『彩の国ボイスドラマ〜実力派声優たちが演じる”聴く埼玉”』のカバーアート

彩の国ボイスドラマ〜実力派声優たちが演じる”聴く埼玉”

彩の国ボイスドラマ〜実力派声優たちが演じる”聴く埼玉”

著者: Ks
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埼玉県の魅力を「物語」で解き放つ・・・ 舞台は、歴史息づく行田の古墳から、深谷の街並み、そして神秘的な秩父の山々まで。各エピソードには、埼玉出身の声優を中心に、現在第一線で活躍する若手実力派キャストを起用。キャラクターの掛け合いを通じて、その土地の歴史、伝統、そして未来への想いを鮮やかに描き出します。 「彩の国」の新しい姿”聴く埼玉”。 通勤・通学のひとときに、あなたの耳から「まだ見ぬ埼玉」へ旅してみませんか?Ks 戯曲・演劇
エピソード
  • ボイスドラマ「里山の声」
    2026/07/13
    幼い頃、埼玉の里山で一匹のゴマダラチョウを助けた少女・伽耶。時は流れ60年。夫を亡くし、子どもたちも巣立った彼女は、ふと「里山」という言葉に導かれるように埼玉県環境科学国際センター生態園を訪れます。そこで待っていたのは、幼い日の記憶と、生き物たちが紡ぐ命のつながりでした。自然は、私たち人間を含め、すべての命が支え合って成り立っています。この物語が、生物多様性や里山の豊かな世界に目を向けるきっかけになれば幸いです。【ペルソナ】・伽耶(かや/5歳〜65歳)=埼玉で幼少期を過ごし結婚で東京へ。現在は一人暮らし・伽耶の母(28歳)=早くに夫を亡くし、農家と養蚕をしながら女手ひとつで一人娘・伽耶を育てた・伽耶の娘(32歳)=都心の伽耶の家から嫁ぎ、現在は2人の子どもの子育て中【プロローグ:天敵】※モノローグは大人の声で◾️SE:ヒバリの声「伽耶、あんまり遠くまで行っちゃだめよ」「は〜い」「夕飯までには帰ってきてね」母の声を背中で聞きながら、私はもう、外へ飛び出した。高窓の屋根の家並みが続く里山。開けはなした障子を通して漏れてくるのは、雨音のようなざわめき。それは、蚕が桑の葉を食(は)む音。母は家業の農業とともに、養蚕をおこなっていた。私は、桑畑を抜けて、小さな森の入口へ。一気に歩いたせいか、たどりつく前に、息が切れる。よっこらしょ、とエノキの木の根元へ。へたり込むようにしてしゃがみ込んだ。昭和39年6月。埼玉県児玉郡児玉町(こだまぐんこだまちょう)。私の名は伽耶。来年から小学校へ上がる年。私は生まれつき体が弱かった。だけど、心配症の母を安心させたくて、家を出るときだけはいつも元気なフリ。結局、少し歩くとすぐに胸が苦しくなる。まあ、こんなのはいつものこと。しばらく根元に座り込んで直射日光を避け、木陰でゆっくりと呼吸を整える。視線の先には、なにかがひらひら揺れている。漂ってくるのは、リンゴのような甘酸っぱい芳り。エノキの幹から流れ出た樹液だ。その下には・・・あ・・・ゴマダラチョウ。白と黒。鹿の子絞り(かのこしぼり)のような斑(まだら)模様の翅(はね)。実は私、近所から”昆虫博士”って呼ばれてる。3歳のときに母が買ってくれた昆虫図鑑。それを何度も何度も、擦り切れるまで読み返した。だから、蝶でも蛾でも甲虫でも、たいていの虫のことはわかる。ゴマダラチョウは、私の目の前。ゆったりと翅を広げて蜜を吸っている。なんか、私に似てる・・・アゲハのように華麗な姿ではなく、自分が生まれたエノキのそばで、一生を過ごす。ひっそりと・・・どのくらいの時間だったのだろう。私はただ、蝶をぼう〜っと見つめていた。と、そのとき・・・◾️SE:モズの羽音(No.22424 bird/鳥が飛ぶ音)大きな羽音が耳に飛び込んできた。隣の木にとまっていた、モズだ。小さな体の猛禽類。ゴマダラチョウを見つけ、一気に獲物に向かってくる。「危ない!」頭で考えるより先に体が動いた。落ちていた枯れ枝をひっつかみ、急降下してくるモズに向かって、振り下ろす。「だめ〜ッ!!」◾️SE:モズの羽音と鳴き声(No.1577237 野鳥の鳴き声:モズ/No.1663153 羽を広げる)乾いた音が雑木林に響く。驚いたモズは鋭い悲鳴を上げて踵を返し、逃げていった。 r風圧に驚いたゴマダラチョウが一閃。初夏の光の中へと高く舞い上がる。はためく翅のマダラ模様。モノトーンの美しい紋様が、木漏れ日に美しいシルエットを描いていた。「あ・・・」枝を握ったまま、私はその場ですくみ上がる。無理に体を動かしたせいで、また胸の痛みが襲ってきた。私は耐えきれず、その場に倒れ込む。地面についた手のひらから、土と草の匂いが漂ってくる。遠のいていく意識。かすれそうな記憶の中で、頭の中に声が響いてくる。『大丈夫。心配しないで。体はもうすぐよくなるから』え・・・?だれ・・・鈴の音のように透き通った、幻のような声。私はその声に安心して、深い眠りに落ちていった。【シーン1:60年後】◾️SE:セミの鳴き声「待って!」「いかないで!」「お願い!」え・・・夢・・・?どうして、...
