『ニューヨークタイムズ / どんなかたちのペイウォールを採用するか? / NYTのサブスクリプションファネル / ファネルのそれぞれのフェーズでどんな施策をしているのか? / 複数の異なる商品やサービスをひとつにまとめて、お得な価格で提供する「バンドル戦略」 / バンドルと広告戦略のつながり / 日本の出版社、新聞社への示唆』のカバーアート

ニューヨークタイムズ / どんなかたちのペイウォールを採用するか? / NYTのサブスクリプションファネル / ファネルのそれぞれのフェーズでどんな施策をしているのか? / 複数の異なる商品やサービスをひとつにまとめて、お得な価格で提供する「バンドル戦略」 / バンドルと広告戦略のつながり / 日本の出版社、新聞社への示唆

ニューヨークタイムズ / どんなかたちのペイウォールを採用するか? / NYTのサブスクリプションファネル / ファネルのそれぞれのフェーズでどんな施策をしているのか? / 複数の異なる商品やサービスをひとつにまとめて、お得な価格で提供する「バンドル戦略」 / バンドルと広告戦略のつながり / 日本の出版社、新聞社への示唆

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とくに雑誌を主軸にしている(していた)出版社や新聞社に参考にしてほしいのがニューヨークタイムズ(NYT)のビジネスモデルのデジタルシフトである。NYTは、直近では2000年段階と遜色のない営業利益率と純利益となっている。2022年には購読者数1000万人を超え、2027年末までに購読者数1500万人という新たな目標を設定した。しかし2000年から2015年までの15年間を見ると、総収益も営業利益率も落ち続けている。中長期的な停滞ゆえに「もうだめだ」と思われていた。この点では日本の出版業界と似ている。だが、2010年代中盤以降にデジタル中心の巻き返しが顕著に可視化されてきた。その意味では、日本のマンガ業界に似ている。NYTは2011年にデジタル課金(ペイウォール)を導入後、デジタル収益が成長率を牽引してきた。順風満帆だったわけではない。2012年の最終四半期にはデジタル購読者は約7・4万人だったが、2013年第2四半期には2・2万人まで減っている。出版物自体の売上も広告からの売上も減り、デジタル広告は衰退に転じ、デジタル購読も早くも頭打ちだと当時は語られていた(McKinsey & Company “Building a digital New York Times: CEO Mark Thomp-son” August 10, 2020 )。ところが直近では四半期ごとの数字を見ても、デジタルの専用購読者数、ARPU(Average Revenue Per User ひとりあたりの課金額)は伸び基調にある。広告収入も、増減はあれど減少傾向にはない。デジタル購読者数上昇にもデジタル広告の収益改善にも、徹底したCRM(Customer Relationship Management 顧客関係管理)データの活用が背景にある。NYTのマーケティング、CRMは日本の雑誌・新聞ビジネスの今後を考えるうえで参考にすべき点が多い。海外事例ということもあり横文字、耳慣れないカタカナの用語が多く感じるかもしれないが(このあとのビッグ5や欧米の書店の事例も同様)、そんなにむずかしい話はしていない。ついてきてもらいたい。どんなかたちのペイウォールを採用するか?無料コンテンツを豊富に用意した寛大な従量制ペイウォール(お金を払わないと記事や動画などの続きを見られないしくみ)は、有料課金へのコンバージョン(転換)率を低下させる傾向があることがわかっている。これが明らかになって以降、課金なしでは1文字も読めない「ハードペイウォール」の割合が増え、「月○本までは無料で読める」という上限を設定する「メーター制」の割合は減った。メーター制を採用する場合も、たとえばNYTは初期には月に20本の記事を無料で閲覧できた。だがその後、徐々に無料で読める記事の本数を減らしている。また、NYTはペイウォールを導入した2011年当初、ソーシャルメディアや検索経由のアクセスに対して「抜け道(loophole )」として無料での記事閲覧を許可していた。こちらも段階的に縮小・廃止された。現在ではNYTが選んだ特定の記事を、Facebook 「Instant Articles 」などを通じて一部だけを例外的に無料で読めるコンテンツにしている。「ギフト記事(Gift Articles )」を通じてNYT購読者が月10本まで記事を「ギフト」としてSNS上にシェアでき、そのリンク経由であれば非購読者も読める。The Guardian のような一部のメディアは、有料記事に対して、ユーザーのスクロール操作に合わせてつねに画面内に表示されるスティッキーバナー(「追従バナー」「フローティングバナー」)を配置したり、寄付を求めたりしている。これはガチガチのハードペイウォールだけでは、重要なニュース記事が人々にとって手の届かないものになる可能性があるとの考えからである。報道は広く知られることによって社会の公益に資するべきであるとの考えもあるから、一応、ちょっとは読めるようにしているわけだ。どのタイプのペイウォール戦略を採用するにせよ、無料会員登録を促し、メールアドレスを収集してニュースレターを配信する取り組みが増えている。会員になってもらい、ユーザーの同意を得られれば、非会員のときよりも多くの行動データを収集できる。また、直接...
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