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サマリー
あらすじ・解説
集中力を高める呼吸法「ナディショーダナ」 仕事や勉強中に集中力を高めたい仕事が中断した後でも集中力をできるだけ早く取り戻したい そんな人におすすめなのが、ヨガの呼吸法のテクニックのひとつである片鼻呼吸法です。サンスクリット語では、ナディーショーダナ、北インド地方ではアヌローマ・ヴィローマとも呼ばれています。 片鼻呼吸法(ナディショーダナ)は左右の鼻で交互に行う呼吸法。陰と陽のエネルギーバランスを整えてくれる、ヨガのプラーナヤーマ(呼吸法)の中でも最も重要とされるテクニックの一つです。私たちの日常の呼吸は片方の鼻で行われており、自律神経の働きで無意識のうちに1〜2時間おきに左右が入れ替わっているそうです。 左右どちらの鼻が支配しているかで、右脳と左脳、どちらの脳が活発になっているかということにも関係しています。右脳は、直感的なことや、感覚的なことを司り、左脳は論理的で推論的な役割を担っています。また、呼吸する鼻によって優勢となる神経も変わってきます。右側の鼻で呼吸しているときは交感神経(左脳が優勢)、左側の鼻で呼吸しているときは副交感神経(右脳が優勢)。この左右を調和させることでプラーナ(気の流れ)のバランスをとり集中力を高めてくれます。片鼻呼吸法(ナディショーダナ)のプラクティスは、瞑想への準備としても非常に効果的です。 「ナディショーダナ」の科学的効果 ナディショーダナは、心身のバランスを整え、集中力を高める効果があることが科学的にも示されています。例えば、ある研究では、この呼吸法を実践することでストレスレベルが低下し、注意力が向上することが確認されています 。 さらに、ナディショーダナは自律神経系を調整し、心拍数や血圧を安定させる効果もあります 。 ナディショーダナは、ヨガの観点から、陰陽のエネルギーバランスを整えたり、呼吸の質を高めたり、右脳と左脳のバランスをとるなど多くのメリットがあります。 その中でも、科学的に効果が実証されているのは以下の3つです。 ストレスレベルの低下注意力の向上自律神経の調整(自律神経系を調整し、心拍数や血圧を安定させる) ナディーショーダナは、集中力を高めることはもちろん、副交感神経・交感神経のバランスをとることで、自律神経系を調整し、心拍数や血圧を安定させる効果もあります 。 呼吸の長さを調整することによって、集中力を高めるテクニックとして使うこともありますが、 吐く息を長めにし(副交感神経を刺激)、睡眠前にリラックスを感じるテクニックとしても非常に有効です。 片鼻呼吸法のやり方 座り方 無理のないまっすぐな姿勢で座ります。ヨガが初めての方は安楽座(スカーサナ)がオススメです。特に骨盤を立たせて、背骨・首・頭をまっすぐにして安定した座法で座ることが大切です。 ムドラー(手の形)の組み方 交互の鼻を開けたり閉めたりするのに、手の指を使います。ナディショーダナ(片鼻呼吸法)を実践するのに大きく2つのムドラー(手の形)があります。 伝統的には、Shanka Mudraと呼ばれる人差し指と中指を折り曲げるムドラーがあり、もう一つのやり方としては、薬指と小指を折り曲げて、人差し指と中指を額の真ん中(第3の目)にあてる方法があります。どちらでもやり易い方をチョイスしましょう。伝統的には、ムドラーを組むのは右手とされています。(インドでは、左手は不浄とされるため) 呼吸法のやり方(必ず左からスタート) この呼吸法では、必ず左の鼻(イダ)の吸う息からスタートし、左の鼻から吐く息で終わります。経典によると左の鼻から呼吸を行うことでアムリタ(甘露)を作り出し、右の鼻から行うと、熱と毒を生み出すとも考えられていたようです。 安定した座法で座るムドラー(手の形)を組み、親指で右の鼻孔をおさえる。左の鼻からゆっくりと吸います吸い切ったら親指を離し、薬指で左側の鼻孔を閉じます。右の鼻からゆっくりと息を吐きます。吐き切ったら、右の鼻から吸います。吸い切ったら、薬指を離し、親指で右の鼻腔を押さえます。左の鼻...