『ウェブ小説 / そもそもウェブ小説とは? / 文芸市場に占めるウェブ小説書籍化の割合 / 日本におけるウェブ小説販売モデルの困難 / 中韓以外のウェブ小説は日本と同じ「ウェブ小説書籍化+映像化権ビジネス」』のカバーアート

ウェブ小説 / そもそもウェブ小説とは? / 文芸市場に占めるウェブ小説書籍化の割合 / 日本におけるウェブ小説販売モデルの困難 / 中韓以外のウェブ小説は日本と同じ「ウェブ小説書籍化+映像化権ビジネス」

ウェブ小説 / そもそもウェブ小説とは? / 文芸市場に占めるウェブ小説書籍化の割合 / 日本におけるウェブ小説販売モデルの困難 / 中韓以外のウェブ小説は日本と同じ「ウェブ小説書籍化+映像化権ビジネス」

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日本や韓国、中国、アメリカの動向を踏まえてデジタルでの売上を伸ばしやすいジャンルを考えると、マンガ以外ではウェブ小説、なかでもエンターテインメント要素が高く、シリーズ化しやすいロマンスやファンタジーなどだろう。そうした観点から、この章ではウェブ小説について検討していく。インターネット上に書かれた小説、中でも「出版社のサイト上に掲載されたプロの作家の作品」ではなく「一般ユーザーが投稿する小説」がウェブ小説(Web 小説)、ネット小説、オンライン小説などと呼ばれてきた(ここでは「ウェブ小説」と表記する)。2000年代に二度のブームがあった「ケータイ小説」も、日本独自規格のモバイルインターネット(iモード)上で生まれたウェブ小説の一種といえる。なお、ウェブ小説は広い意味では電子書籍に含まれることもあるが、基本的には別物である。EPUBやpdf 形式で制作され、Kindle などで販売・配信されている電子書籍の話はここではしていない。中国では2003年にウェブ小説投稿サイト「起点中文網」が、韓国では2005年に「ムンピア」がウェブ小説の話売り課金モデルを採用し、いずれの国でも他の事業者にも波及して成功を収めている。「人民網」2025年6月19日「中国のネット文学のユーザーが5・75億人に」の報道によれば、中国のネット文学産業は主要プラットフォーム50を足し合わせると2024年に約440億元(約9000億円) 。韓国出版文化産業振興院(KPIPA )「2024年ウェブ小説産業現況実態調査」によれば韓国では2024年に約1兆3500億ウォン(約1500億円)。中国でも韓国でも、その多くが話売り課金による売上である(中国では3割ほどが版権売上と見られる)。両国ともに2010年代から2020年代までのあいだに、10倍以上の市場規模になった。一方で日本におけるコミック市場の規模は出版科学研究所の推計では2024年に7043億円(うち電子コミックが5122億円)であるのに対し、小説市場の規模はおそらく紙と電子を合わせても、かなり多く見積もって600〜700億円台にすぎない。韓国コンテンツ振興院(KOCCA)「2024ウェブトゥーン産業実態調査」によればウェブトゥーン(縦スクロールのデジタルコミック)の産業規模(総売上高)は2023年に2兆1千890億ウォン(2341億円)。前述したようにウェブ小説はその半分以上の約1500億円である。日本では今や小説市場はマンガ市場の10分の1以下にすぎないが、仮にウェブ小説市場が中国や韓国のように課金モデル導入によって爆発的に成長し、韓国同様にウェブ小説がデジタルコミックの半分規模にまで達すれば、紙の小説市場と合わせて年間3000億円以上、ウェブ小説だけで2000億円台のマーケットになりうる。しかし日本でウェブ小説の課金モデルを導入する試みは成功し、普及してきたとはいえない。何がボトルネックになっているのか。そもそもウェブ小説とは?2000年代以降、ひとつのサイト上にさまざまな書き手が作品を投稿する小説投稿プラットフォームが登場した(ウェブ小説の歴史についてくわしくは拙著『ウェブ小説30年史』を参照)。現在では代表的な投稿プラットフォーム(ウェブ小説投稿サイト)にヒナプロジェクトの「小説家になろう」、KADOKAWAの「カクヨム」、アルファポリスの「アルファポリス」、スターツ出版の「野いちご」「ノベマ!」「ベリーズカフェ」などがある。ウェブ小説投稿サイトおよびその運営企業の中で「どこが有力(人気)なのか」という問いに答えるのは簡単ではない。というのも、登録アカウント数が多くても過去のブーム時にたくさん作られたものの現在は休眠状態のものが多いサービスもある。ユーザー数や作品数が膨大でも二次創作が中心で、マンガ化やアニメ化といったIP展開が可能なオリジナルの人気タイトルの割合が少ないサービスもある。逆に、アクティブなユーザーの数がそれほどではなくとも、書籍化作品が書店・取次のベストセラーランキングに入...
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