• 228腎臓を守るか、筋肉を守るか:高齢者CKDの食事
    2026/07/19

    「腎臓が悪いので、肉も魚も野菜も減らしました。ところが体重が落ち、歩けなくなってきました」。高齢者のCKDでは、制限を守ろうとするほど低栄養やフレイルが進むことがあります。


    CKDの食事療法には、たんぱく質、食塩、カリウム、リン、エネルギーなど複数の軸があります。しかし必要な調整は、CKDステージだけでは決まりません。尿蛋白、進行速度、血清カリウム、心不全、糖尿病、食欲、筋肉量、本人の希望を組み合わせて考えます。


    KDIGO 2024は、成人CKD G3~G5でたんぱく質摂取量0.8g/kg体重/日を提案する一方、フレイルやサルコペニアのある高齢者では、より多い蛋白質とエネルギー量を検討するよう示しています。数字を一律に当てはめるのではなく、腎臓を守る利益と低栄養の害を比較することが重要です。


    本資料では、①制限より先に栄養評価、②食塩・カリウム・たんぱく質の個別化、③続けられる食事を多職種で作る、という3点を整理します。

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  • 227脱水・感染・薬で急に悪くなる:慢性腎臓病CKDのシックデイ対応
    2026/07/19

    「下痢で食べられない日も、いつもの薬は全部飲ませた方がよいですか」「水分を多めに取らせれば大丈夫でしょうか」。CKDのある方が体調を崩したとき、ご家族は薬と水分の判断で迷います。


    CKDのある人は、脱水、感染、尿路閉塞、薬剤などをきっかけにAKI、つまり急性腎障害を重ねることがあります。一方、心不全や体液過剰がある方に一律の補水を行うと、かえって呼吸状態を悪化させる可能性があります。


    シックデイ対応の基本は、インターネット上の一律ルールではなく、本人専用の連絡・服薬・水分計画です。処方薬を自己判断で中止・継続せず、平時に主治医・看護師・薬剤師と決めておきます。


    本資料では、①早めに連絡する変化、②薬と水分の個別計画、③迷わず救急要請する状態、の3点を整理します。

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  • 226症状がないから大丈夫?慢性腎臓病CKDは血液と尿で見つける
    2026/07/19

    「腎臓の数値が少し悪いと言われました。でも、むくみもなく元気なので、様子を見てよいでしょうか」。在宅医療では、ご家族からこのような相談をよく受けます。


    日本腎臓学会の「CKD診療ガイド2024」では、日本のCKD患者は約2,000万人、成人のおよそ5人に1人と推計されています。CKDは珍しい病気ではありませんが、初期には自覚症状がほとんどないため、症状の有無だけでは判断できません。


    CKDは、腎臓の構造や働きの異常が3か月を超えて続く状態です。確認の中心は、血液検査のeGFRと、尿蛋白またはアルブミン尿です。一度の結果だけで決めず、原因、経過、年齢、筋肉量、合併症を含めて評価します。


    本資料では、①血液と尿をセットで見る、②一回の数字ではなく時間軸で見る、③症状は診断ではなく連絡のきっかけとして扱う、という3つの観点から整理します。

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  • 225腎臓の治療をどう選ぶ? 透析と保存的腎臓療法
    2026/07/19

    「透析が必要になるかもしれないと言われました。どの治療が今の暮らしに合うのか、どう考えればよいでしょうか」。腎機能が低下したとき、ご本人とご家族は大きな決断を迫られたように感じます。


    腎不全に対する選択肢には、血液透析、腹膜透析、腎移植などの腎代替療法があります。また、透析を選択しない場合にも、症状を和らげ、生活の質を支える包括的保存的腎臓療法があります。どれか一つがすべての人に正しいわけではありません。


    透析導入はeGFRだけで決めません。尿毒症症状、体液量や血圧の管理、治療に反応しない電解質・酸塩基異常、栄養状態、認知機能、QOL、本人の希望を総合します。準備には時間がかかるため、必要になる直前ではなく、選択肢を早めに知ることが大切です。


    本資料では、①選択肢と生活への影響、②開始時期は数字だけで決めない、③本人・家族・医療チームで繰り返し話し合う、という3点を整理します。

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  • 224介護と仕事の両立。仕事を辞める前に知ってほしい制度と組み立て方
    2026/07/12

    「これ以上は、仕事を続けながら親の介護をするのは無理かもしれません」。ケアマネジャーのもとには、こうした相談が日常的に届きます。平日の日中は仕事で家を空けざるを得ない。通院の付き添いのたびに有給休暇を使い果たしていく。上司にどう切り出せばいいのか分からない。積み重なった疲れの果てに、「辞めるしかない」という結論に、ご本人が一人でたどり着いてしまっているケースが少なくありません。相談の多くは、すでに何か月も一人で抱え込んだあとにようやく言葉になったものです。


