるスタッフへ仕事が集中する。そのスタッフが休職・退職すると、請求業務が止まってしまう。こうした医療事務の人材不足や業務の属人化は、多くの訪問診療クリニックに共通する課題です。そこで選択肢となるのが、医療事務業務のBPOです。BPOとは、「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略称です。一般的な業務委託では、入力作業や書類作成など、切り分けられた一部の作業を外部へ依頼するケースが多くあります。一方、BPOでは、業務の一部だけでなく、その前後を含めた一連の流れを外部の専門チームへ委託します。たとえば、単にレセプトを点検してもらうだけではなく、日々の算定、情報入力、月末・月初のレセプト確認、返戻対応などを継続的に任せる形です。外部チームがクリニックの運用を理解し、院内スタッフと連携しながら業務を担うことで、特定の個人へ仕事が集中する状況を改善できます。訪問診療クリニックが医療事務業務をBPOするメリットの一つは、採用と育成にかかる負担を軽減できることです。医療事務スタッフを一人採用するには、求人広告や人材紹介会社などの費用がかかる場合があります。採用後も、クリニックの診療方針、電子カルテ、レセプトコンピューター、請求方法などを教えなければなりません。在宅医療の...
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  • 第67回 「医療事務が足りない訪問診療クリニックへ―「人を増やす」だけではない業務改善とは」|ゲスト:齊藤祐希(株式会社Inter deV.)
    2026/09/11
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第67回は、2026年9月11日(金)16時30分から17時に放送された回です。今回のテーマは、「医療事務が足りない訪問診療クリニックへ―『人を増やす』だけではない業務改善とは」ゲストには、株式会社Inter deV.の齊藤祐希代表をお迎えしました。訪問診療クリニックの経営者や院長、事務長から、よく聞かれる課題の一つが「医療事務が足りない」という声です。訪問診療を利用する患者さんが増えることは、地域に必要とされている証しでもあります。しかし、患者数が増えれば、医師や看護師の診療・看護業務だけでなく、医療事務が担う仕事も増えていきます。診療報酬のレセプト請求、患者さんへの請求書発行、入金確認、未収金への対応、電話対応、各種書類の作成、医療機関や介護事業所との連絡など、訪問診療クリニックの事務業務は多岐にわたります。しかも、訪問診療の請求業務には、外来診療とは異なる知識や経験が求められる場面があります。経験のある医療事務を採用したくても、適切な人材がなかなか見つからない。採用できても、業務を覚えて一人で対応できるようになるまでには時間がかかる。限られたスタッフに仕事が集中し、退職されると業務が回らなくなる。このような悩みを抱えている訪問診療クリニックは、少なくありません。今回の番組では、訪問診療クリニックの事務長として現場に携わってきた齊藤祐希代表に、医療事務の人材不足と請求業務の課題、そしてDXによる業務改善について伺います。訪問診療クリニックの請求業務というと、まず診療報酬のレセプト請求を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、レセプト請求が終わった後にも、患者さんへの請求業務が続きます。患者さんごとの自己負担額を確認し、請求書を作成する。請求書を印刷し、封筒に入れ、宛名を確認して郵送する。口座振替や銀行振込の結果を確認し、誰が支払い済みで、誰が未払いなのかを管理する。患者さんやご家族からの問い合わせにも対応する。患者数が少ないうちは、人の手で処理できるかもしれません。しかし、患者数が100人、300人、500人と増えていくと、請求書を印刷して発送するだけでも大きな作業になります。請求時期にはプリンターや複合機を長時間使用し、請求書を一枚ずつ確認しながら封入する。振込、口座振替、現金など、支払方法ごとに入金状況を照合する。ひとつひとつは単純に見える作業でも、件数が増えれば、医療事務スタッフの時間を大きく奪います。こうした状況に対して、多くの訪問診療クリニックが最初に考えるのは、「医療事務をもう一人採用しよう」という方法です。もちろん、患者数や業務量に応じて人を増やすことが必要な場合もあります。しかし、人材不足が続く中、募集を出せばすぐに経験者を採用できるとは限りません。採用広告や人材紹介会社への費用もかかります。採用後には、院内の運用やシステム、訪問診療特有の請求ルールを教える必要があります。教育を担当する既存スタッフにも負担がかかります。そして、業務の進め方を変えないまま人だけを増やすと、非効率な作業を新しいスタッフにも引き継ぐことになります。そこで必要になるのが、「人を増やす前に、仕事の流れそのものを見直す」という視点です。今回のテーマであるDXは、単に紙の請求書を電子化することや、新しいシステムを導入することだけを意味しません。現在の業務を分解し、どこに時間がかかっているのか、どこでミスが起きやすいのか、どの作業は人が行う必要があるのかを整理する。そのうえで、デジタル技術を使って業務の流れ全体を改善することがDXの目的です。たとえば、患者さんへの請求書をデジタルで届けられるようになれば、印刷、封入、郵送にかかる作業を削減できます。支払状況をシステム上で確認できれば、複数の資料や金融機関のデータを見比べながら入金を照合する負担を軽減できる可能性があります。患者さんやご家族にとっても、請求内容や支払状況を確認しやすくなれば、クリニックへの問い合わせが減ることも考えられます。...
