#3 取材先を調べ込みすぎると、相手の答えを先回りしてしまう ── 下調べをどう使うか
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今日のテーマは「取材前の下調べ」です。纐纈は2018年から2023年までの5年間、毎週、経営者の方にお話をうかがう映像を制作し、取材の前には会社や業界、地域での成り立ちをできる限り調べ込んでから当日を迎えていました。下調べは質問を浅くしないためのものですが、調べすぎると、聞き手が相手の答えを先回りしてしまうことがあります。下調べをどう使えば、ご本人の言葉を聞けるのかをお話しする回です。
▼番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。(Googleフォーム)
https://forms.gle/C5oxMkAGbfaFyyMW8
▼このエピソードで話していること
・取材の前に、会社のこと、業界のこと、地域での成り立ちを調べ込み、話の構造を頭の中でまとめてから当日を迎えていた理由。業界を知らないままでは質問が浅くなり、専門用語や技術の話ばかりでは、初めてその会社を知る人がついていけない。広い話と具体的な話を行き来するために、事前の準備がある
・調べ込んだことがあだになり、質問の意図を匂わせすぎていた、始めた頃の経験。たとえば「創業の頃は、資金繰りでご苦労されたとうかがっています」という聞き方には、すでに答えが入っている。答えの方向を聞き手が決めると、相手の方はそれを感じ取り、聞き手に合わせて話してくださることがある
・質問に使う動詞を変えるだけで答えが変わった、1974年のエリザベス・ロフタスとジョン・パーマーの実験。「激突した」と聞かれた人は、「接触した」と聞かれた人より車の速度を高く見積もり、1週間後には映像になかった割れたガラスを「見た」と答える人も増えた。人の記憶や経験を聞き取るオーラルヒストリーの分野でも、答えを誘導する質問は避けるべきだとされている
・調べて知っていることでも、最初はご本人の言葉で「私たちは、こういう会社です」と話していただく理由。事前の理解とご本人の語りが違うとき、次の質問が見えてくる。雑誌の記事なら記者があとから背景を補えるが、映像やポッドキャストでは収録された会話そのものが届くため、その方がどんな人で、どんな会社なのかを会話の中で伝える必要がある
・従業員の数を聞いても、視聴者の心はほとんど動かない。事業が発展した先の結果の数字だからで、映像なら社屋の映像、ポッドキャストなら事業の内容や店舗の数から、会社の大きさは見えてくる。取材を重ねるなかで、相手の言葉を聞きながらその場で次の質問を変え、事業の裏側にある動機や迷いや哲学を真摯にうかがう聞き方に変わっていったこと
▼こんな方におすすめ
・社内報や採用ページのために、経営者や社員への取材を企画している方
・取材の前に、相手のことをどこまで調べればよいか迷っている方
・事前に調べた内容を、質問でどう使えばよいか知りたい方
・映像やポッドキャストで、初めて聴く人にも伝わる対談をつくりたい方
▼番組概要
アストライド-Astride- 代表の纐纈智英が、当社のホームページに掲載しているナレッジ記事をもとに、企業がポッドキャストで発信するときの考え方と進め方をお話しする番組です。経営者の方が自社の番組を始めるかどうか判断するときに、必要な知識を1回ずつお届けします。
▼制作:アストライド-Astride-