    しかし、介護のために仕事を辞めるという選択は、想像以上に重い代償を伴います。厚生労働省の雇用動向調査によれば、家族の介護・看護を理由に離職する人は毎年一定数にのぼり、そのうち多くが再就職後に収入が減少したという調査結果が示されています。年齢が上がるほど再就職の条件は厳しくなりやすく、いったん離職すると、以前と同じ雇用形態・同じ収入水準に戻ることは簡単ではありません。加えて、介護離職は収入の問題にとどまりません。介護をする方が仕事という「社会とのつながり」や「気持ちの切り替えの場」を失うことで、かえって介護に向き合う体力と気力が続かなくなるケースが、現場では繰り返し観察されています。


    なぜ、これほど「辞める」という選択に至りやすいのでしょうか。背景には、「介護は家族が担うもの」という思い込みと、「使える制度をそもそも知らない」という情報不足の両方があります。多くのご家族は、介護休業や介護休暇という言葉自体は聞いたことがあっても、「具体的に何日休めるのか」「どんな場面で使うものなのか」を正確に把握していません。制度を知らないまま、「これ以上は職場に迷惑をかけられない」と自己判断で退職を選んでしまう方も少なくないのです。介護休業・介護休暇といった法律上の制度、日中の負担を減らす介護サービス、そして通院の負担そのものを軽くする医療側の選択肢――これらを組み合わせれば、「辞める」以外の道が見えてくることは、現場で数多く経験されています。


    本資料では、働きながら親や配偶者を介護するご家族に向けて、①「介護のために仕事を辞める」前に知っておきたい制度、②「自分がやる」から「回る仕組みを作る」への発想の転換、③平日日中に動けない家族のための具体的な工夫、という3つの観点から整理します。あわせて、実際に両立を続けているご家族の典型的な事例も紹介します。

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  • 223レスパイト入院とショートステイ。家族にとって必要な休養を考える
    2026/07/12

    「最近、母の介護に疲れが溜まっていて…でも、休みたいなんて言ったら、母を見捨てるみたいで」。在宅介護のご相談を受けていると、こうした声にしばしば出会います。真面目にご家族を支えてきた方ほど、「休む」という選択肢を自分に許せずにいます。しかし、介護は長距離走です。走り続けるためには、途中で立ち止まる場面が必ず必要になります。


    厚生労働省の令和Y年(YYYY年)国民生活基礎調査によれば、要介護者等を主に介護している方のうち、「常に介護している」「ほとんど終日」と答えた方は一定の割合にのぼり、介護疲れやストレスを訴える声は年々増加傾向にあります。また、同居する主な介護者の年齢構成も高齢化が進んでおり、介護する側もされる側も高齢という、いわゆる"ろうろうかいご"(老老介護)の世帯が珍しくなくなっています。休息を取れないまま介護が続くと、介護者自身の体調不良や共倒れにつながるリスクが高まることは、複数の公的調査・研究で指摘されています。


    在宅介護の現場で長く感じてきたのは、「介護を頑張ること」と「介護を休むこと」は対立しないということです。むしろ、計画的に休む仕組みを持っているご家庭のほうが、結果として長く安定して在宅療養を続けられています。ここで鍵になるのが、ショートステイ(介護保険の短期入所)と、レスパイト入院(医療保険での一時的な入院)という、二つの「休むための選択肢」です。この二つは似ているようで役割が異なり、使い分けを知っているかどうかで、いざという時の動きやすさが大きく変わります。


    とりわけ、点滴や酸素療法、たんの吸引といった医療的な処置が日常的に必要な方の場合、「一般の介護施設では預かってもらえないのではないか」という不安から、そもそも休むという選択肢自体を思いつかないご家族も少なくありません。しかし実際には、医療処置が必要な方でも一時的にお預かりできる仕組みが用意されています。知らないままでいると、使えたはずの支援にたどり着けず、ご家族だけで抱え込み続けてしまう。まずはこの仕組みを知ることが、最初の一歩になります。


    在宅介護は、病院での入院治療とは違い、終わりの時期があらかじめ見えているものではありません。数か月で終わる方もいれば、数年、時には十年以上に及ぶ方もいます。ゴールの見えないマラソンを、休憩なしで走り切ることはできません。だからこそ、あらかじめ「休むための仕組み」を生活のリズムに組み込んでおくことが、結果としてご本人にとってもご家族にとっても、長く安定した在宅療養につながります。

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  • 222ケアマネジャーに相談できること。介護の悩みの「最初の窓口」の使い方
    2026/07/12

