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市場の風を読む

市場の風を読む

著者: Morgan Stanley
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このコンテンツについて

モルガン・スタンレーが配信する金融ポッドキャスト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)では、マーケットに影響を与える様々な事象について当社のソートリーダーによる考察をお届けします。

© Morgan Stanley & Co. LLC
個人ファイナンス 経済学
エピソード
  • 地政学リスクにもかかわらず株価が底堅く推移できるのはなぜか
    2025/06/23
    最近の中東情勢に接しても投資家がおおむね平静を保っているのはなぜなのか。弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジスト、マイク・ウィルソンがご説明します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジスト本日は、中東の緊張が米国株式に及ぼす影響の考え方について、弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンがお話しします。このエピソードは6月23日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。この週末に米国はイランの核燃料濃縮施設に奇襲攻撃を行いました。損害の程度はまだ確認されていませんが、トランプ大統領は、イランによる核兵器開発の取り組みは、完全にとは言わないまでも大幅に縮小させられたと述べています。それが本当なら、このリスクについては変化率がピークに達したとみることができるでしょう。今年第1四半期に米国株式の頭を押さえていた数多くのリスクが最悪期を過ぎたようだと弊社ではみていますが、今回のリスクも多くの点でこの見方に沿うものになっています。不法移民の取り締まり、財政支出削減、関税、AI関連の設備投資減速といった材料はすべて、企業業績予想を引き下げる一因になっていました。 そこから今日までの展開を早送りで見ていくと、こうした材料は悪影響の面でいずれもピークを過ぎており、4月半ばからは業績予想も回復に転じています。実際、収益修正ブレスの回復は史上最大級であり、米国株式が4月7日の週に底を打ってから非常に好調に推移していることの根本的な理由の一つになっています。この週末の出来事を受けて株価急落を予想した方も多かったかもしれませんが、これまでの堅調な展開の理由を考えれば、今朝の株式市場でそうならなかったのもうなずけます。 また、弊社は1950年以降に起きた主な地政学的出来事23件について、株価への影響を調べてみました。すると、多くの方々には意外に思われるかもしれない一方で、ベテラン投資家の間ではよく認識されていることが浮かび上がってきました。実は、地政学的なショックの後には株価の下落ではなく株価の上昇が続くことが多く、ショック後、半年から12ヵ月の間は特にそうなのです。この23件のうち株価が下落したのは5件だけでした。しかも重要なことに、株価が下がったその5件のケースは原油価格の急騰を伴っており、その上昇率は前年同期比で少なくとも75%という非常に高いものでした。今朝の時点で、原油価格は前年同期より10%安い水準にあります。週末の軍事行動の後でもその水準なのです。つまり、株価は向こう6ヵ月から12ヵ月にかけて下落する状況にはないということになります。 とは言え、弊社としては、クオリティの低い小型株よりもクオリティの高い大型株を引き続きお勧めしたいと考えます。この判断はおおむね、長期金利が下げ渋っていることと、米国経済が景気循環の後期にあってFRBが政策金利を据え置いているという事実に基づくものです。仮にこの状況が変わってFRBが利下げを示唆し始めたら、弊社はもっとシクリカルな分野に関心を向けていくことになるでしょう。 弊社は引き続き、電力・インフラ整備関連の設備投資増加が見込まれる資本財・サービス株、今年秋に予定される規制緩和の恩恵を享受する金融株、そして関税の影響を受けず、経済全体へのAI普及に向けた次の投資がなされる分野に注力しているソフトウェア株を選好しています。また当面の原油価格上昇リスクのヘッジ手段として、一般消費財・サービス株よりもエネルギー株を選好しています。 最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェア...
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    6 分
  • 中東の緊張が高まる中での石油価格の見通し
    2025/06/18
    中東地域における地政学的変化を踏まえ、今後の石油価格の見通しを3つのシナリオに分けて、弊社グローバル・コモディティ・ストラテジストのマーティン・ラッツが解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。グローバル・コモディティ・ストラテジストのマーティン・ラッツ今回はイスラエルとイランの緊張が高まる中での石油価格の見通しを弊社グローバル・コモディティ・ストラテジストのマーティン・ラッツが解説します。このエピソードは6月18日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。ブレント原油の先物カーブに注目している業界観測筋は最近、カーブが滅多に見られないスマイル型であることに気づいたそうです。最初の2、3カ月は下向きのカーブで、その後は26年まで上向きのカーブだというのです。しかし、先週金曜日には一変しました。石油市場の先物カーブは需給バランスの見通しによって様々な形状とをなります。先物カーブが下向きのときは在庫を保有する魅力が実際に非常に乏しく、そのためオペレーターは通常、貯蔵している石油を放出します。市場がこのような構造となるのは、需給がひっ迫し、貯蔵されている石油の放出が実際に必要なときです。逆に、市場が供給過剰のときには石油を在庫として貯蔵する必要があり、先物カーブが上向きとなることでこれが可能になります。つまり、先物カーブはつい最近まで、目先の需給は幾分タイトだけれども、今年後半と26年は大幅な供給過剰となることを物語っていました。