
チョークの神さま〜ガラクタのようなものがまぶしく見えるとき
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ナレーター:
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後藤 敦
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著者:
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茂木 健一郎
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あれは、確か小学校低学年。おそらくは、一年か二年生の頃。社会科見学で、近郊の城址のようなところに行った。 季節は、夏が終わって秋が始まろうとしていた。ススキの穂が、そろそろ色づいて、揺れている。青空が広がり、私たちの心は、まだ人生のやっかいな重さを知らずにいた。 あの頃、遠足には、胸を焦がす爆発的な喜びがあった。何しろ、バスに乗ってみんなでどこかに行くということ自体が、人生でほとんど初めて。「一回性」という渦が、生を包んでいたのである。 お昼を食べたのは、手頃な広さの草むら。みんなで座って、おにぎりやウィンナーやらをわいわい騒ぎながら口にするのは、心から楽しかった。 早めに食べ終わったやつらが、そのあたりをふらふらし始めたのだと思う。その広場から少し道を下がったあたりから、大声で叫ぶのが聞こえた。 「クマの穴がある! クマの穴がある!」 なんだろう。私を含めて、何人かが立ち上がった。「クマの穴がある!」という声を聞いたときに、胸に立ったさざ波を、私は今でもはっきりと覚えている。。(本文より) 茂木健一郎の「樹下の微睡み」はこちらから→http://yakan-hiko.com/mogi.html
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著者: 茂木 健一郎
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著者: 茂木 健一郎
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ストーリー
今日は代官山のライブハウス「山羊に、聞く?」で、詩人の銀色夏生女史とのトークイベントがあった。トークが始まるのは20時だから、夕方までゆっくりできると思っていたら、朝、陽紀が夏風邪らしく、熱を出してダウンしているとのメールが届く。この日、陽紀は定例のよみうりカルチャー自由が丘教室の講座の日。どうしようか迷っているような気配だったので、「ここは私の出番だろう」と、私が代打で行くことにした。ちょうど1年くらい前にも陽紀がどうしてもこの講座に行けないことがあり、私が代打を買って出たことがあるので、勝手は分かっていたから問題はないが、何しろ山積する用件と格闘中で、「今日は夕方まで時間がとれる」と思っていた予定が外れたのは、いささか痛い。しかし、まあ親として、また同じような職業を持つ者として役に立てるのはこんな時ぐらいだからと、行くことにしたのである。(本文より) 甲野善紀の「風の先、風の跡~ある武術研究者の日々の気づき」はこちらから→http://yakan-hiko.com/kono.html
著者: 甲野 善紀
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雇用はなくても、仕事はある
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 菅沢 公平
- 再生時間: 21 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
どうも、ヒラカワです。 質問をいただきました。 <質問> 「いつも内田 樹さんと平川克美さんのメルマガを楽しく拝見させてもらっています。僕は38歳になる非正規労働者です。仕事は最低賃金に近く、給料は10万円前後。体調を崩したりすると、時給制なので月に10万にも満たない給料になります。自分一人が食べていくのが精一杯な状況です。 そこで質問なのですが、僕らの親の年代は65歳と、ほぼ団塊の世代だと思います。つまり、僕らは団塊ジュニア。まさに、第二次ベビーブームと呼ばれた世代。そんな僕らが今30代後半です。就職は氷河期でした。仕事もなかなか見つけられませんでした。世の中的に言うと、僕らのような団塊ジュニアの世代が、30代後半、40代と、まさに時代を担う(?)世代のはずなのですが、なんだか僕を含めて、幼い気がしてしまうのです。アニメ世代とも言えるのでしょうか……。短絡的な人(反知性的というのでしょうか)が多いように思い、今の政治や経済の状況を鑑みても、暗澹たる気持ちになります。(本文より))内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→http://yakan-hiko.com/uchida.html
著者: 平川 克美
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聖徳太子に憲法の「道理」を学ぶ
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 落合 佑介
- 再生時間: 22 分
- 完全版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
・現実的な選択をすればいい 護憲か、改憲か。 いつものように、お互いに相いれない主張がぶつかり合い、感情的な言葉のやり取りが繰り広げられている。 ある国会議員は言う。現行憲法はアメリカによる押し付けであり、この憲法下で日本人は平和ボケし、近隣諸国から馬鹿にされ、領海を侵犯されても手も足も出せない状態になっている。だからこれをすぐに改めなくてはならないと。 日本維新の会は、その綱領の中で、「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる」と言っている。 いさましくも空疎な言葉の羅列と言わざるをえない。「国家を蘇生させる」ということは、今は瀕死であるのか、すでに死んじゃっているのか、大変な事態であるようだ。(本文より)内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→https://yakan-hiko.com/uchida.html