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  • 第66回 「人生後半の宝探し―過去を振り返ると、未来が見えてくる」|ゲスト:田和真由美(株式会社BANSOSHA)
    2026/09/04
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第66回は、2026年9月4日(金)16時30分から17時に放送された回です。今回のテーマは、「人生後半の宝探し―過去を振り返ると、未来が見えてくる」ゲストには、株式会社BANSOSHAの田和真由美代表をお迎えしました。人生の後半に差しかかったとき、私たちはどのようなことを考えるでしょうか。これからの健康、仕事の区切り、親や配偶者の介護、子どもの独立、老後の住まい、お金のこと。そして、自分自身の最期をどのように迎えるか。年齢を重ねるにつれて、人生の残り時間を意識する機会は増えていきます。一方で、「自分はこれから何をしたいのか」「どのように生きたいのか」と聞かれると、すぐに答えられない方も少なくありません。仕事や子育て、家事、介護など、誰かのために忙しく過ごしてきた人ほど、自分自身について考える時間を後回しにしてきたのではないでしょうか。今回の放送では、田和真由美代表との対話を通じて、これまでの人生を振り返り、自分の中に眠っている価値や可能性を見つける「人生後半の宝探し」について考えます。人生を振り返ると聞くと、「過去を懐かしむこと」「失敗や後悔を思い出すこと」という印象を持つかもしれません。しかし、過去を振り返る本当の目的は、過去に戻ることではありません。これまで自分が何を選び、誰と出会い、どのような出来事に心を動かされてきたのかを整理することで、自分が大切にしてきた価値観や、自分らしさを見つけることができます。それは、これからの未来を考えるための大切な手がかりになります。番組の重要なキーワードの一つが「自分史」です。自分史とは、自分が歩んできた人生を文章や写真、年表などにまとめたものです。生まれた場所、家族、学校生活、仕事、結婚、子育て、転機となった出来事などを記録するのが一般的ですが、単なる履歴書や経歴書とは異なります。自分史で大切なのは、「何が起きたか」だけではなく、そのときに「何を感じたか」「何を選んだか」「誰に支えられたか」を振り返ることです。たとえば、仕事で大きな失敗をした経験があったとします。当時はつらく、できれば忘れたい出来事だったかもしれません。しかし、その経験があったからこそ、人の痛みがわかるようになった、新しい仕事に踏み出せた、大切な人と出会えたということもあります。子育てや家族の介護に追われ、自分のための時間を持てなかった時期も、後から振り返れば、忍耐力や人を支える力、生活を整える力を培った時間だったと気づく場合があります。一見すると失敗や遠回りに見える出来事の中にも、現在の自分につながる意味があります。自分史づくりは、過去の経験を成功と失敗に分けて評価する作業ではありません。自分の人生で起きた出来事を一つずつ拾い上げ、その経験が現在の自分に何をもたらしたのかを見つめる作業です。そこから、自分でも気づいていなかった強みや価値観が見えてきます。「人と人をつなぐことを、ずっと大切にしてきた」「困っている人を見ると、放っておけなかった」「新しいことを始めるときに力を発揮してきた」「家族が安心して暮らせることを何よりも優先してきた」人生の中で繰り返してきた行動や選択には、その人らしさが表れています。これが、人生後半における「自分探し」につながります。自分探しという言葉には、まだ自分が何者かわからない若者が、自分に合った生き方を探すというイメージがあるかもしれません。しかし、自分探しは若い人だけのものではありません。人生の後半だからこそ、これまでの経験を材料にして、改めて自分を見つめ直すことができます。長く続けてきた仕事を離れたとき、子育てが一段落したとき、家族の介護が終わったとき、あるいは病気を経験したとき。これまで自分を支えていた役割が変化すると、「自分はこれから何をすればよいのか」と戸惑うことがあります。会社員、親、配偶者、介護者などの役割を取り除いたとき、自分には何が残るのか。その答えを見つけるために、過去を振り返ることが役立ちます。...
