エピソード

  • 009- 2人の気配と記憶のリペア
    2026/02/07

    第9話「人気配と記憶のリペア」
    半世紀もの間、町の片隅で灯りをともしてきた小さな楽器店。そこには、亡くなった先代店長と修理職人テッちゃんの、今も消えない気配がある。楽器を直すことは、音を戻すことだけではなく、かつて胸に抱いた夢や記憶に、もう一度触れてもらうこと。右腕に痺れを抱えながら店を継いだ息子のもとには、若い頃夢を手放した老人や、音に迷った若者が訪れる。この店でリペアされるのは、楽器と、人の心。は再び歌い、夢と記憶は静かに息を吹き返す。


    • 店名: おたまじゃくし

    • 住所:  広島県福山市大黒町1−17

    • 営業時間:  11時30分~19時30分

    • 定休日:  毎週木曜日

    • TEL: 084-926-2872

    • HP: http://ww41.tiki.ne.jp/~otamajakushi/

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    16 分
  • 008- 音が救った方舟
    2026/02/01

    街の中心から少し離れた場所に、ノアの方舟のような建物がある。三十年ものあいだ沈まずに航海を続けてきたその船を、ひとりの船長が舵取りしてきた。歌うことも猫を飼うことも反対されながら、それでもステージを手放さず、中古で床が抜けそうな船から航海を始めた。やがてこの船は、音を鳴らす者と受け止める者が出会い、心の境目がほどける場所となる。音はときに涙を呼び、ときに生きる力を与えた。コロナという大波に襲われても、音は途切れなかった。人と人の絆が、この船を動かし続けている。外見は方舟、中は音の洪水。その音が、船を救ってきた。

    取材メモ:

    日々、音に溢れる客席にて取材をさせていただきました。筆者もライブでこちらのお店には何度もお世話になっています。したがって女性の店主さんとは気楽にお話ができました。取材なので少々立ち入ったことも伺いましたが快くお話しいただき感謝です。好きな言葉は?という質問には間髪入れずに「初心忘れるべからず」と即答され、なるほど、それでいつも溌剌とされているのだなと納得しました。音楽好き同士なのでついつい脱線する話を修正しながらの取材、楽しかったです。


    MUSICFACTORY:

    〒721-0942 広島県福山市引野町5丁目28−3

    084-945-8481

    https://musicfactoryhikino3.wixsite.com/mysite

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    14 分
  • 007-風の中で、ケヤキは立つ
    2026/01/27

    医院の前に立つ一本のケヤキが、半世紀にわたり見つめ続けた風と人の声。父から子へと受け継がれる診療の姿、言葉にならなかった想い、風に乗って届く不安や感謝の気配。『風の中で、ケヤキは立つ』は、木の視点から描かれる静かな物語です。物語の中で、「聴くとは何か」を問い返されるでしょう。感情を強調せず、ゆっくりとした語りで紡がれる言葉の奥に、確かな温度が残ります。風に耳を澄ますように、どうぞ静かにお聴きください。



    取材メモ:

    ふじもり医院は2世代にわたって同地に医院を構える地域に根付いた医院です。藤森医師が意識を払っているのが「患者の声を最後までしっかり聞く」です。聞くこととは何か。人の命にも関わる判断を、数値だけでも写真だけでもなく、患者の声からもしっかり受け取るといった姿勢に感動しました。


    〒721-0915 広島県福山市伊勢丘5丁目1−30

    084-947-1275

    http://fujimori-clnc.com/

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    14 分
  • 004-風のバルと、記憶の皿
    2025/12/03

    第4話「風のバルと、記憶の皿」
    山の焚き火で心の声を聴く無骨な店主が営む、風のバル。疲れ切った女性が香りに導かれ辿り着くと、金色に輝く一皿が運ばれてくる。ひとくち食べた瞬間、忘れていた温かな記憶が蘇り、涙があふれる。言葉にならない想いは風に乗ってひと皿になり、誰かの心を癒していく。


    ©️フィッツ企画制作所

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    14 分