#158 史記で学ぶ交渉学㉓「藺相如」その1『璧を完うす』 安藤雅旺
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日本交渉協会代表理事の安藤による「史記で学ぶ交渉学」藺相如(りんしょうじょ)編の第1回をお届けします。本エピソードでは、趙の恵文王の時代、強国・秦の昭王から突きつけられた「十五城と璧(へき)の交換」という難題に挑んだ名交渉者・藺相如の活躍を紐解きます。「虎狼の秦」による不条理な要求に対し、国家間の信義を盾に取りつつ自らの命を賭して名宝を守り抜いた「完璧(璧を完うす)」の物語から、弱者が強者と対峙する際の交渉代理人としての振る舞いや心理的駆け引きの真髄を学びます。 【TODAY’S TOPICS】◎「和氏の璧」をめぐる強国・秦からの無理難題・圧倒的な国力差と趙の苦悩:強欲で残忍な「虎狼の秦」からの十五城との交換申し入れ。璧を渡せば騙し取られ、断れば侵略の口実にされるというジレンマ・藺相如の抜擢:宦官の長官・繆賢(びゅうけん)の推薦により、身分は低くとも知勇と智謀に優れた藺相如が趙の使者(交渉代理人)として指名される◎命を賭して主導権を奪還した「完璧」の交渉術・真意の察知と機転:秦王に城を譲る気がないことを見抜き、「璧に傷がある」と偽って手元に取り戻す・「柱に頭を砕かん」という気迫:柱を背にして立ち、頭もろとも璧を破壊すると迫る命懸けの脅迫で、秦王の優位性と傲慢さを一気に崩す・交渉の主体ではなく「盾」となる演出:「大国同士の信義を守るため趙王を説得して参じた」と語り、非を秦側に負わせる論理構成◎五日間の時間稼ぎと鮮やかな結末・「斎戒」を用いた時間稼ぎ:趙王の礼を理由に秦王へ五日間の斎戒を求め、その隙に従者を使って間道から璧を趙へ無事送り届ける・煮殺(釜茹で)を覚悟した堂々たる対峙:欺きを明かして処刑を請う藺相如に対し、殺しても璧は戻らず両国の親睦を失うだけだと悟った秦王が厚遇して帰国させる結末・結果としての「両者すれ違い」の演出:秦も城を失わず、趙も璧を奪われず、互いに面目を保ちながら国難を切り抜けた高度な外交交渉次回は藺相如シリーズの第2回として、秦王と趙王が直接対峙した緊迫の首脳会談「澠池(べんち)の会」をお届けします。
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お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、『交渉アナリスト』のサイトをご覧ください。