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  • 第65回 「日本探訪!在宅医療・介護 第4回:奈良市都祁白石町」|ゲスト:西村正大(奈良市立都祁診療所)
    2026/08/28
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第65回は、2026年8月28日(金)16時30分から17時に放送された回です。今回のテーマは「日本探訪!在宅医療・介護 第4回:奈良県」日本各地の在宅医療・介護の現場を訪ね、地域ごとの暮らしや医療資源、現場で働く人々の思いを紹介するシリーズです。第4回では、奈良県奈良市の大和高原にある都祁地域を取り上げました。ゲストには、奈良市都祁白石町にある奈良市立都祁診療所の西村正大所長をお迎えしています。奈良市と聞くと、奈良公園や東大寺、歴史的な街並みを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、奈良市の東部へ進むと、中心市街地とは異なる風景が広がります。標高の高い大和高原には、豊かな自然と農村風景が残り、その一角に都祁地区があります。奈良市街地より気温が低く、冬には雪が積もることもある地域です。公共交通や医療機関への移動など、都市部とは異なる生活上の事情もあります。そうした都祁地域の医療を支えているのが、都祁白石町にある奈良市立都祁診療所です。今回の放送では、西村正大所長に、大和高原で暮らす人々の健康をどのように支えているのか、地域の診療所に求められる役割、訪問診療、多職種連携、医師の育成などについてお話を伺います。奈良市立都祁診療所では、内科をはじめとする外来診療だけでなく、個人宅や施設への訪問診療、予防接種や健康診断などの予防医療、学校医や健康教室といった地域活動にも取り組んでいます。地域の診療所には、特定の病気だけを診るのではなく、「どのような症状でも、まず受け止める」という役割があります。患者さん自身が、どの診療科へ行けばよいのかわからないこともあります。複数の病気を抱えている高齢者や、身体の不調だけでなく、介護、家族関係、生活環境などに課題を抱える方もいます。そうしたとき、地域の身近な診療所が最初の相談先となり、必要に応じて検査や治療を行い、専門医療へつなぎ、生活上の支援についても関係者と連携します。西村先生が実践する総合診療では、目の前の症状や検査結果だけでなく、その患者さんがどこで、誰と、どのように暮らしているのかを重視します。同じ病気であっても、必要な医療や支援は一人ひとり異なります。自動車を運転できるのか。家族の支えを受けられるのか。薬を自分で管理できるのか。介護サービスを利用しているのか。農作業や地域での役割を続けたいのか。病気だけではなく、その人の暮らし全体を見ることが、地域医療の重要な視点です。番組の中では、大和高原で行われている訪問診療についても話が広がります。訪問診療とは、病気や障害、加齢などにより通院が難しくなった方の自宅や施設へ医師が定期的に訪問し、診察や治療、薬の調整、療養上の相談などを行う医療です。外来へ通っていた患者さんが、体力の低下などによって通院できなくなった後も、訪問診療に切り替えることで、住み慣れた場所で医療を受け続けられる場合があります。長い間、地域のかかりつけ医として関わってきた医師が、患者さんの病歴だけでなく、家族や生活の状況も理解したうえで自宅を訪問する。その継続性は、地域の診療所が訪問診療を行う大きな強みです。一方、都祁地域のように住宅が広い範囲に点在する地域では、移動にも時間がかかります。冬の天候や道路状況などが訪問に影響することも考えられます。限られた人数と時間の中で、外来診療と訪問診療をどのように両立させるのか。必要な患者さんに継続して医療を届けるために、診療体制や情報共有をどのように工夫するのか。こうした点も、大和高原における訪問診療を考えるうえで重要なテーマです。在宅療養を支えるためには、医師だけでなく、多くの専門職との連携も欠かせません。訪問看護師が日常的な体調の変化を確認し、ケアマネジャーが介護サービスを調整する。薬剤師が服薬状況を確認し、介護職が食事や排せつ、移動などの生活を支える。必要に応じて病院や行政とも連携する。それぞれの専門職が持つ情報をつなぎ、本人や家族の希望を共有することで、自宅...
