車
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概要
📖『車』朗読 – 松脂かおる松林の道と、木洩れ日ゆれる夏の一日🌲☀️
静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『車』。
籠を頭にのせて町角に立っていたハーシュは、その日の午前中、仕事にありつけずにいました。弁当を食べはじめたところへ赤い髭の男がせかせかとやって来て、兵営の普請に使うテレピン油を工場まで取りに行ってくれと頼みます。渡された名刺と、よぼよぼの車を引いて、ハーシュは道を歩きだします。
楊の並木を過ぎ、白い杭のところで道を折れると、松脂の匂いのする松林にさしかかります。そこで水色の服を着た小さな男の子に呼びとめられ、車に乗せてほしいとせがまれます。乗せてやると、車はがたがたと揺れ、狭くなっていく道をハーシュはゆっくりと引いていきます。
そのうちに車輪のくさびが一本ぬけているのに気づき、ハーシュは近くの百姓家で縄を借りようとしますが、おかみさんにきつく断られてしまいます。腹を立てるのはもっともだと思い直したハーシュは、来た道を戻ってくさびを探しあて、車をなおして再び歩きだします。小さな川を渡ると、まもなく松林のはずれにテレピン油の工場が見えてきます。
仕事のなかった朝のうめ合わせに、こんなにも愉快な道のりが待っていようとは、ハーシュ自身思いもよらないことでした。
松の香りと木洩れ日に満ちた、ひとりの男とひとりの子どもの小さな旅を、朗読でじっくりとお楽しみください。
#兵隊 #冒険
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