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地政学リスクにもかかわらず株価が底堅く推移できるのはなぜか

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最近の中東情勢に接しても投資家がおおむね平静を保っているのはなぜなのか。弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジスト、マイク・ウィルソンがご説明します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジスト本日は、中東の緊張が米国株式に及ぼす影響の考え方について、弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンがお話しします。このエピソードは6月23日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。この週末に米国はイランの核燃料濃縮施設に奇襲攻撃を行いました。損害の程度はまだ確認されていませんが、トランプ大統領は、イランによる核兵器開発の取り組みは、完全にとは言わないまでも大幅に縮小させられたと述べています。それが本当なら、このリスクについては変化率がピークに達したとみることができるでしょう。今年第1四半期に米国株式の頭を押さえていた数多くのリスクが最悪期を過ぎたようだと弊社ではみていますが、今回のリスクも多くの点でこの見方に沿うものになっています。不法移民の取り締まり、財政支出削減、関税、AI関連の設備投資減速といった材料はすべて、企業業績予想を引き下げる一因になっていました。 そこから今日までの展開を早送りで見ていくと、こうした材料は悪影響の面でいずれもピークを過ぎており、4月半ばからは業績予想も回復に転じています。実際、収益修正ブレスの回復は史上最大級であり、米国株式が4月7日の週に底を打ってから非常に好調に推移していることの根本的な理由の一つになっています。この週末の出来事を受けて株価急落を予想した方も多かったかもしれませんが、これまでの堅調な展開の理由を考えれば、今朝の株式市場でそうならなかったのもうなずけます。 また、弊社は1950年以降に起きた主な地政学的出来事23件について、株価への影響を調べてみました。すると、多くの方々には意外に思われるかもしれない一方で、ベテラン投資家の間ではよく認識されていることが浮かび上がってきました。実は、地政学的なショックの後には株価の下落ではなく株価の上昇が続くことが多く、ショック後、半年から12ヵ月の間は特にそうなのです。この23件のうち株価が下落したのは5件だけでした。しかも重要なことに、株価が下がったその5件のケースは原油価格の急騰を伴っており、その上昇率は前年同期比で少なくとも75%という非常に高いものでした。今朝の時点で、原油価格は前年同期より10%安い水準にあります。週末の軍事行動の後でもその水準なのです。つまり、株価は向こう6ヵ月から12ヵ月にかけて下落する状況にはないということになります。 とは言え、弊社としては、クオリティの低い小型株よりもクオリティの高い大型株を引き続きお勧めしたいと考えます。この判断はおおむね、長期金利が下げ渋っていることと、米国経済が景気循環の後期にあってFRBが政策金利を据え置いているという事実に基づくものです。仮にこの状況が変わってFRBが利下げを示唆し始めたら、弊社はもっとシクリカルな分野に関心を向けていくことになるでしょう。 弊社は引き続き、電力・インフラ整備関連の設備投資増加が見込まれる資本財・サービス株、今年秋に予定される規制緩和の恩恵を享受する金融株、そして関税の影響を受けず、経済全体へのAI普及に向けた次の投資がなされる分野に注力しているソフトウェア株を選好しています。また当面の原油価格上昇リスクのヘッジ手段として、一般消費財・サービス株よりもエネルギー株を選好しています。 最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェア...

地政学リスクにもかかわらず株価が底堅く推移できるのはなぜかに寄せられたリスナーの声

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