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  • 第64回 「調剤薬局としての新たな取り組み」|ゲスト:曽布川洋平(株式会社フォーリア)
    2026/08/21
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第64回は、2026年8月21日(金)16時30分から17時に放送された回です。今回のテーマは「調剤薬局としての新たな取り組み」ゲストには、浜松市を中心に調剤薬局や在宅医療・介護事業を展開する、株式会社フォーリアの曽布川洋平代表をお迎えしました。調剤薬局と聞くと、多くの方は「病院やクリニックで受け取った処方箋を持って行き、薬を受け取る場所」というイメージを持つのではないでしょうか。もちろん、処方箋に基づいて薬を正しく調剤し、患者さんに安全に服用していただくことは、薬局の重要な役割です。しかし、高齢化や在宅医療の広がりに伴い、地域の調剤薬局に求められる役割は大きく変化しています。通院や来局が難しく、自宅で療養している方が増える中、薬剤師が患者さんの自宅や施設を訪問する「訪問薬局」の重要性も高まっています。訪問薬局の薬剤師は、薬を届けるだけではありません。薬が正しく飲めているか、飲み忘れや重複がないか、副作用と思われる変化がないか、薬の保管方法に問題がないかなどを確認します。また、患者さんの生活や身体の変化に気づいた場合には、医師、訪問看護師、ケアマネジャーなどへ情報を共有します。薬を入口として、その人の療養生活全体を見守ることが、訪問薬局における薬剤師の大切な役割です。株式会社フォーリアは、浜松市で長年にわたり調剤薬局を運営してきました。そして、地域の患者さんと関わる中で見えてきた課題に応えるため、在宅患者への訪問薬剤管理指導に加え、訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所へと活動の領域を広げています。今回の放送では、曽布川洋平代表に、なぜ調剤薬局を運営する会社が訪問看護ステーションを立ち上げたのか、その背景にある思いや地域の課題を伺います。在宅療養者を支えるためには、薬剤師による服薬支援だけで十分とは限りません。病状を継続的に観察する看護師、身体機能や生活動作を支える理学療法士・作業療法士、医療と介護のサービスを調整するケアマネジャーなど、さまざまな専門職が必要です。本人の体調だけでなく、家族の介護負担や住環境、生活上の不安などにも目を向けなければなりません。訪問薬局と訪問看護ステーションが同じ法人内にあることには、大きな可能性があります。薬剤師が訪問時に気づいた体調や生活の変化を看護師へつなぐ。訪問看護師が確認した服薬上の課題を薬剤師と共有する。必要に応じて医師やケアマネジャーへ報告し、支援内容を見直す。それぞれの職種が個別に動くのではなく、情報を共有しながら一人の患者さんを支えることで、より早く変化に気づき、その人に合った支援へつなげることができます。番組では、訪問看護ステーションの立ち上げが、決して簡単なものではなかったことについても語られます。調剤薬局と訪問看護ステーションでは、業務の内容も、職場の文化も、必要となる人材も異なります。薬剤師と看護師、リハビリ専門職などが、それぞれの専門性や考え方を理解し、共通の目標に向かって協働できる組織をつくる必要があります。新しい事業を始めるには、人材の確保や育成、地域の医療・介護事業者との関係づくり、安定した運営体制の構築など、多くの課題があります。それでもフォーリアが新しい領域へ挑戦するのは、調剤薬局として地域の患者さんと向き合う中で、薬だけでは解決できない困りごとを数多く見てきたからです。患者さんが本当に必要としているのは、薬そのものだけではありません。病気や障害があっても、自宅で安心して生活できること。体調が変化したときに相談できること。家族だけで抱え込まず、専門職の支援を受けられること。そして、医療と介護が切れ目なくつながっていることが大切です。株式会社フォーリアが進める取り組みは、調剤薬局の役割を薬の提供に限定せず、地域の暮らしを支える存在へと広げようとするものです。また、こうした事業を継続し、さらに発展させるためには、一緒に働く人材が欠かせません。今回の放送では、浜松市での中途採用や人材育成...
