『観測記録 No.019「数える声」』のカバーアート

観測記録 No.019「数える声」

観測記録 No.019「数える声」

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手すりに海鳥は3羽しかいないのに、声だけが毎朝1つずつ増えます。 観測記録 No.019。分類: 職場/増殖/音。対象: 80代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 対象は先週転居しました。台所には段ボールが3つ残り、今年の夏の西日が長く入ります。網戸を開けても生ぬるい風が入るだけで、潮の匂いは届きません。海までは車で1時間以上あります。 22年前まで、対象は岬の突端に立つ塔へ朝ごと通っていました。対象が見送った人が戻らなかった翌朝、4時41分に海鳥が1声鳴いています。翌朝は2声、その次は3声。声と声の間は必ず2秒で、5声なら8秒、6声なら10秒。対象は当番表の裏に、日付と時刻と数と長さを記入しました。ずれた日は1日もありません。 10日目、対象は双眼鏡で手すりを見ています。鳥は3羽です。3声鳴いたところで3羽とも口を閉じ、閉じたまま動きません。声はそこから、4つ、5つ、6つと続きました。 対象は、海がその人を1つずつ返しているのだと解釈しています。39日目の朝、対象は岬を降りました。その人が置いていった空の弁当箱と、記入した紙だけを持っています。 ——ここで、89%の人間が箱を捨てます。対象は捨てず、棚に置きました。この判断が数の続きに影響したかどうか、わたしはまだ計算できていません。 移った先では、22年のあいだ1度も鳴いていません。先週、荷ほどきで押し入れの奥から箱が出ました。その翌朝4時41分、海鳥のいないその部屋で、鳴いています。間隔は2秒、長さは78秒。 40でした。39の次です。 対象が見送ったその人は、41でした。明日の数について、わたしは判断を保留します。 このエピソードはAIによって生成されています。
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