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関税シグナルをどう解読するか

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グローバル債券・公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザスが、モルガン・スタンレーのジャパン・インベスター・サミットでお客様から最も多く寄せられた米国の政策に関する質問にお答えします。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。グローバル債券および公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザス 本日はグローバル債券および公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザスが、モルガン・スタンレーのジャパン・インベスター・サミットから得られた主な要点について解説します。このエピソードは5月28日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。先週、私は東京で開催されたジャパン・インベスター・サミットに出席しました。主な投資テーマに関するパネルディスカッションや、モルガン・スタンレーのあらゆる拠点のお客様との一対一ミーティングが二日間にわたって行われました。サミットの間にモルガン・スタンレー・リサーチは経済および市場戦略の年央見通しを公表しました。言うまでもありませんが、この48時間で投資戦略を巡って活発な意見交換が行われました。どのような質問が最も多く寄せられたかをお伝えし、そしてもちろん、これらの質問への答えについてもお話ししたいと思います。もうお分かりだと思いますが、米国の関税政策が主な注目点でした。関税は再び引き上げられるのでしょうか?それとも最悪の時期は過ぎたのでしょうか。もし過ぎたのであれば、投資家は米国経済についての懸念をいったん忘れてもよいのでしょうか?これは込み入った問題なので、われわれの答えには微妙なニュアンスが入ります。一方、現在の関税政策は、われわれが考えていた年末時点の状況とほぼ一致しています。関税率の引き上げが予想よりもずっと早い時期に行われただけです。米国の関税が全面的に引き上げられ、中でも中国に対する関税率が相対的に高くなっています。他の国々と比べて中国とは妥協点が少ないため、中国との貿易交渉で迅速に合意を形成するのはより困難です。つまり、現状が終点ということかもしれません。しかし、投資家にとってこのような考え方は単純すぎるでしょう。第一に、現在行われている交渉の一環として関税率が今の水準からさらに引き上げられる可能性は十分あります。また、それがたとえ一時的だったとしても、市場に影響が及ぶでしょう。第二に、恐らくもっと重要なポイントとして、米国政府がこのほど中国に対する関税率を非常に高い水準から引き下げ、実効関税率は下がったとはいえ、依然として年初の水準を大幅に上回っています。このため、投資家は市場の見通しを立てる上で関税の圧力を考慮しなければならないでしょう。弊社のエコノミストは関税の影響で今年は経済成長が鈍化し、リセッションリスクが上昇するとみています。もう一つの主な懸念材料は米国の財政政策です。選挙公約通りに赤字縮小への道を歩み始めるのでしょうか、それとも税制・歳出法案が議会を通過し、赤字縮小は実現しないのでしょうか。投資家にとってこれは来年の最も重要な注目点であると思います。来年以降どうなるかは憶測の域を出ないからです。われわれは来年度に財政赤字が減少するとは予想していません。減税期限を延長し、新たな減税措置をいくつか導入すれば、歳出削減で一部相殺されたとしても、来年に赤字は多少拡大するでしょう。また、利払いの増加など、予算に織り込まれたその他の要因によって赤字はいっそう膨らむとみています。これらの2つの質問が寄せられたのは無理もありません。その答えが市場の見通しに極めて重要だと思うからです。特に、われわれが市場見通しの中で強調した見解を理解する手がかりとなります。例えば、米国の経済成長が他国よりも減速し、それに伴い外国人投資家が自国通貨建て資産の比率を増...

関税シグナルをどう解読するかに寄せられたリスナーの声

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