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言葉の暴力性とは何か?言葉の力を考える │ 哲学ラジオ

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このコンテンツについて

本シリーズは哲学科卒の私うぇいが、哲学っぽい話題をざっくり解説する音声コンテンツです。今回は、言葉の暴力性(AをBと規定する、決めつける、固定する機能)を採り上げ、言葉がどのように人間の認識や文化に影響を与えているかを考察しました。具体的には、言葉が持つ現象にラベルづけを行っていく機能や、人間の理性の認識能力と言葉の結びつきについて議論しました。言葉は単なるコミュニケーションの手段や媒体なのではなく、私たちが世界を日々認識し、過ごしていくための核となる機能を担っているのです(毎分毎秒移り変わる世界を安定した世界にするためには言葉による認識が必須)。話すスピードがゆっくりに感じられる方には、倍速視聴がおすすめです。▼主な内容- 言語学者の鈴木孝夫によると、言葉はカオスな世界に虚構の分節をもたらすものであり、その機能によって世界が認識可能になる- 言葉の機能は、情報を整理し、カテゴリー化することにある。つまり言葉には、豊かな現象世界を人工的に切り分け主体が理解できるものに捨象するという暴力性が含まれる。そのような認識の暴力性をレヴィナスは問題視した- 言葉は事実だけでなく過去や未来、いまとは異なる状況といった可能性を考えることができる- 言葉は人間の思考を制約する側面も持つ。自分が持つ既存の言葉によって思考が制限されるからである。その最も大きな枠組みの一つが、母語である▼使用文献鈴木孝夫『ことばと文化』岩波新書、1973年https://amzn.to/3Ej13Z4エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』藤岡俊博訳、講談社学術文庫、2020年https://amzn.to/3VouUUtエマニュエル・レヴィナス『実存から実存者へ』西谷修訳、ちくま学芸文庫、2005年https://amzn.to/47LwkjD 小泉義之『レヴィナス──何のために生きるのか(シリーズ哲学のエッセンス)』NHK出版、2003年https://amzn.to/4ciVBkb今井むつみ『ことばと思考』岩波新書、2010年https://amzn.to/4d20krgウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』野矢茂樹訳、岩波文庫、2003年https://amzn.to/4pbkGFh▼関連・参考文献田中克彦『ことばと国家』岩波新書、1981年https://amzn.to/3Yq6TPY岩田祐子・重光由加・村田泰美『改訂版 社会言語学──基本からディスコース分析まで』ひつじ書房、2022年https://amzn.to/3UKxvZa伊藤計劃『虐殺器官〔新版〕』ハヤカワ文庫、2014年https://amzn.to/3GA1Y8r宮田光雄『ナチ・ドイツと言語──ヒトラー演説から民衆の悪夢まで』岩波新書、2022年https://amzn.to/4fQX8kJ岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』岩波ジュニア新書、2003年https://amzn.to/4lRxbml日本聖書協会(翻訳)『聖書──聖書協会共同訳』2019年https://amzn.to/45Aul0u丸山圭三郎『言葉と無意識』講談社現代新書、1987年https://amzn.to/4lKh2z6丸山圭三郎『ソシュールを読む』講談社学術文庫、2012年https://amzn.to/4pblkCH丸山圭三郎『言葉とは何か』ちくま学芸文庫、2008年https://amzn.to/47JrxiIアンリ・ベルクソン『物質と記憶』杉山直樹訳、講談社学術文庫、2019年https://amzn.to/3W4rcjS籾山洋介『認知言語学入門』研究社、2010年https://amzn.to/3A2Ih5J今井むつみ・秋田喜美『言語の本質──ことばはどう生まれ、進化したか』中公新書、2023年https://amzn.to/3HB9KQf三木那由他『会話を哲学する──コミュニケーションとマニピュレーション』光文社新書、2022年https://amzn.to/3HMGyph三木那由他「第1章  概念の構造とカテゴリー化」、信原幸弘・太田紘史編『シリーズ 新・心の哲学Ⅰ 認知篇』勁草書房、2014年https://amzn.to/4lJ148n小野純一『僕たちは言葉について何も知らない──孤独、誤解、もどかしさの言語学』NewsPicksパブリッシング、2025年https://amzn.to/41VZqZM古田徹也『いつもの言葉を哲学する』朝日新書、2021年https://amzn.to/45VOJIe古田徹也『言葉の魂の哲学』講談社選書メチエ、2018年https://amzn.to/3JMgGdL野矢茂樹『言語哲学がはじまる』岩波新書、2023年https://amzn.to/3XnmOwl谷口忠大編『ワードマップ 記号創発システム論──来るべきAI共生社会の「意味」理解にむけて』新曜社、2024年https://amzn.to/3MHFaDq飯田隆『増補改訂版 言語哲学大全I──論理と言語』勁草書房、2022年https://amzn.to/4iKdAUQ加藤重広・澤田淳編『はじめての語用論──基礎から...
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