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護憲派がお花畑と呼ばれる理由が解りました
- 投稿者: 北山 日付: 2023/02/04
著者: 平川 克美
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「よくわからない」イギリスのEU離脱
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 菅沢 公平
- 再生時間: 14 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
ヒラカワです。 イギリスEU離脱の問題に関して、専門家たちが様々なことを言ってるけど、よく分からないですね。ビジネスへの影響を心配しているひとたちは、だいたい、みんな金のことを言ってるだけなんですよ。「株がどうした、こうした」と。本来、株には無縁なひとまで、損得感情みたいなことだけを言っている。新聞も雑誌も。 でもそれは、イギリスがEUを離脱したことの結果であり、なぜ抜けたのか、問題の本質的なところに対しての解説で、納得のいくものがありません。イギリスが離脱して、しばらくの間、株価が下がるのは当たり前。当たり前のこと言ってもしかたないでしょう。 もうひとつは、イギリス国内の貧困層を中心にして、ナショナリズムが立ち上がって、アメリカのトランプ状況みたいなこと起きているというひとがいますね。例えば、移民排斥もその流れで説明します。それが住民投票で、離脱へのベクトルを志向したというわけです。 (本文より) 内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→http://yakan-hiko.com/uchida.html
著者: 平川 克美
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吉本隆明というひと――ローカルから世界性・普遍性を獲得する
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 菅沢 公平
- 再生時間: 30 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
■“腑に落ちる”思想 今、晶文社から『吉本隆明全集』が刊行されています。 私は、ぜひ若い人にも一度は吉本さんの思想と向き合ってほしいと思います。 ただ、いきなり『共同幻想論』を読んでも、分からないかもしれません。 私たちの世代は、中心的な論考の間に彼の講演や主宰した「試行」に書いていた彼の雑文を読みながら、本当に彼がいわんとしていたことが何なのかを理解していった共時的な過程に恵まれました。だから、私たちの年代は、だいたい同じように吉本思想を理解し、そして強く影響を受けたのだと思います。吉本さんに限っては、他の方の吉本論を読んで、あまり違和感を感じないで済むのです。これはちょっと不思議なことです。(本文より))内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→http://yakan-hiko.com/uchida.html
著者: 平川 克美
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『東京ブギウギと鈴木大拙』で見えてきたこと
- 著者: 甲野 善紀
- ナレーター: 後藤 敦
- 再生時間: 1 時間 2 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
このところ各所から本が届いているが、その中でも、「この本に関しては、感想というよりも、この本によって考えさせられた禅に関するさまざまな問題について、私自身の中を整理しておかなければ…」という思いにさせられた本は、人文書院から刊行された『東京ブギウギと鈴木大拙』である。著者は山田奨治国際日本文化研究センター教授。 世に出版される数多くの本の中には「このジャンルでは、この人だな」と思わせられる本があるが、本書はまさにそれにあたる。この山田教授は、かつて書かれた『禅という名の日本丸』の中で、オイゲン・ヘリゲル著『弓と禅』の中で最も要となっている部分について大きな疑問をあぶり出されていたからである。それは、オイゲン・ヘリゲル東北帝国大学講師の弓の師である大射道教創始者の阿波研造が、闇の中で微かな蚊取り線香の光だけを頼りにして、的の中心に矢を射当て、さらにもう一筋の矢も、的の中心に射当てた矢の矢筈を割って、二本の矢が重なって的に刺さっていたという話についての神話的状況描写についてである。(本文より) 甲野善紀の「風の先、風の跡~ある武術研究者の日々の気づき」はこちらから→http://yakan-hiko.com/kono.html
著者: 甲野 善紀
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父親と観た映画を思い出す
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 落合 佑介
- 再生時間: 12 分
- 完全版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
・偲ぶ会にて 先日、映画の東宝スタジオサービスの社長さんから、突然お手紙をいただいた。お手紙とはいっても、特別な内容のものではなく、先ごろ亡くなった高峰秀子さんの「偲ぶ会」があるので、出席しないかというお誘いであった。 私は自著『俺に似たひと』の中で、高峰秀子に触れ、彼女への偏愛を少しだけ語った。くだんの社長は、私の本を読んでくれていて、高峰ファンの私にお声を掛けていただいたというわけである。当日、私はどんな往年の俳優が集まるのかと、ほとんどミーハー気分で会場へ出かけた。 会場は、スタジオにステージを拵え、椅子を配したにわか作りの劇場になっており、舞台の正面には小さなスクリーンが配置されていた。思っていたとおり、司葉子や、星百合子、八千草薫、宝田明などスクリーンでしかお目にかかれないスターの顔が揃った。(本文より)内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→https://yakan-hiko.com/uchida.html
著者: 平川 克美
