『ボイスドラマ「ホリデー/前編」』のカバーアート

ボイスドラマ「ホリデー/前編」

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このコンテンツについて

飛騨高山を舞台に描かれる、女性二人の“休日交換”の物語。宮川朝市での偶然の出会いから、アプリ「ホリデーシェア」を通じて始まる不思議な体験。薬膳カフェを営むよもぎが、荘川町で見つけた新しい風景と心の揺れをお楽しみください。【ペルソナ】・よもぎ(28歳)=薬膳カフェのオーナー、芯の強い漢方薬剤師(CV=蓬坂えりか)・さくら(28歳)=荘川の村芝居に出演、伝統芸能に興味ある静かな女性(CV=岩波あこ)・朝市のおばちゃん(40歳くらい)=宮川朝市で花の苗を売る女性(CV=小椋美織)<シーン1:高山市街地の宮川朝市から>◾️朝市の雑踏「よもぎちゃん!朝市くるのひさしぶりやな!まめやったか?」「まめまめ!おばちゃんも元気やった?」「今日は何さがしよる?」「薬膳の材料でなんかいいの、ないかな、と思って」「白花(しろばな)ラベンダー、あるで」「ホント?やたっ!」「苗やから、一株もってけ」早起きして来てよかったわ〜、宮川の朝市。3か月に1回くらい。夏から秋へと向かうこの時期は、体調を崩すお客さん、多いから。市場にはあまり出回らない食材を、生産者から買いにくるの。今日はラッキー。花の苗売るおばちゃんに会えたし。なんと白花(しろばな)ラベンダーにも出会えるなんて。イングリッシュラベンダーの貴重な白花。ハーブティーにすれば、香りだけで癒されそう。アロマを抽出して、カウンセリングルームに置いとこうかな。癒しを求めて朝日に来たお客さんもきっと喜ぶわ。「すみません」「はい、いらっしゃい」「ヒマワリってありますか?」季節外れの桜の花が私の前を横切った。上品な檜の香りがかすかに漂う。顔を上げると、腰をかがめておばちゃんに話しかけているのは・・・桜柄の清楚な浴衣を着た女性。桜色のスーツケースを引いて・・観光客かしら。薄紅色の帯も素敵。「切り花かい?うちには切り花は置いてないわなあ。もう少し待てば、陣屋の市が開(あ)くで。あっちに確か切り花の店があったわ」「そうですか・・ありがとうございます」彼女は浴衣の裾をひるがえして、颯爽と歩いていく。◾️遠ざかる足音「まって」「はい?」「お花を探してるんですか?」「ええ、そうですけど・・」つい声をかけてしまった。浴衣姿に見惚(みと)れてしまって、なんて言えない。「今度・・お花を題材にしたお芝居をやるんです」「お芝居?劇団の方ですか?」「あ、そんなたいしたものじゃないです。ただの趣味で・・」「それで高山まで?」「ええまあ・・・そんな感じ。貴女(あなた)は?さっきラベンダーを持ってらっしゃったみたいだけど」「ええ、白花ラベンダー。ハーブティーにしたり、入浴剤にするとリラックスできますよ」「そうなんですか・・」「はい。私、薬膳カフェをやっているので」「まあ素敵。お似合いよ」「ありがとう。このあと陣屋前の朝市へ行かれるんでしょ。よければご一緒にいかがですか?」「本当ですか?」「私も見たいものがあったので」「よろこんで」私たちは肩を並べて宮川沿いを歩いた。言い忘れてたけど、今日は私も浴衣姿。蓬色の浴衣の裾には水芭蕉が咲いている。まるで桜の花とよもぎの青葉が並んでいるような色合い。でも、彼女はスーツケース。私はショルダータイプの大きなトートバッグ。少し厚手のキャンバス地に、ナチュラルレザーのワンポイント入り。私だって、どう見ても観光客だ。はは。たまに外国人観光客が振り返る。せせらぎの音が気持ちいい。<シーン2:よもぎのシェアハウスでアプリインストール>◾️虫の声シェアハウスへ帰ってから、朝市で買ったものをまとめてみた。赤かぶは、すりおろしておろし汁に。体を温める薬膳スープのアクセントになる。朴葉の樹皮は漢方薬に。丹生川のトマトは薬膳スープにもスムージーにもいいな。荏胡麻(えごま)は、血液をサラサラにしてくれる。あとは・・荘川のそばの実、か。これは一緒に陣屋前朝市を見た彼女のセレクト。素敵な女性だったから、つい聞いちゃったのよね。高山の食材で何が一番いいと思う?って。そしたら・・・荘川のそば。だって。...
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