ところが先週、中東地域で緊張が高まると、石油業界は強く反応しました。ブレント原油先物の期近物、つまり来月受け渡しの製品が17%近く急騰しただけでなく、すべての受渡月で紛争の影響が生じました。現在では先物カーブ全体が下向きに傾斜しており、これは石油市場が来年の余剰を見込んでいないことを示しています。数日前とは大きく異なります。さて、金曜日の出来事により今後の石油価格の見通しの幅が広まったことは疑う余地がありません。しかし、この先の石油価格の弊社予想を大きく3つのシナリオで説明します。それと一緒に、今後数週間および数カ月間の石油市場を予想する枠組みも示します。まず、最も穏やかなシナリオを考えてみましょう。軍事衝突が起きても石油供給が混乱するとは限らず、主要な産油地域でもそれは同じです。これまでのところ、産油地域からの供給量は減少していません。もし石油・ガスのインフラが攻撃対象から外れたままであれば、石油供給の継続は完全に可能です。その場合、原油価格は現在の1バレル凡そ 約76ドルから、60ドル程度まで下落する可能性があるでしょう。2番目のシナリオは、物理的なインフラへの武力攻撃や制裁によってイランの石油輸出がリスクにさらされることを想定します。米国が2018年に行った「最大限の圧力作戦」で石油供給が減少したことの再現です。イランが輸出能力の大半を失った場合、現時点で弊社が予想している来年の石油市場の余剰をほぼ打ち消す形となるでしょう。その場合、市場は概ね需給が均衡します。需給が均衡した場合、原油価格は1バレル75-80ドルのレンジとなる確率が高いでしょう。3番目は幅広い地域での混乱を想定した最も深刻なシナリオで、原油価格は22年につけた1バレル凡そ約120ドルの高値まで上昇する可能性があります。世界の石油輸送 のかなりの部分が通過するホルムズ海峡など重要な航路を含めて、幅広い湾岸地域の石油インフラがイランの攻撃対象となった場合は、このシナリオが実現する可能性があります。状況はきわめて流動的で、今後の石油価格の見通しとしては大きな幅が考えられます。最も確率が高いと思われるのは最初のシナリオで、弊社はこれを基本ケースとして、最終的に供給の安定を予想しています。ただ、より深刻な混乱が生じる...
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    7 分
  • 米国大型株に強気な理由
    2025/06/16
    米国大型株に対する市場心理が慎重になっていますが、弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンは、前向きな見方を保つ余地はまだあるとみています。今回はその理由をご説明します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソン本日は最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、弊社が米国大型株について市場コンセンサスよりも前向きなのはなぜか、特にどのセクターについてそうなのかをお話しします。このエピソードは6月16日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。弊社は米国株に対して、市場コンセンサスよりも前向きな見方を維持しています。今後12ヵ月間の収益環境が大方の見方より良好であることを、弊社が注目している主要指標が示しているのがその主な理由です。第1に、弊社の主要な業績予想モデルは、今後1年間のEPSが1ケタ台後半の成長を遂げると示しています。第2に、リビジョン・インデックスが4月中旬のマイナス25%から現在のマイナス9%へと急改善しています。第3に、弊社は企業のコスト面を考慮する派生的な業績先行指標も導入しているのですが、こちらのモデルは、EPSが2026年上半期までに10%台半ばの成長を遂げると予想しています。もう少し具体的に申し上げれば、コスト効率の向上による利益の増加を示唆しているのです。興味深いことに、先週開催されたモルガン・スタンレー金融カンファレンスではこのような話を何度も耳にしました。業務合理化の一助としてのAI導入に言及した企業が多かったのです。そして最後に、S&P500指数採用銘柄の利益にとって最も過小評価されている追い風は、米ドル安です。1月の高値から11%も下落しています。そして付け加えますが、弊社の為替ストラテジストは、今後12ヵ月間でドル安がさらに7%進むと予想しています。経済成長率予想が4月半ばに底を打ってからリビジョン・インデックスが改善していること、そしてその改善率も高いことは、多くの大型株にとって強力な追い風です。特に強い影響を受けるのは資本財とソフトウェアのセクターです。両セクターには強力な構造的成長ドライバーが備わっています。まず資本財セクターについては、世界のインフラ整備支出が改めて注目されています。設備稼働率の変化も2年半ぶりにプラスに転じており、商業・工業向けローンの総額も再び増加して2020年以来の高水準に達しています。テクノロジーの構造的な普及とグローバルなインフラへの注目が多くの国々で進んでおり、より資本集約的な環境につながっています。米国の特別償却(ボーナス減価償却)も追い風になる公算が大きいでしょう。設備投資の増加を促し、資本財メーカーに直接恩恵をもたらすためです。一方、ソフトウェア・セクターは生成AIのソリューションにより、収入と費用の両面からフリーキャッシュフローを増やせる有利な状況にあります。弊社は大型金融株も選好しています。このセクターでは今年下半期から、規制緩和による大きな利益が計上され始める可能性があります。弊社の比較的前向きな見方を脅かす主(しゅ)たるリスクは、やはり長期金利です。6月11日に発表された消費者物価指数はコンセンサスを下回り、債券利回りの抑制に寄与したものの、6月13日に地政学的な緊張が高まっても金利が低下しなかったのは興味深いことだと弊社では感じています。その結果、10年債利回りは弊社が重視する4.5%の水準に近いところにとどまっています。この4.5%を超えると、金利に対する株価の感応度が高まる公算が大きいのです。また金利のボラティリティが4月の高値に比べてかなり低く、数年ぶりの低水準に近いことも好材料です。弊社が一般消費財セクターを長らくアンダーウエイトにしている...
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    8 分

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