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    16 分
  • ボイスドラマ「そこに愛があるから」(上里町)
    2026/03/23
    都会で働くラジオディレクター瑞生と、名古屋出身のパートナー希空。移住ロケで訪れた埼玉県上里町で、ふたりが見つけたのは――「どこで生きるか」ではなく「誰と生きるか」という答えだった。埼玉県北部・上里町を舞台に描く、静かで、あたたかい人生の物語【ペルソナ】・瑞生(みずき:27歳/CV:廣庭渓斗)=東京のラジオ局で働くディレクター。移住検討中・希空(きく:28歳/CV:中野さいま)=瑞生の上司でパートナー。名古屋出身。地元へ帰りたい【上里町 – 埼北移住 ~埼玉県北部地域移住交流サイト~】https://www.saihoku-ijuu.com/kamisato.html【シーン1/放送局のスタジオ】■SE/番組のエンドタイトル(jingle)「おつかれ!」深夜2時。防音壁に囲まれたスタジオでオレはパーソナリティを送り出す。ヘッドホンから流れるのは、生番組のエンディングテーマ。ADやミキサーのスタッフたちにも一人一人声をかける。「アナ尻、5秒巻いちゃったけど、あのノリなら全然アリだよね!」オレの名前は瑞生。都心のラジオ局で毎日キューをふるディレクターだ。そして・・・「放送事故じゃないけど、不体裁でしょ、これ」副調整室、略して「副調」の後ろで腕を組んでいるのがオレの先輩。プロデューサーの希空。すこ〜し辛口だけど、言うことはだいたい正しい。で、みんなが出てったあと、こそっと呟く。「こんな時間だけど、お腹減っちゃったぁ」1歳年上の彼女はプライベートじゃパートナーなんだ。その日の深夜も、打合せを兼ねて居酒屋へ。昭和か、っての。いや、打合せってのはガチで。春から始まる新番組なんだけど。都心で働く若者たちをターゲットに、移住をテーマにした番組。さまざまな情報をパーソナリティが紹介していく。もちろんPodcastでも展開する。移住ったって、どこでもいいわけじゃないよな。だから、最近オレたちは休みのたびにいろんなとこへロケハンしてる。ってか、ロケハン兼ねた、体のいい旅行だけど。先週は希空の実家、名古屋へ。でも東京から名古屋へ移住って・・・ちょっとないかなあ。彼女は帰りたがってるけど。【シーン2/神保原駅】■SE/駅前の雑踏次の日曜。オレたちは、神保原駅に降り立った。埼玉県最北端の駅。場所は、上里町(かみさとまち)。高崎線の中にある唯一の「町」なんだって。そう。ロケハンの場所は、埼玉県上里町。都会の喧騒を離れて90分。駅前だというのに、静寂が二人を包む。駅舎を出ると空が空が驚くほど広かった。「上里っていったら小麦だよね」という彼女のひとことで、オレたちは田園地帯へ。レンタカーを借りて、神流川を目指した。【シーン3/神流川・烏川へ向かう車中】■SE/車内の走行音「希空って、朝はパン派だったっけ?それともごはん?」「パンだけど・・どうかした?」「いや、別に・・」「私は移住、しないわよ」「そ、そんなこと言ってないし」「そう・・ならいいけど」おっと。やばいやばい。直球過ぎたかな。実はいまオレ、真剣に移住を考えてる。次の改編でお昼のワイド番組が決まってるし。そこで移住のコーナーも作っちゃったし。ちょうどいいタイミング。家賃とか物価とか、東京での生活はオレにはハードルが高い。局長に相談したら、半分リモートでも問題ない、って言われたんだ。ってことで・・風向きはもう、移住一直線なんだけど、ひとつだけ問題が・・・うう・・彼女、希空にまだ話してないんだ!彼女の出身は名古屋。酔っ払うといつも、名古屋に帰りた〜い、って言うんだよな。だからそっち方面の移住、ってのも考えたんだけど・・・距離がなぁ・・・番組のこともあっていろいろ調べてたら、彩北、埼玉の北部ってのが、結構ポイント高いんだ。群馬ほど遠くなくて、車も電車も交通の便がバッチリだし。で、今日、その彩北の上里へ来たってわけ。ホントは希空がパン派だってこともリサーチ済み。粉物が大好きだってことも知ってるから。ようし、ちょっとお腹すいちゃったから、ランチにするか。そこで陥落させてやるぞ!■SE/車内の走行音「冬の小麦畑って、なんだか寂しい感じね」「冬はね。でももう少ししたら、緑の...
