『ボイスドラマ「LOBO★ユアフレンド」』のカバーアート

ボイスドラマ「LOBO★ユアフレンド」

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このコンテンツについて

久々野町の森にひっそりと暮らしていたオオカミの母と子。クマに襲われ、母を失った子ども「カムイ」が、幼稚園児の少女・りんごと出会うことから物語は始まります。“ロボ”と呼ばれ、人間の家族と暮らしながらも、心の奥底には「オオカミの誇り」を宿し続けるカムイ。彼はりんごを守るため、幾度となく命を張ります。そしてついに訪れる、運命の夜──。母が遺した言葉を胸に、最後の最後まで少女を守り抜いたカムイの姿は、聞く者の心を揺さぶります。「もしも、ニホンオオカミが生き延びていたら?」そんな“もし”を描いた感動のボイスドラマを、ぜひお聴きください。【ペルソナ】・カムイ/LOBO(0歳〜)=子どもの狼(CV=坂田月菜)※カムイはアイヌ語で「神」・母狼(30歳くらい)=誇り高き飛騨狼の最後の生き残り(CV=小椋美織)・りんご(5歳)=久々野町の幼稚園年長さん。(CV=坂田月菜)・ママ(28歳)=りんごのママ(CV=岩波あこ)・パパ(32歳)=りんごのパパ(CV=日比野正裕)・ニュースアナウンサー=宮ノ下さん(カメオ)【参照:日本オオカミ協会】https://japan-wolf.org/faq/<シーン1/久々野の森から国道41号へ>◾️SE/森の中/虫の声/クマの声「カムイ!逃げて!」「おかあさんは!?」「いいから逃げなさい!ウェン/カムイより早く!」おかあさんはボクを庇うように、大きなクマの前に回り込んだ。ウェンカムイ。ボクたちを襲ってくる悪いクマのことをおかあさんはそう呼んだ。弟のイメルも妹のレンカもウェンカムイに襲われていなくなった。おかあさんとボク=カムイは、オオカミの母子(おやこ)。オオカミ?正しくはニホンオオカミって言うんだって。ボクたちはここ久々野で生まれ、久々野で育った。おかあさんは一之宮からやってきた、って言ってたけど。ボクは夢中で逃げた。無我夢中で走ったら、目の前には人間が作った大きな道。よし、あの向こうまで行けば・・・勢いをつけて飛び出す。そのとき、◾️SE/急ブレーキの音「カムイ!あぶない!」「おかあさん!」草むらから飛び出したおかあさんが、ボクに体当たりした。ボクは道の端に投げ出され、お母さんも草むらへ。「おかあさん!おかあさん!」おかあさんは草むらに横たわって動かない。ただ、ボクの方をじっと見つめた。おかあさんの声は心の中に直接聞こえてくる。「ねえ、カムイ。聞いて。覚えておいてほしいの。私たちは誇り高きニホンオオカミ。ここ、飛騨では神の使い」「かみさま?」「そう。だから、これからも悪いやつに負けちゃだめ。どんな大きな相手でも背中を見せてはいけない」「うん、わかったよ」「もし、あなたに家族ができたら命懸けで守るのよ。家族なんて・・無理かもしれないけど・・・」「おかあさん・・?」「さあ、もう・・・いきなさい・・・」「おかあさん!」「ここにいちゃ・・いけない」そう言っておかあさんはゆっくりと目を閉じた。「おかあさん!おかあさん!どうしたの?なんで返事してくれないの?」「おかあさん・・・」「わかったよ・・・ボク、いくね・・」ボクはおかあさんにさよならを言って、大きな道をもう一度渡っていった。「あぶない!」「えっ?」気がつくと、さっきよりおおきな乗り物が目の前を走り去っていった。ボクを抱きかかえて尻餅をついているのは・・・人間のこども!「あぶなかったねー」と言って、ボクの頭を撫でてくる。「さわるな!」「こら、助けてあげたのに怒っちゃだめでしょ。りんご、年長さんになったから知ってるもん。親切にされたら『ありがとう』って言うんだよ」なに言ってるかわかんないけど、ちょっと困った顔をして、もう一度触ってきた。あ、あったかい・・・「よしよし。もう道路に飛び出しちゃだめだよ。じゃあね。ばいばい」そう言ってどっかへ行っちゃった。「おかあさん・・・」どうしてかわかんないけど、ボクは女の子のあとをついていく。大きな道から、少し小さな道へ。おっきくてながぁい乗り物が走る道も越えて。りんごがいっぱい実っている畑を通ったとき女の子は振り返った。ボクも距離を保ったまま立ち止...
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