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東京落語では『羽織の幇間』という演題で、時折、高座に掛けられています。落語では花見のネタは多いのですが、葉桜見物の落語は極めて少ないだけに、ネタの中で貴重な存在と言えるかも知れません。

滑稽怪異談ですが、人情味タップリの内容とも言えましょう。当時の大阪の商家の様子も如実に描かれ、生活の匂いまで感じられます。上方落語の大ネタの一つで、かなり昔から演じられていました。

超レアな落語で、高座で演じられることは、近年まで皆無でした。お裁き物の中でも、ユニークな内容だけに、もっと上演されても良かったのではないでしょうか。世の中、揉め事は無い方がいいですね。

東京落語『ぼんぼん唄』を、桂文我が上方落語バージョンに仕立て直しました。最近、歪んだ親子関係で事件が起こるという悲惨なニュースを耳にすることが増えましたが、親たるもの、「子どもは宝」という心を忘れてはなりません。

世の中、全く予想のつかない展開が起こることも多々ありますが、悪いことばかりではなく、良い方へ転がる場合も多いだけに捨てたものではありません。『佐野山』という落語は、将に象徴的な展開と言えるのではないでしょうか。

子どもが活躍する落語も数多くありますが、その中でも一番賢い子どもが登場するのが『佐々木裁き』。講談から採られたネタのようですが、講談独特の堅苦しい内容を、落語の柔らかさで包んでいると思います。

飛行機やロケットで雲の上に行けるようになった昨今、このようなネタが存在していること自体、ナンセンスであり、驚異的なことかも知れません。しかし、科学の範疇を超えたロマンも、大切にした方がいいように思います。

上方講談 古典怪談の世界。近年、注目を浴びている、日本の伝統話芸「講談」。五福屋政談 その5「又兵衛殺し」

とても面白い内容ですが、近年では演じる者がありませんでした。受け継ぐ者が居なくなったネタは、そのまま置き去りになっていることも多いのです。誰がが演り出すと、息を吹き返すこともあるだけに、今後が楽しみなネタと言えるのではないでしょうか。

明治の東京落語界の大立者・三遊亭圓朝が、観客から三つの題をもらい、見事に纏め上げたと言われているネタです。怪談噺・人情噺を十八番にしていた八代目林家正蔵から上方落語の三代目桂文我に伝わり、当代文我も演じるようになりました。

気を付けて演じないと、後味の悪いネタに仕上がる場合があります。金持ちの座敷遊びを、爽やかに演じることが大切でしょう。いっそのこと、おおらかに、無邪気に演じる方が良いのかも

元来は小噺でしたが、内容を膨らませ、一席物にしたネタです。

正に、上方落語の珍品です。江戸時代の本に原話が見られ、かなり昔から演じられていたようですが、明治以降、上演されることは皆無に等しくなりました。

「日本むかし話」にも、よく似た話がありますが、紀州のお殿様と、大坂の豪商鴻池善右衛門を加えたのが、当時の噺家の見事な味付けだったと思います。現代科学では割り切れない、奇想天外な世界で遊ぶのも、人間の喜びではないでしょうか？

目に関する落語は『犬の目』『目薬』『義眼』『按摩炬燵』『麻のれん』など、笑いの多いネタもあれば、『心眼』『大仏餅』のような切実な内容のモノもあります。上方落語の大作『景清』は、その中間と言えるかも知れません。

桂團治という古老が演じたのを一度だけ聞いたという桂米朝師の記憶を頼りに、桂文我が復活させました。何とも不思議な展開ですが、緊張と緩和が交互に加わるような筋立てには、作者の智慧を感じます。

相撲の落語は講談から移植したネタが多く、この落語もその一つではないでしょうか。上方の名力士・稲川の料簡と、江戸っ子の心根の爽やかさを垣間見ることが出来る、実にスッキリした内容だと思います。

『村芝居』とも言われ、『仮名手本忠臣蔵大序・鶴ケ岡兜改めの段』を題材にしています。芝居噺のジャンルには入れにくい内容ですが、全体の面白さを考えると、「屈指の爆笑芝居噺」と言えましょう。

明治時代に刊行された怪奇小説を、落語に変化させました。札幌の古書店で原本を見つけなれば、落語にならなかっただけに、本との出会いも不思議なものです。現在の三重県松阪市近辺の

色事の揉め事を題材にした落語も多く、『持参金』『お文さん』など、複雑な内容のネタもありますが、昔の速記本で残っている珍品の『親子の嫁入』