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新しいFRB議長、新しい市場シグナル

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概要

弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、ケビン・ウォーシュ氏の次期FRB議長指名が市場にどのような影響を与えるかについてお話しします。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、弊社の 最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、ケビン・ウォーシュ氏の次期FRB議長への指名がもたらす影響についてお話しします。このエピソードは2月2日にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。1月30日にトランプ大統領は、ケビン・ウォーシュ氏を次期FRB議長に正式に指名しました。ウォーシュ氏について市場で語られている評価は比較的分かりやすく、FRBのバランスシート規模に対してタカ派寄りであり、金利については現在の指導部より柔軟で、無制限の流動性供給にはあまり積極的ではない、とみられています。こうした人物像は概ね正しいのですが、なぜ今ウォーシュ氏なのか、今回の指名でどのような問題を解決しようとしているのか、というより重要な問いには答えていません。私の見方では、その答えは政治ではなく、市場の動きから始まります。ここ数か月、貴金属価格は放物線を描くように上昇し、同時にドル安が続いてきました。現政権は、特に経済全体のリバランス戦略の一環として、ドル安は本質的に悪いことではないと明確に述べていますが、「管理された下落」と「無秩序な下落」には大きな違いがあります。これがなぜこれほど重要なのかを理解するには、視野を広げて状況を俯瞰する必要があります。現政権は、20年以上にわたり積み上がってきた巨額の債務負担を、最終的には経済成長によって乗り越えるという同じ目標のもと、3つの側面から米国経済のリバランスを同時に進めようとしています。現時点で歳出削減だけで対応するのは、経済的にも政治的にも現実的ではありません。名目成長こそが、唯一現実的な道筋なのです。現在の戦略は、より供給サイドに重きを置いています。すなわち、関税やドル安によって貿易構造を見直し、過度の消費から投資主導の経済へと転換し、移民政策の実施や規制緩和を通じて格差に対応するというものです。狙いは、政府ではなく企業が資本配分の判断を行える環境を整えるとともに、給付ではなく賃金を通じて所得を押し上げていくことにあります。もしこれが機能すれば、名目成長が加速し、生産性向上に支えられたより健全な実質成長とのバランスが実現していくはずです。市場は、ある程度すでにこのストーリーを織り込み始めています。昨春以降、景気敏感株がアウトパフォームし、市場の広がりが改善し、市場の牽引役は前のサイクルを支配していたメガキャップ銘柄から交代し始めています。中小型株も再び存在感を見せています。これはまさに、私の中心シナリオである「よりホットだが短い」景気拡大の中盤で見られる典型的な動きです。同時に、金価格の急騰は、別の動きが起きていることを示しています。貴金属がこれほど動くときは、投資家が「最終局面」に疑問を抱き始めているサインです。そこで登場するのが、ケビン・ウォーシュ氏です。今回の指名には、FRBのバランスシートに対する信認を回復し、こうした懐疑の勢いを和らげる狙いがあると考えられます。金曜日の値動きからすると、その狙いは奏功しました。金と銀は急落し、ドルは小幅に上昇し、株式と金利は比較的安定していました。この組み合わせは時間稼ぎを可能にします。そしてこの戦略が機能するには、まさにその「時間」が不可欠なのです。市場がこのストーリーを信じているかを測る最良の方法の一つは、S&P500と金価格の比率を見ることです。これは、生産的な成長への信認を測るシンプルで強力な指標です。直近の比率の急落は、主に金価格の上昇によるものでしたが、金曜日の急反転は...
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