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    9 分
  • ボイスドラマ「燈がつなぐ夏」(美里町)
    2026/03/23
    「オレの足になってくれ」埼玉県美里町に400年以上続く伝統行事「百八燈」。兄の事故をきっかけに、その想いを受け継ぐことになった少女・青藍。反発、後悔、そして成長――灯りに込められた“つなぐ想い”を描く、ひと夏の物語。【ペルソナ】・青藍(せいら:14歳=中学二年生/CV:堀籠沙耶)=燈真の妹。東京へ行きたくて仕方ない・燈真(とうま:18歳/CV:廣庭渓斗)=青藍の兄。猪俣の百八燈を大切にしたいと思っている[猪俣の百八燈「子供たちが紡ぐ夏」】https://www.youtube.com/watch?v=neoQzM16qio【シーン1/七月後半の朝】■SE/初夏の蝉の声(ニイニイゼミかアブラゼミなど)「ざけんな!うちのどこがチャラいの!?」あ・・・だめだ。またキレちゃった・・・いや、うちのせいじゃない。お兄ちゃんが悪い。うちは青藍(せいら)。14歳。美里町の中学校に通う二年生。夏休みが始まったばかりの朝。空は抜けるように青く、山の稜線から顔を出した太陽が、田んぼの緑を鮮やかに照らし始める。4個上の兄は夏休みまで返上して、毎日毎日百八燈(ひゃくはっとう)/萬燈祭(ばんとうさい)の準備。朝から晩まで帰ってこないし。え?百八燈(萬燈祭)、知らない?百八燈(萬燈祭)っていうのはね、ここ美里町猪俣(いのまた)に伝わるお祭り。お盆の送り火行事?400年前から続いてるんだよ。戦時中も、コロナのときも途切れなかったんだって。堂前山(どうぜんやま)(山)の尾根にある百八つの塚。毎年8月15日の夜、塚に燈(あかり)を灯していくの。祭の中心は子どもたち。塚の修理から燈の準備までぜ〜んぶ子どもたちがおこなうのよ。すごいでしょ・・あ、言っとくけどうちは百八燈(萬燈祭)なんてキライだから。兄の燈真は、小学校5年生になると百八燈(萬燈祭)の若衆組(わかしゅうぐみ)に入った。それまで、夏休みはいつもうちと一緒に遊んでたのに。朝、ラジオ体操が終わるとそのまま公民館へ。お昼ごはんをみんなで食べたら堂前山へ。草むしりをして、塚の準備をして・・夕食の時間が過ぎても笛や太鼓の練習。よくわかんないけど、意気揚々と出かけていく・・なぁにがいいのか・・ゲームしてる方がよっぽど楽しいじゃん。うちには全然わかんない。今年は最年長だから、親方?ってのになって参加する子どもたちをまとめてるんだって。ばっかみたい・・ってぼそって言ったのが聞こえちゃって。『オマエみたいなチャラいやつに言われたくない。目ざわりだ』だって。チャラい?めざわり?売り言葉に買い言葉。で、冒頭のセリフ。「ざけんな!うちのどこがチャラいの!?」■SE/扉を閉める音〜駆け出す音家を飛び出して、自転車に乗る。走りながら目には涙が・・知らず知らず堂前山(山)の麓へ。国道のバイパスを渡ろうとしたとき・・・「あぶない!」「え?」■SE/急ブレーキの音と自転車の転倒音【シーン2/ER病棟の病室】■SE/ヒグラシの鳴き声■SE/病室の環境音(人工呼吸器の音)気がつくと、病院のベッドの上。パパとママがうちに背中を向けて立っている。その向こう。ベッドに寝かされているのは・・・おにいちゃん!?なんで!?手足に巻かれた包帯とギプス、人工呼吸器の音がうちをパニックにした。「ママ!」「パパ!」ママもパパも振り向いてうちを見る。でもすぐに優しく微笑み、状況を教えてくれた。うちが家を飛び出したあと、兄は自転車で追いかけたそうだ。もうすぐで追いつくってとき。うちはなんにも考えずに国道へ飛び出す。そこへ車が・・兄はうちを庇って、自転車ごと投げ飛ばされた。■SE/病室の環境音(人工呼吸器の音)幸い、命に別状はないということだけど。ギプスで固定された右腕と足首。足首はベッドの上に高く載せられている。松葉杖を使わなければトイレにも行けない。え?じゃあ、百八燈(萬燈祭)は?あんなにがんばってたのに・・病室の隅に置かれたパイプ椅子。兄が着ていた祭りの法被(はっぴ)がかけられている。鮮やかな藍色。消毒液の匂いが漂う真っ白な病室で、それは残酷なほど浮いて見えた。その夜。病室から帰ろうとするうちに、ママが声をかけた...
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    10 分
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