    「こんなこと、ケアマネさんに聞いてもいいのかな」。介護保険サービスを使い始めたご家族が、心の中でいちばんよく感じる迷いです。デイサービスの日程調整や介護用ベッドの手配といった「わかりやすい相談」は誰もがすぐに口にできます。しかし、「お金が続くか不安」「きょうだいで意見が合わない」「本人がお風呂を嫌がって困っている」といった、少し生々しい悩みになると、「これは制度の話じゃないから、相談していい範囲を超えているかもしれない」と、ご家族は自分で線を引いて黙り込んでしまいがちです。


    厚生労働省の令和4年度介護支援専門員(ケアマネジャー)の業務実態に関する調査研究では、ケアマネジャーが家族から受ける相談内容として、介護サービスの利用調整だけでなく、家族関係の悩み・経済的な不安・住環境の困りごとなど、幅広い生活課題への対応が実際に行われていることが示されています。つまり、制度上も現場の実感としても、ケアマネジャーの役割は「サービスの手配係」にとどまらず、暮らし全体の相談窓口として機能しているのです。


    この「相談できる範囲の広さ」が、ご家族側にほとんど伝わっていないことが、多くのすれ違いの起点になっています。困りごとを一人で抱え込んだまま数週間、数か月が過ぎ、家庭内の負担が積み重なってから初めてケアマネジャーに打ち明けられる、という展開は在宅療養の現場で繰り返し見られるパターンです。もっと早く言葉にできていれば、選べた手立てがあったはずのケースも少なくありません。


    背景には、介護保険サービスという制度そのものが「申請して認定を受け、ケアプランに沿って利用する」という手続きの色合いが強く見えることも影響しています。手続きのイメージが先に立つと、「制度の枠に収まる話」だけを相談していいのだと、ご家族は自然に線を引いてしまいます。しかし実際の在宅療養は、制度と生活と感情が常に混ざり合った状態で進みます。「制度の枠に収まる話かどうか」で相談の可否を判断する必要はなく、生活の中で気になっていることをそのまま持ち込んでよいというのが、現場の実態です。


    本資料では、ご家族が「最初の窓口」であるケアマネジャーをどう活用すればよいかを、①ケアマネジャーに相談できることの広さ、②相談の仕方のコツ、③ケアマネジャーにできないこと・変更できること、という3つの観点から整理します。

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  • 221親の介護、「する」「しない」問題
    2026/07/12

    「親の介護、正直、したくないんです」。地域包括支援センターやケアマネジャーのもとには、こうした言葉が、ためらいがちに、ときに涙ながらに届きます。多くの方が、その言葉を口にした瞬間、自分を「冷たい人間」だと感じています。誰にも言えないまま、電話口でようやく絞り出すように口にする方も少なくありません。しかし現場で長く相談を受けていると、この感情は決して珍しいものではなく、むしろとても自然な反応であることが分かってきます。


    親子関係には、それぞれの歴史があります。子どものころから距離があった、進路や結婚で確執があった、長年疎遠だった、あるいは単純に自分の生活と仕事でいっぱいいっぱいで余裕がない。幼いころに厳しく育てられた記憶が今も残っている方もいれば、大人になってからのすれ違いが解けないまま時間だけが過ぎた方もいます。「したくない」という気持ちの背景は一人ひとり違いますが、共通しているのは、その感情自体を誰にも言えず、一人で抱え込んでしまっていることです。世間には「親の介護は子の務め」という空気が根強くあるため、この感情を口にすること自体に大きなハードルを感じてしまうのです。


    介護は、いまも家族が主な担い手となっています。厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査によれば、要介護者等からみた主な介護者は「同居の家族」が45.9%を占め、同居の主な介護者と要介護者がともに65歳以上である、いわゆる老老介護の割合は63.5%にのぼります。介護のために仕事を辞める人も少なくなく、総務省の令和4年就業構造基本調査では、介護・看護を理由とした離職者は年間約10.6万人と報告されています。「家族が介護を担うのが当然」という前提の重さが、統計の背後に透けて見えます。この前提が強いほど、「したくない」と感じた自分を責め、誰にも相談できないまま孤立してしまう方が増えていきます。


    しかし、介護は「する」か「しない」かの二択ではありません。「したくない」という気持ちを持ったまま、それでも親の安全は確保する、という関わり方は十分に成立します。この資料では、①「したくない」という気持ちは自然な感情であり、それは「全部を自分でしない」という関わり方の設計に変えられること、②介護には「する/しない」の間に無数の関わり方があること、③一人で決めず、一人で抱えないための相談先とその使い方、という3つの観点から整理します。

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    15 分