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【心房細動と抗凝固薬】飲み忘れと腎機能の変化、抗凝固薬を安全につなぐ|#347

【心房細動と抗凝固薬】飲み忘れと腎機能の変化、抗凝固薬を安全につなぐ|#347

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概要

心房細動(しんぼうさいどう)は、心臓の上の部屋である心房が細かく震えて、規則正しく収縮しなくなる不整脈です。高齢になるほど増え、在宅医療の現場では「持病のひとつ」として当たり前のように出会う疾患になりました。問題は、心房が震えることで血液がよどみ、心房の中に血栓(けっせん)、つまり血のかたまりができることです。それが流れ出して脳の血管を詰まらせると、心原性(しんげんせい)脳塞栓症(のうそくせんしょう)という、きわめて重い脳梗塞(のうこうそく)になります。昨日まで歩いていた方が、一瞬で寝たきりや重度の嚥下(えんげ)障害になる。だからこそ抗凝固薬(こうぎょうこやく)、いわゆる血をサラサラにする薬が処方されています。


この抗凝固薬には、大きく分けてワルファリンと、DOAC(ドアック、直接経口抗凝固薬)の二種類があります。この二つは「血をサラサラにする薬」とひとくくりにされがちですが、体の中での振る舞いがまったく違います。とくに違うのが、薬が効いている時間の長さです。ワルファリンは効果がゆっくり立ち上がり、ゆっくり消えます。DOACは数時間で効き始め、1日足らずで消えてしまいます。この差が、飲み忘れたときの意味を決定的に変えます。DOACを1回飛ばすということは、その人の血管の中で抗凝固の守りが一時的にゼロに近づくということなのです。


もうひとつ、在宅の現場で見落とされやすいのが腎機能(じんきのう)です。DOACの多くは腎臓から排泄されるため、腎機能が落ちれば薬が体に溜まり、出血しやすくなります。そして高齢者の腎機能は、半年あれば簡単に変わります。夏の脱水、数週間の食思不振、体重が5キロ減った、痛み止めを飲み始めた。処方が始まった時点の腎機能で量が決まったまま、誰も見直さないうちに「今の体には多すぎる量」になっていることがあるのです。この回では、飲み忘れたときの具体的な対応と、腎機能・体重の変化をどう拾うか、そして併用で危ない薬にしぼって掘り下げます。


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