#54『死んでいる』ジム・クレイス 〜死ぬことと、死んでいること〜
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📚🎙 読書Podcast「本読むネズミ」第54回
『死んでいる』ジム・クレイス
渡辺 佐智江 (翻訳)
〜死んだあとにも、物語は続く?〜
今回取り上げるのは、ジム・クレイスの『死んでいる』。
主人公は、動物学者のジョセフとセリースという夫婦。二人は若い頃に出会った海辺を訪れ、そこで殺されてしまいます。しかし、この小説が描いていくのは「誰が殺したのか」ではなく、死んだ二人の身体が、そのあとどうなっていくのか。死体が腐っていくことに、そもそも「物語」はあるのか。
原題は Being Dead。
「死」でも「死んでいく」でもなく、「死んでいる」。
死ぬという出来事は一瞬でも、そのあとにも「死んでいる状態」は続いている。そして、身体が別のものへ変わっていくとき、その人はいったいいつまで「その人」なのでしょうか。
さらに、作者ジム・クレイス自身は無神論者。死後の世界を信じなくても、人は死を受け入れるための物語を必要とするのか。そして、文学は宗教の代わりになりうるのか。
高橋のオペラ《長い終わり》とも重ねながら、死んだあとにも何かがあってほしい、という希望についても語りました。
Book to Soundでは、一小節の主題を80回変奏する
《主題と80の変奏 “Being Dead”》を制作。
変奏というより、腐敗。
消滅ではなく、変質。
ジム・クレイス『死んでいる』から、死と身体、宗教と物語について考えます。
話題の本から名作、気になる一冊まで、作曲家・高橋宏治 × 文化史研究者・田口仁が、それぞれの視点で語り尽くすニッチでクールな読書Podcastです。
● 高橋宏治(作曲家)
日本語の韻律と言葉の身体性を軸に、オペラ、映画、演劇、ダンスなど領域を横断して活動。歌と語り、音楽と演劇の境界を探る作品を発表している。日本語オペラ『長い終わり』では音楽・台本を手掛け、映画『痴人の愛』では音楽を担当。東京藝術大学作曲科、同大学院修士課程、デンマーク王立音楽院修士課程修了。
HP:https://www.kojitakahashi.net/
● 田口仁(文化史研究者)
茨城県生まれ。東京大学大学院 博士後期課程。
専門:表象文化論(映画・芸術理論)。
制作集団「nezumi」にて音楽関連の執筆も担当。
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