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『三丁目の夕日』の時代、朝鮮半島では何が起きていたか
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 菅沢 公平
- 再生時間: 17 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
内田樹&平川克美メールマガジン「大人の条件」2016年9月号より ■『国際市場で逢いましょう』2014年の公開以来、韓国歴代2位、1400万人の動員を数えた韓国映画『国際市場で逢いましょう』。この映画をご覧になった方はいらっしゃいますか。 第二次世界大戦後、ある韓国人の家族の70年を、特にその主人公がどのように生きたかを描いた映画です。日本にも同じような時代を描いた『三丁目の夕日』という映画がありますが、映画の中で起きる出来事は日本と韓国ではずいぶん違います。大戦後の日本という国と朝鮮半島の国々の政治や暮らしの状況はまるで違ったからです。一部映画のネタバレがありますが、日韓の歴史を振り返ってみましょうか。(本文より) 内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→http://yakan-hiko.com/uchida.html
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ネタバレ要注意
- 投稿者: アマゾン太郎 日付: 2022/11/28
著者: 平川 克美
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子供が観る映画ではなかった――映画『カビリアの夜』評
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 落合 佑介
- 再生時間: 13 分
- 完全版
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ナレーション
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ストーリー
フェデリコ・フェリーニ監督の映画『カビリアの夜』は、一九五七年に製作・公開されている。その前年、日本では売春防止法が制定され、以後、日本文化の一翼を担った遊郭が消えていった。皮肉にも、この年、品川遊郭を舞台にした川島雄三の傑作『幕末太陽伝』が公開されている。前年に東調布第三小学校に入学した私は、七歳のケツの青いガキで、世界は、自分の前に無限に広がる海のように単純で、偉大だった。 七歳の子供には、世の中には、男と女がいて、昼と夜の間には人間の数だけの争い事や悩みがあり、多くの人間たちは空腹や貧乏、抑圧や裏切りに耐えながら生きているなんてことは、わかるはずもなかった。 『カビリアの夜』の主人公は、カビリアというローマの娼婦である。(本文より)内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→https://yakan-hiko.com/uchida.html
著者: 平川 克美
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慶應MCC夕学セレクション「生涯学習のススメ」
- 著者: 和田 秀樹
- ナレーター: 和田 秀樹
- 再生時間: 1 時間 13 分
- 完全版
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ナレーション
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ストーリー
若い頃よりむしろ歳をとってから上がってくる記憶力の話や、感情の老化による「決めつけ」が引き起こす判断ミスなど、生涯学習の魅力を多くの事例と共に語ります。(C)和田秀樹、慶應丸の内シティキャンパス
著者: 和田 秀樹
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額の中の男が見つめる家族の崩壊過程――小津映画が描いたもの
- 著者: 平川 克美
- ナレーター: 菅沢 公平
- 再生時間: 36 分
- オリジナル版
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ナレーション
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ストーリー
■戦争を挟んで 今回は、映画の話をしたいと思います。 好きな日本の映画監督を挙げるとしたら、小津安二郎、成瀬巳喜男、川島雄三の三人でしょうか。いずれも戦前から活躍し、70年代に入る前にこの世を去った監督ですが、特に小津さんは、今でも非常に不思議な立ち位置にある人だと私は思っています。 どういうことかと言うと、まず、成瀬は職人的な監督で、男女の微細な感情をとてもうまく映像化する。作品の完成度は高く、しかもおもしろい。通俗的な意味でおもしろいんです。 『浮雲』は成瀬の代表作ですが、こんな作品はもう二度と作れないといった感じに仕上がっている。映し出される風景がとても官能的で、それだけで何かを語ってしまいます。『乱れる』『流れる』なども、あたかも一場のよい芝居を観せられているような作品です。(本文より))内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→http://yakan-hiko.com/uchida.html
著者: 平川 克美
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膨大な仕事を一瞬でさばく 瞬間集中脳
- 著者: 茂木 健一郎
- ナレーター: 豊岡 聡仁
- 再生時間: 3 時間 59 分
- 完全版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
「瞬間集中」で脳が最高のパフォーマンスを発揮する!
仕事が最速で片づき、自由な時間が劇的に増える集中法を大公開!
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前向きに生きるために私の励まし本ですネ
- 投稿者: KIMIKO 日付: 2020/10/09
著者: 茂木 健一郎