【心房細動と抗凝固薬】黒い便・青あざ…抗凝固薬の出血サインを見逃さない|#341
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概要
心房細動(しんぼうさいどう)は、心房がけいれんのように細かく震えて規則正しく収縮しなくなる不整脈です。加齢とともに増え、在宅で出会う高齢者のうち、決して珍しくない割合がこの診断を持っています。心房の中で血液がよどむと血のかたまり(血栓)ができ、それが脳へ飛ぶと心原性脳塞栓症(のうそくせんしょう)を起こします。心房細動がある人の脳梗塞リスクはおよそ5倍とされ、しかも太い血管が一気に詰まるため、発症したその瞬間から重い片麻痺(かたまひ)や失語(しつご)が出やすいのが特徴です。
これを防ぐのが抗凝固薬(こうぎょうこやく)です。ワルファリンと、DOAC(ドアック、直接経口抗凝固薬=ちょくせつけいこうこうぎょうこやく)と呼ばれるダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンの4剤が使われます。しかし抗凝固薬は「血を固まりにくくする薬」ですから、効きすぎれば出血します。高齢者では腎機能(じんきのう)の低下、体重減少、併用薬の追加、転倒の増加といった条件が重なり、昨日まで安全だった用量が今日から過量になることがあります。
ここで決定的に重要なのは、その最初のサインが医療機関の中ではなく、生活の場で現れるという事実です。トイレの中、浴室、洗濯かご、歯ブラシ、爪切りの最中。つまり、心房細動の患者さんの異変に最初に気づくのは、医師でも看護師でもなく、訪問介護員や家族、デイサービスの入浴担当者であることが非常に多いのです。この回では、職種ごとの観察項目を並べ直すのではなく、気づいた人からどう第一報を上げ、どこへ流し、誰が判断につなげるかという「動線」そのものを設計します。
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