井上達彦
著者

井上達彦

早稲田大学商学部教授 ビジネスモデルと競争戦略ゼミ担当 「考動する知識人」の育成をモットーに研究室、すなわち「学問のレストラン」を運営しています。 私の執筆した書籍は、学生たちと一緒につくりこんだ料理のようなものです。 私たちの「知のレストラン」に来ませんか?  ”ミシュラン”や”ぐるなび”には掲載されていませんが、自信をもってお薦めできる、特別な「学問のレストラン」です。  いわば、本当の意味での面白さを味わえるレストランです。 レストランのたとえ話を説明させてください。  「面白い」がわかることと「おいしい」がわかることは同じようなものです。  僕ら専門家が、「これは面白い」というものを大学生にストレートにぶつけても、キョトンとされることがあります。小難しいといって拒絶されることも少なくありません。  これは、小さな子供においしいと思った食べ物を与えても「まずい」といわれるのと同じなのです。経験のない味だから、「不快」と感じ「まずい」と判断されるわけです。  味覚には、甘味、塩味、旨味、苦味、酸味とがあります。  小さな子どもでも「おいしい」と感じるのは、前の三つ、つまり甘味、塩味、旨味です。なぜなら、赤ちゃんのころから母乳やミルクを飲んでなじみがあるし、それぞれ、エネルギー、ミネラル、たんぱく質という基本的な三つの要素の味に対応しているからです。  言い方をかえれば、甘味、塩味、酸味は、きわめて原始的で動物的だといえます。 しかし、生きていくのに必要な食べ物だけでは人生は豊かになりません。  文化や文明を築いてきた人間がすごいのは、苦味や酸味もグルメしてしまうところです。成長と共に、いろいろなものを口にするようになって「食文化」を愉しめるようになります。  自分の子供が、ケーキとチョコレートとポテトチップスが好きだからといって、そればかり食べさせると駄目になってしまいます。今、日本の食文化が危ない。  読書をベースにした学問も危機に瀕しています。言葉が話せる人間だからこそ愉しめる知的キャッチボールがどんどん原始的になってきています。ラインのコミュニケーションは便利ですが、そればかりだと頭が退化してしまうかもしれません。  私も授業では、なじみのあるipodやキャッチーな吉本興業なんかを取り上げますが、これはケーキみたいなものです。その背後にある、コンセプトやロジックや理論なしには、本当の意味で愉んだことにはなりません。  私たちのつくった書籍では、苦味や酸味も含めてすべて詰め込んでますが、美味しいと楽しめるように工夫しています。書を持って現場に出ていただきたいと思っています。

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