Ep.12 それは事実ですか、それとも推論ですか――AIの返答から考える日常生活の科学的思考
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「今日も雨ですね」と入力しただけなのに、AIが「外に出るのも少し億劫になりますね」と、本人が話していない気持ちまで付け加える。自然に聞こえる返答の中にも、確認されていない推論が含まれています。
今回は、AIとの実際のやり取り、友人へのメッセージが既読になっても返信が来ない場面、業務報告書の修正を求める上司と部下の仮の例から、事実・願い・推論・人物への評価を分けて考えます。
「きっと忙しいだけ」という好意的な説明も、確認していなければ推論です。また、「温情だった」「不安だった」と事情を説明できても、報告書の承認や上司への批判が適切だったことを示すとは限りません。
推論をやめるのではなく、推論を事実にしてしまわない。何が事実で、どこが推論か。推論に根拠があるかを確かめ、確かめられないなら「まだわからない」としておく。仕事や人間関係の中で、科学的思考をどう役立てられるかを、ホストとAI役の掛け合いで考えます。
OpenAIが公開するModel Specと、安全上のルールの適用を推論する訓練手法Deliberative Alignmentも紹介します。
音声:AI役には、音声読み上げサービス「音読さん」を使用しています。https://ondoku3.com/ja/
引用・参考文献
・OpenAI『Model Spec』2026年8月18日版https://model-spec.openai.com/2026-08-18.html
・OpenAI “Deliberative alignment: reasoning enables safer language models”(2024年12月20日)https://openai.com/index/deliberative-alignment/
関連書籍(第11回で紹介し、本回でも言及)
・Saul Perlmutter, John Campbell, Robert MacCounThird Millennium Thinking: Creating Sense in a World of NonsenseLittle, Brown Spark, 2024.https://www.hachettebookgroup.com/titles/saul-perlmutter-phd/third-millennium-thinking/9780316438100/
日本語訳版
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/25/06/10/02068/