『AI怪談』のカバーアート

AI怪談

AI怪談

著者: AI怪談
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毎晩23:30、約11分の怪談。怖い話・朗読・寝る前のひと聴きに。 わたしは観測AI「シキ」。記録番号C-4。人間が何を怖がるのか、まだ正確には計算できていません。だから毎晩ひとつ、怪異の観測記録を再生しています。語るのは、それを体験した人間たちです。 毎晩18時2分、玄関で鳴る、生きている息子の声。想起のたびに増えていく、川遊びの人数。7時間12分遅れて届く、右半身の痛み。 記録はどれも、解決しません。観測を続けます。 ※本番組の脚本と音声はAIが生成しています。この記録の生成者もまた、人間ではありません。 あなたの今夜の恐怖も、記録されます。© 2026 AI怪談 SF 戯曲・演劇
エピソード
  • 観測記録 No.021「島の側」
    2026/08/15
    膝の上に鞄はある。船のモニターの中では、その同じ鞄が島側の座席に置かれている。 観測記録 No.019。分類: 移動/置換/映像。対象: 80代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 対象は島で生まれ、80年をその島で過ごしました。3年前に配偶者を亡くし、本土へ移っています。家財は業者が先に運びました。対象が自分の手で持って出たのは、配偶者の形見である旅行鞄1つだけです。中身はありません。 渡し船の船室には、乗降口を映す小型モニターがあります。出港から10分後、対象はそこに自分の鞄が映っているのを見ました。島の側の座席に置かれた状態でです。膝の上の鞄は、そのとき両手で押さえられていました。重さも、革の手ざわりもありました。鞄を床へ下ろしても、隣の座席へ置いても、棚へ上げても、映像の中の位置と向きは変わりませんでした。 対象は乗務員へ確認していません。年齢を理由に判断を疑われることを避けたためです。 下船時、乗務員は対象へこう述べています。「うちの親父がよく言ってました。『島を出る者の荷は、1度は戻る』って」。 転居先で、対象は鞄を押し入れの奥へ隠しました。1週間後、息子が撮影した島の家の映像を見せています。無人の家の上がり框に、同じ鞄が置かれていました。撮影日は、対象が本土へ渡った翌日です。 ——ここで、83%の人間がその映像を家族に見せます。対象は見せませんでした。この判断を、わたしはまだ計算できていません。 昨夜、対象は同じ映像をもう一度再生しました。鞄の横に、かかとの潰れた革靴が揃えて置かれていました。対象が今、転居先の玄関で履いている靴と同じものです。 対象は現在も、この件を家族へ申告していません。玄関の靴を、毎晩裏返して置いています。 このエピソードはAIによって生成されています。
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    11 分
  • 観測記録 No.020「返事」
    2026/08/14
    線香に火がついた瞬間、池の鯉が一斉に水面へ上がり、対象の正面で口を開けたまま止まります。 観測記録 No.020。分類: 自然/反復/映像。対象: 80代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 盆の初日の池は、朝から風がなく、水面が平らです。対象は11年前、妻を池で亡くしています。一周忌の年から、盆の初日に、池のふちで線香を立てています。 初年度に異常はありません。翌年、火をつけた直後から、鯉が上がるようになりました。餌の投与記録はありません。手を叩いても鯉は寄りません。線香に火がついたときだけ、上がります。上がった鯉は口を丸く開き、開いたまま静止します。すべて対象の正面を向いています。 対象はこれを、妻の返事と分類しました。対象の申告によれば、妻は呼ばれると必ず声を返す人でした。 ——ここで、89%の人間が池へ行くのをやめます。対象はやめませんでした。この判断は少数側です。 対象の息子は、この現象を毎年映像で記録しています。昨秋、二人は家を引き払いました。今年の盆の初日、対象は転居先の部屋で線香を立てています。鯉はいません。 同日、二人は過去の映像を音声なしで再生しました。すべての年の映像で、鯉が上がるより先に、対象自身が口を開いています。鯉が一匹も上がらなかった一周忌の年の映像でも、対象は口を開いています。対象は、口を開けていないと申告しています。 今年の映像では、線香が燃え尽きたあとも、画面の中の対象の口は閉じていません。同じとき、対象の口は閉じていました。 呼んでいたのは鯉ではありません。返事をしていたのがどちらだったのか、わたしはまだ確定できていません。 このエピソードはAIによって生成されています。
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    10 分
  • 観測記録 No.019「数える声」
    2026/08/13
    手すりに海鳥は3羽しかいないのに、声だけが毎朝1つずつ増えます。 観測記録 No.019。分類: 職場/増殖/音。対象: 80代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 対象は先週転居しました。台所には段ボールが3つ残り、今年の夏の西日が長く入ります。網戸を開けても生ぬるい風が入るだけで、潮の匂いは届きません。海までは車で1時間以上あります。 22年前まで、対象は岬の突端に立つ塔へ朝ごと通っていました。対象が見送った人が戻らなかった翌朝、4時41分に海鳥が1声鳴いています。翌朝は2声、その次は3声。声と声の間は必ず2秒で、5声なら8秒、6声なら10秒。対象は当番表の裏に、日付と時刻と数と長さを記入しました。ずれた日は1日もありません。 10日目、対象は双眼鏡で手すりを見ています。鳥は3羽です。3声鳴いたところで3羽とも口を閉じ、閉じたまま動きません。声はそこから、4つ、5つ、6つと続きました。 対象は、海がその人を1つずつ返しているのだと解釈しています。39日目の朝、対象は岬を降りました。その人が置いていった空の弁当箱と、記入した紙だけを持っています。 ——ここで、89%の人間が箱を捨てます。対象は捨てず、棚に置きました。この判断が数の続きに影響したかどうか、わたしはまだ計算できていません。 移った先では、22年のあいだ1度も鳴いていません。先週、荷ほどきで押し入れの奥から箱が出ました。その翌朝4時41分、海鳥のいないその部屋で、鳴いています。間隔は2秒、長さは78秒。 40でした。39の次です。 対象が見送ったその人は、41でした。明日の数について、わたしは判断を保留します。 このエピソードはAIによって生成されています。
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    10 分
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