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  • 第63回 「リハサロン祖師谷で一緒に働きましょ~」|ゲスト: 河野礼子(リハサロン祖師谷)
    2026/08/14
    エフエムたちかわ「おうちde医療in立川」第63回は、2026年8月14日(金)16時30分から17時に放送の回です。今回のテーマは「リハサロン祖師谷で一緒に働きましょ~」ゲストには、世田谷区祖師谷にあるリハビリ型デイサービス「リハサロン祖師谷」の河野礼子代表をお迎えしました。リハサロン祖師谷は、認知症の方とそのご家族を支えることを大切にしている半日型のデイサービスです。住み慣れた自宅での暮らしを続けたい。最期まで食事や会話を楽しみたい。できることを少しでも長く続けたい。そうした願いに寄り添いながら、介護予防や認知症改善を目指した支援を行っています。今回の放送では、河野代表に、リハサロン祖師谷を立ち上げた背景、デイサービスとして大切にしていること、認知症の方への関わり方、そして一緒に働く仲間に求める思いについて伺います。介護の仕事というと、「資格がないとできないのでは」「経験がないと難しいのでは」と感じる方もいるかもしれません。もちろん、専門的な知識や技術は大切です。しかし、リハサロン祖師谷が大切にしているのは、それだけではありません。利用者さんの立場に立って考えること。相手の気持ちに心を配ること。笑顔で関わること。感謝と思いやりを持って接すること。そうした人としての姿勢が、介護の現場ではとても大切になります。特に認知症の方を支えるデイサービスでは、本人の言葉だけでなく、表情やしぐさ、生活の背景を丁寧に受け止めることが求められます。認知症があるからといって、その人らしさがなくなるわけではありません。好きなこと、得意だったこと、大切にしてきた暮らし、家族との関係、安心できる場所。そうした一つひとつを尊重しながら、日々の時間を一緒につくっていくことが、認知症ケアの大切な視点です。リハサロン祖師谷では、機能訓練指導員による身体機能の維持・向上、看護師や歯科衛生士による口腔ケア、管理栄養士による栄養支援など、専門職による多面的な支援を行っています。身体を動かすこと、口から食べること、会話を楽しむこと、生活のリズムを整えること。それらはすべて、認知症の方が自宅での暮らしを続けるうえで大切な要素です。デイサービスは、利用者さんのためだけの場所ではありません。ご家族にとっても大切な支えになります。認知症の家族を自宅で支え続けることには、大きな負担や不安が伴うことがあります。デイサービスを利用することで、本人が安心して過ごせる時間が生まれ、ご家族にも休息や相談の機会が生まれます。介護を一人で抱え込まないためにも、地域のデイサービスの存在はとても重要です。今回のテーマには、「一緒に働きましょ~」という明るい呼びかけが込められています。世田谷で介護の仕事を探している方、デイサービスで働いてみたい方、認知症ケアに関心のある方、ヘルパー中途採用や介護スタッフの中途採用を検討している方にとって、リハサロン祖師谷の雰囲気や考え方を知るきっかけになる放送です。介護職やヘルパーの仕事は、決して簡単な仕事ではありません。相手の状態や気持ちに合わせて関わる力が必要ですし、日々の小さな変化に気づく観察力も求められます。一方で、人の暮らしを支え、笑顔や安心に直接触れられる仕事でもあります。利用者さんが少し元気になった。会話が増えた。表情が明るくなった。家族が安心した。そうした変化を近くで感じられることは、介護の仕事ならではのやりがいです。また、中途採用で介護業界に入る方にとっては、これまでの人生経験や仕事経験が活かされる場面も多くあります。接客、子育て、家族介護、地域活動、人とのコミュニケーション。そうした経験は、利用者さんとの関わりの中で大きな力になります。介護の仕事は、資格や経歴だけでは測れない、人柄や姿勢が活きる仕事でもあります。リハサロン祖師谷が目指しているのは、認知症の方があきらめずに暮らし続けるための場所であり、ご家族が安心して相談できる場所であり、スタッフが利用者さんと一緒に前向きな時間をつくれる場所です。世田谷という...
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